2003/3/1━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.96 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 私は、今、慌てています。 2月は28日までじゃないですか! やまねこ通信は、週刊だと思っている方が多いですが、 実は、ある時期を境に10日置き配信です。 で、前回の予告で「次回配信予定は2月30日です」なんて明記してるのですね。 だから今、私は慌てているのです。 配信日まで、まだ時間ある〜。なんて思っていたのですから。(笑) 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■チョウのハネはいつできるかの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アリストテレスは、すべての動物はタマゴから生まれるべきものである。と考えたか ら昆虫の変態には困ってしまったらしい。 チョウはサナギから生まれるから、サナギはチョウのタマゴである。けれどこの「タ マゴ」の前には幼虫がいる。だから幼虫はサナギというタマゴの前のタマゴである。 けれど困ったことに幼虫はタマゴから孵る……。 アリストテレスはさぞ困ったことだろう。昆虫の変態とは実に不思議なものだよね。 そもそもコロっとしたかたまりのようなサナギから、時が満ちるといきなりチョウが 出てくるのが不思議だ。 あのサナギの中はどうなっているんだろう。 「サナギの中はどろどろになっていて、チョウの体が作られています」なんて書いて ある本もたくさんある。 「サナギからチョウになるように、生まれ変わろう」なんてベタな表現もある。 でもねー、実際はそういうことにはなっていないんだよ。 翅(はね)はサナギのときからもう生えているんだよ。肢(あし)も触覚も。 サナギの表面をよぉく見ると、体にぴったりとくっついていて、腹側左右にはたしか に翅がついている。翅の間にはまっすぐ伸びた肢もあるし、真ん中には長い口吻もあ る。触覚だってあるんだ。 サナギが出来上がったばかりに観察すると判りやすいよ。 しばらくするとサナギは固くなって、ドイツ語でいうところのミイラ・サナギになる んだ。 つまり、サナギになった時はもうチョウの形をしているんだね。 サナギの中でおこっているのは、もうちゃんと出来上がってる翅や肢や口吻や触覚 などに、幼虫時代に貯えたどろどろの栄養を送って補強しているんだよ。 決して全部がどろどろになって体の作り替えをしてる訳じゃないんだ。(笑) サナギになったときにすでにもう翅が生えているとすると、その翅はいつできたんだ ろう? サナギの前は、イモムシや青虫だ。これらは翅など生えていない。 でね、こういうイモムシ青虫を解剖すると、皮膚の内部に翅が生えているのがわかる んだよ。サナギになったら翅が生える場所の内側にもう翅が生えているんだね。 という訳で大きく育った幼虫には、体の内部に翅が生えていることが判った。 それじゃさ、その翅はいつできはじめたの? タマゴから孵ったチョウの幼虫は普通4回脱皮する。 孵ったばかりを一齢幼虫、それが脱皮したものを二齢幼虫と呼ぶんだ。 四回目の脱皮を終えた五齢幼虫がいよいよ脱皮をしてサナギになって、それが脱皮し てチョウになる。 翅はサナギになる前の五齢幼虫には体の内部にもうすでに翅を持っている。 それじゃ四齢幼虫は? なんとこれにも翅はあるじゃないか! じゃさ、三齢幼虫には? 驚くべき事に…あるんだ。小さいけど。 そうして二齢幼虫にも同じこと。 タマゴから孵ったばかりの一齢幼虫を調べてみると、翅はもうすでに存在しているん だ! だけどほんの数個の細胞からなる「原基」とか「成虫芽」として。 こうやってみてみると、アリストテレスじゃなくても、昆虫の変態ということがわか らなくなる。 幼虫にはもうちゃんと小さな翅が生えているのに、それを隠しているんだ。 同じ昆虫でもバッタなどは「不完全変態」と言われるんだ。 タマゴから孵った小さな幼虫にはもう小さな翅が生えているんだ。それが脱皮のたび に大きくなって最後に親になって翅は格段に大きくなる。何も不思議はない。   カエルも変態をする。 オタマジャクシは泳ぎながら四本の肢を作っていき、エラがなくなって肺ができる。 そうして尾がなくなっていく。 尾の細胞は死をプログラムされていて、一定の時期がくると自己崩壊していくんだ。 変態とは、プログラムされた死と隣り合った誕生なんだね。 ━▲みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「哺乳類型爬虫類/早すぎた出現」 恐竜が繁栄する前、約3億年前の古生代末期。 不思議な爬虫類がいたんだ。 それはキノドン類。キノドン類は哺乳類の特徴をほぼ備えていたというんだ。 ・体が毛でおおわれている。 ・体温を一定に保つ。(恒温性) ・単孔類を除き、胚は子宮で育つ。(胎生) ・親とほぼ同じ形で生まれる。 ・出産後は哺乳で育つ。(哺乳) このキノドン類は、盤竜と獣弓類に分かれるんだけど、最も進化した肉食獣弓類の中 のキノドン類が、恐竜に滅ぼされる時に、私たちの祖先になる哺乳類を生みだしたん だ。 哺乳類は、爬虫類より進化の段階が高いと言われている。 それじゃぁ、哺乳類の特徴をおおむね獲得していたしていた哺乳類型爬虫類は、他の 爬虫類より進化の段階が高かったと考えてもおかしくないのに、どうして1億年も遅 れて出現した恐竜に敗れてしまったんだろう。 それよりも何よりも不思議なのは、どうして爬虫類の進化の初期に、爬虫類の中では 最も進化した哺乳類型爬虫類が誕生したんだろう。 進化の過程はまだまだ判らないことだらけだね。 そう言えば、何かの図鑑で、もし恐竜が絶滅しなかったら、今頃、爬虫類型人間が文 明を築いていたかもしれないという事で、爬虫類型人間のウロコもリアルなイラスト を載せていたのを見たことがある。 そういうのも有りだよなぁ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「光より速いパルス」があるという投稿文です。 ちょっと難解です。要するに「光より速い」と思われるものが存在するという話で す。 ---------------------------- [Aティガ] 興味深いスクラップブックの記事を発見しましたので、その文面の概要を送ります。 この新聞が何新聞なのか切り抜いたものなのではっきりしないのですが東京新聞か 赤旗新聞だと思います(フォントから類推)。          見出しは『光よりも速い光パルス』。 光のパルスを光速(秒速30万キロ)の300倍以上の速さで特殊なガス(セシウム ガス)の中を通過させるという実験にNEC北米研究所のリジュン=ワン研究員らが 成功。7月20日発行の科学誌『ネイチャー』で発表した。 セシウムガスを閉じこめた長さ6センチのガラス容器に、光の伝わる方向と平行に磁 界をかけて、ある波長の光パルスを通過させた。その結果、パルスは容器に入る一億 分の六秒前に容器の反対から出てくるように見えるという奇妙な現象が起きた。 計算上ではパルスは、光速の300倍以上の速さで伝わったことになる。 アインシュタインの特殊相対性理論は『光速を越えるものは存在しない』と定義され ている。 ワン研究員は『この定義は質量がある物質だけに適用される』として、光は質量のな い波であるため、波の特殊な状態であるパルスが光速を超えるのは可能で、実験結果 と相対性理論が矛盾するわけではないと説明。 イタリアの研究チームも同年5月、空気中をマイクロ波が光速より少し速く通過した とする実験報告を発表。 以上が記事の概要です。 光よりも速いならその光パルスを信号にして送るとかすると超光速(高速ではなく て)パソコンとかができるんでしょうかね。 単純にこの実験結果から考えると今のスピードの300倍になれる可能性があるって ことですよね、多分。いずれにしても人間ていうのは速さにあこがれるものなのです ね。 『若さはスピードにあこがれる(だったと思います)』は寺山修司だし、『スピード の中で精神は肉体を超越する』はアラビアのロレンツなどがそう表現していました。 余談ですが人間の移動速度はほぼ4倍速になっているという話を聞いたことがありま す。 赤ん坊のハイハイを1とします。大人になって歩くと時速4キロ、自転車に乗って時 速16キロ、車に乗って時速60キロ、新幹線で時速240キロ、飛行機で1000 キロ・・・・というように。 こじつけっぽいのですがなかなかおもしろい見方をする人がいるんだなあーと高校生 であった当時思ったことがありました。 ---------------------------- 物理系にはとことん弱いので気の利いたコメントを言えないのがなんとももどかしい のですが、『光速を越えるものは存在しない』と定義されていたのに『光よりも速い 光パルス』の存在を実験で証明したにも関わらず、実験結果と相対性理論が矛盾する わけではないと説明したという。そういう不思議な話なんですね…。 いや、違う。そういう事じゃない。ここはもっと驚く所に違いない…。ええと「光よ りも速い」ものの存在が証明されたって! それはすごい!じゃさ、タイムマシンっていうのも夢じゃなくなるって事? 光より速いもの。光速を越えるという事。それは「時間」とも関わってくる。 難しいよぉ、難しいよぉ。 誰かもう少し万人に分かるように、この実験の先にみえてくる未来について教えて下 さい。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★沖縄から台湾にかけて生息している日本在来では最大級のチョウ「オオゴマダラ」 というチョウがいます。 私が密かに憧れているチョウでもあります。 このチョウのサナギが質感も金属っぽい輝く金色なんですよ。 これを一度見てみたい〜。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.95の参考文献                「動物の言い分 人の言い分」角川書店  日高 敏隆         生命 40億年はるかな旅3 NHK出版 ★次回配信予定は3月10日です。 ★メルマガ宣伝です!  蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 蟹屋『山猫屋』を立ち上げました。 一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/ 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹 ↑私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は一切扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう! ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 明け方、すごく低い位置に逆三日月とまぶしい星がひとつ。 見慣れぬ不思議な風景。 こういう時、早起きして得したと思える瞬間。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.96  2003年3月1日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━