永遠の端っこ 小野知子
あとがき
真っ暗な将来と引き換えに手に入れた真っ白な現実に疑問すら持たなくなって、もう随分と時間がたったように思う。
ここ数年の私の記憶は途切れがちで、ただただ茫漠と時が浪費されてゆく。
ダ・ヴィンチが『時間は伸縮する』と云っていたことも、あながち絵空事ではない気がしてくる(私の時間は縮みっ放し)。
過去の存在を証明できるのは、唯一今まで撮ってきた無数の写真達だろう。
これらは自身の過去の目となって、私を傷つけたり癒したりしてくれる。
たとえ一瞬の景色だとしても、それこそが永遠であり全てを孕んでいるはず。
時間をそこに在る時間だけで判断してはいけない・・・、と私は強く思う。
幸福や不幸は状態でも時間でもなく、ただ一瞬の感情の塊ではないだろうか。
もちろんその一瞬も大切な永遠の端っこに違いない。
1998年11月 小野知子