2002/10/20━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.83 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 北海道は、急に寒くなってきました。 最低気温はもう一桁台です。 冬の楽しみのひとつに、夜空の星々がとても綺麗に見えることがあります。 月の色の話。 月の色はね、高度に影響を受けるんだよ。 昇り来る月や沈み行く月は赤いよね。 これは、朝日や夕日が赤く見えるのと同じで、大気中を長く通った光はみな赤みを増 すからなんだ。 太陽光に比べて、月光はその約50万分の1という弱さだから、なおのこと大気の影響 を強く受ける。 季節による月の高度の変化が、色合いの違いとなっているんだね。 真夏の満月は高度が低くて、赤みを帯びた色合い。 秋が深まるに連れて満月の高度が増し、その色合いは黄金色から銀色へと変化してい くんだよ。 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■モンゴロイド5万年の話(2)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サバンナにでかけた好奇心の強いサルが、250万年のネオテニー化の末に、子どもっ ぽい特徴を持った脳が発達したサル=ヒトになった。 そしてそれからさらに、ネグロイド(黒色人種)からコーカソイド(白色人種)、 モンゴロイド(黄色人種)と分かれていって、モンゴロイドがもっともネオテニー化 が進んだんだよ。 そう。ネオテニーは、類人猿からヒトへ進化する段階だけで止まった訳じゃなく、 ヒトの進化の中でもネオテニー化の方向は続いていたんだね。 ヒトは様々な土地に移り住んで、気候その他の環境の違いに適応しながら、遺伝的 社会的な枝分かれをしてきて、モンゴロイドも、そうしてできたヒト集団の大きな くくりのひとつなんだ。 ネオテニーの度合いはこうしたヒト集団ごとに違うんだよ。 モンゴロイドの祖先は、およそ5万年前にコーカソイドから枝分かれして独自の進化 をたどったんだ。 モンゴロイドは「北へ向かう」道を選んだと考えられているんだよ。 現在では南の国にもモンゴロイド系のヒトはいるけれど、彼らも一度北へ行ってから 南下したと考えられているんだ。 とにかく、モンゴロイドはいったん北へ向かったことは確かで、この結果、身体には 様々な変化が起きた。 肌の色。これは雪や氷の反射で受ける強い紫外線対策として色素が増加したと考えら れている。 だから肌が黄色になった。 手足が短く胴が長い幼児体型は、ネオテニー的だし、表面積を小さくして体重を増や すという寒冷地適応の法則にものっとっている。 寒冷地の動物は体表面の凹凸が少なく丸みを帯びる、という適応の法則もあるしね。 モンゴロイドののっぺりした顔は、外気にさらされる面積が少ないし、頬の部分が張 り出しているのも、頬の下にある鼻腔の面積を大きくして、吸い込んだ冷たい空気を 暖めるのにも役立っているし、体毛が多いと凍り付きやすくて不利だから、モンゴロ イドの体毛は人類の中でも特に薄くなったんだ。 どの特徴もネオテニーと矛盾してないんだよ。 あれ?ちょっと待った。 コーカソイドは、ネグロイドの中から北上したグループで、北欧などにも進出して いったのに、モンゴロイドは寒冷地適応でツルツルになってネオテニー化になって、 コーカソイドは色白で大きくて毛むくじゃらなのはどうしてだろう? まぁ、それは色々言う割にヒトの進化は判っていないことが多くて、矛盾もでてくる のも事実なんだ。 ただ、環境適応も色々な方法があって、ネオテニーはその一部にしか過ぎないんだ。 厳しい環境=ネオテニー化っていうことでもない。 生物の体は寒冷地に行くほど、体が大きくなる傾向があるんだ。体温を逃がさないた めには体が大きい方が適応的なんだよね。 熊の仲間では、一番寒いところにいるホッキョクグマが熊の中で一番大きいし。 コーカソイド系のヒトの骨格はかなりがっしりしていて、特に北欧やロシア人は、特 殊と言って良いほど大きいんだ。 その骨格から考えると、彼らはネオテニーではなく、大型化することで厳しい環境に 適応したんだね。 つまり、同じように寒いところでも、シロクマもいればアザラシもいるってことなん だ。                                  つづく ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「水が考え、水が思う」   われわれの最も深い感情も思想も   水が感じ 水が考へてゐるにちがひない    (大岡信詩集「故郷の水へのメッセージ」より) 地球の表面の7割が水。人体の7割も水で出来ている。 そうか、そう考えると水が考え、水が思っているに過ぎない。 人の個性など、水面のさざ波か。 草木も水。動物も水。私も水。私は水。水は私。 水で構成されている私が思う。宇宙を思う。太古の地球の生物を思う。 水で構成されている私の心が痛い。 干潟を遮断して多くの生命沸く地を壊滅させる行為に。 川のクレソンを大量に栽培するのに川に農薬を撒いた者がいることに。 水で構成されている私が、喜ぶ。怒る。哀しむ。楽しむ。 水が喜び怒り悲しみ楽しむ。私が感じる。水が感じる。水は私。私は水。 地球を巡回している水。雲になり雨になり地に染み込み地上へ湧き出る。 海へ出て蒸発し、その間、様々な生き物の体の中を通っていく。 私の中の水は、地球の水。地球の循環の通りすがりの水。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前号vol.82で「宇宙考古学」「宇宙生物学」っていったい何のことだ?と私が書いた 事についての投書から紹介。 -------------------------------- [すぽっと♪]  >「宇宙考古学」って宇宙で土器発掘作業したんですか?  宇宙から土器発掘作業場所を探したんです。  つまり、衛星写真などを宇宙からの情報を使って遺跡を捜すもので、はっきり覚え  ていませんが、見つかった時に新聞で読んだ記憶もあります。  簡単に行けない場所の調査もできたりするので、期待されている分野だったと思い  ます。  >「宇宙生物学」って、まだ何も見つけていないような気がするのにもう生物学と  >して体系化されていたのですか?  見つけるのも学問じゃないでしょうか?  宇宙の中でどうやって生物は誕生したのか?  アミノ酸等が宇宙や原始太陽系でどのようにして作られたのか?  隕石などに付着するアミノ酸の研究なども含まれていたと思います。  その他に、地球外生物はどんなものである可能性があるか?  地球とは全く違う環境(例えば木星のような)に生物がいるとしたらどんな形態  で、どんな機能を持っているかを予測したり。  もっと現実的に、人間を含む地球上の生物が宇宙にでるとどうなるか?  どうすれば宇宙で生活できるか?という研究もしています。  スペースシャトルやISSでの生物実験がこれにあたりますね。 -------------------------------- ありがとう。茶化すつもりはなく純粋に知らなかったんです。 いったい何なのだろうってね。          考古学って、遺跡を掘るというイメージが強かったので。 生物学っていうのも、生物を体系付けて考えていく。と、思い込んでいたもので。 わずかな手がかりで、さまざまな憶測をして宇宙の広がりと時間を知る。 こんな方向に頭脳が進化したことに感謝。 同時に月の色にも感じ入ることの出来る情緒を得たことにも感謝。 vol.81の「マリリンの指(四つ葉のクローバー)」のきっかけになった質問を してくれたのは、Aティガさんです。そのAティガさんからの投稿です。 -------------------------------- [Aティガ]  あれから色々な方に取材をしてきました。  1)整形外科のお医者さんは『先週、足の指の切除(6本目)をしたところです  よ。ここに来られた方の大半は幼少時に切除していきますね。そんなに珍しくない  ですよ。』  2)看護学校の講義『指が多いことで人格や人生に悪影響を与えるんだったら私は  切除を薦めますね。でも同僚(女性)で指の長さが通常の半分くらい(第一関節部  分くらいしかない)方がいますけど、“ワープロ打つのは私にまかせて!”と明る  く話していますよ。女性だからもちろん葛藤はあったとは思いますけど・・・』  3)札幌の50代の男性『逆説の日本史(週刊ポスト連載)ってあって、その中で  は 羽柴秀吉(豊臣秀吉)の肖像画は6本指に描かれている。また、そのことを  織田信長や前田利家たちからは“猿(秀吉のこと)は指を何とかするつもりはない  のか?”と言われていたそうです。昔からあったんですね』などなど。  戦国の頃は今よりひょっとしてそういう事に偏見なんかがずっと少なかったのでは  ないでしょうか?  私は歴史に明るいわけではないんですがそんな気がします。  やまねこ通信の反応を見て少し嬉しく思いました。救われるような投書っていいで  すね。 -------------------------------- もう、どんどん紹介しちゃいます。 モンゴロイドの話からマリリンの指まで思いが飛んだ投書です。 -------------------------------- [青嵐透]  モンゴロイドの話はなかなか面白いです。特に好奇心=ネオテニーのあたりが。  確かに子どもというのは何でもいぢりたがる。逆に何にも興味を示さない子どもと  いうのは、年令的に若くても“初々しさ”というのはありませんね。  何にでも反応する=興味を持つ大人というのは、なんとなく雰囲気がカッコイイ。  謙虚・素朴・柔らかい心(=好奇心)というのが私の憧れる(=なりたい)大人で  す。  いきなり色眼鏡で見るのではなくて、対象によく近付いて。思い込みで納得するの  ではなく、本当に触れてみる。そうすればきっと六本指の手も五本指の手と変わら  ないと分かる。  うわゎ、なんだかモンゴロドイドからだいぶ脱線してしまいました。  でも好奇心が相手を理解する力だとしたら、進化は平和に近づくことなのかもしれ  ない。そうだったら、いいな。 -------------------------------- で、今回の「モンゴロイド5万年の話」は、特に目新しい話でもなく、「ふぅん、 このくらい知ってるよ。何を今さら」ってな感じを持った人も多いでしょう。 次回、ちょっと過激な話になります。 そして4回目は、意外な所に結論が落ち着きます。 私にしては珍しく、起承転結であります。(笑) 次は、ニュートリノ観測に成功した小柴昌俊氏がノーベル物理学賞を受賞したことで やまねこ通信でもニュートリノの説明をしなければと、前号の冒頭で書いた事から。 -------------------------------- [やまねこ]  ニュートリノちっとも解説してないじゃん。 -------------------------------- [有原]  ニュートリノについて触れていらっしゃったので、何かの参考になるかと思い、  ご連絡さしあげました。  今は終刊してしまった天文季刊誌「星の手帖」のvol.43で超新星が特集されていま  す。  巻頭には小柴さんの対談が、その後にはカミオカンデでの観測や、ニュートリノに  ついての解説が掲載されています。 専門書より、かなり読みやすいと思います。 -------------------------------- 叱咤や情報をありがとう。心からありがたいです。ホント。 で、叱咤や情報に応えようとその後、日経新聞で特集など組んでいたから読んでみた りしたのですよ。 素人の私が新聞記事を要約した所で、完全に理解して要約している訳でもないので、 こりゃぁ、手を出さない方がかえって良い。と、そういうフウに勝手に結論しまし た。 すみません。 日本のというより世界の最新科学は、私の手に余ります。(当たり前だ!) 前号ちょうど配信日に、小柴昌俊さんのノーベル賞物理学賞受賞のニュースが 入ってきたから、やまねこ通信にしてはリアルタイムで最新情報を話題に出来るぞと 思っていたら、このニュースはたちまち古くなってしまった。 田中耕一さんがノーベル化学賞受賞を受賞というニュースが入ってきたからだ。 そのニュースが入ってきた頃、メルマガ配信予約が作動している頃だった。 間に合わなかったのがちょっと悔しい。 物理学でも化学でも、大きなくくりの中では『科学』だ。 科学が脚光を浴びたのは、やまねこ通信としてもとても嬉しい。 科学は人々を幸せにしなければなりません。科学はロマンでなければなりません。 愛と平和とテクノロジーの「やまねこ通信 E=MC二乗」です。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★今回、みかりんの叫びで、水についての思いを綴った。 いつもの屁理屈とは、うってかわって情緒100%の文だ。(笑) で、以下の文は、作家の椎名誠さんが言っていた事なんだけど、  日本のトイレは世界一密閉されている・米国や英国では足と顔が見える。  当たり前のことをしているのに何が恥ずかしいんだというのが欧米人。  これに対し、日本の女性は音が恥ずかしいからと水を流す。水がもったいないから  と音を流す。  これ日本人だけです。異常な潔癖さ。  そもそも水を大量に流せるほど裕福なんですよ。  水も水道水も綺麗なのに買うようになった。企業の戦略にはまったからです。          (中略)  日本には川が2万本あるけど、ダムを造って生態系を壊してきた。釧路川もショー  トカットされちゃった。  スコットランドはウイスキーを造っているから水が必要で、良い川がたくさん流れ  ている。          (中略)  スコットランドでは川の水をコップですくって飲んでいる。日本じゃできないよ。  川の水汚くって。あっちじゃ源流から500mの所まで畑を作っちゃいけない。  農薬で川が汚染されてしまうから。 と、まぁ、このように言っていたのです。 水からみる世界がある。 それも全方向に広がる。 資本主義の中の会社の戦略に踊らされるという視点もある。 汚染という視点。川のショートカットという視点。降水量という視点。 水の使い方の視点。健康、砂漠化、河川決壊、地球の天体としての成り立ちなどな ど。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.83の参考文献       「平然と車内で化粧する脳」扶桑社  沢口 俊之+南伸坊       日経新聞(2002年7月14日付)   高橋 順子         北海道新聞(2002年10月14日付) 椎名 誠 ★次回配信予定は10月30日です。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 ─────────────────────────────────── メルマガの発行者さんには、すっごく役に立つんですが、、、 読者のあなたが読んだら、舞台裏がバレてしまうだけで・・・  \ \ \ \ │ │ │ │ / / / /  ―                     ―  ― 読者獲得大作戦!あの手この手+裏の手♪ ―  (^○^)  ―                     ―  / / / / │ │ … ‥やっぱり、読まないほうがいいです!(爆) それでも読む!? → http://chinachips.fc2web.com/mmsogo/mmto_ka.html ─────────────────────────────────── ↑読者を増やすために、そ…そんな裏技があったのか……。 ★メルマガ宣伝です! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 蟹屋『山猫屋』を立ち上げました。 一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/ 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹 ↑私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  タラバ、毛ガニを新鮮なものを安価で提供。  お店で漬けたプロの味の新物イクラがお薦めだよ。残りわずかになってきた。  北海道の赤い宝石、イクラ。頬に広がるプチプチ感。  プレゼントにも喜ばれること間違いなし。  さぁ、「蟹、欲しいよぉ、イクラ食べたいよう」のメールをみかりんに書こう。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 月を見る。 近視の目でみると、ぼやける。 乱視の目でみると、ブレる。 涙の目でみると、にじむ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.83  2002年10月20日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━