賢者達


 昔々、私がまだ蛋白質にすらなっていなかった頃、・・・というか私の母が子供だった頃、西部地区(元町や十字街辺りの旧市街地)には洗濯婆さんと、浜の兄と呼ばれる二人のルンペン(ルンペンって差別用語だっけ?だったらゴメンナサイ。ホームレスじゃ、どうも風情が出ないしねぇ)が住んでいたそうだ。彼らは昔のどの人々とも同様に誇り高く、マイペースで、それでいて他の住人達と持ちつ持たれつ、助け合いながらこの街の社会に、まるで風景の一部であるかの如く馴染んでいたらしい。私の母は赤ん坊の時、彼女の両親が働いている間、ずっと浜の兄が面倒を見てくれていたそうなのだ。そうでなければミルクの匂いを嗅ぎつけたネズミにでもかじり殺されていただろう・・・、と母は私が子供の頃から幾度となくおしえてくれた。ついこの間も聞いたので、何年かしたらまた聞かされることだろう。
 今はもう二人とも死んでしまったようだ。洗濯婆さんが死んだのはもう二十年近く前である。
 真夜中にけたたましい笑い声をあげていた老女は、噂によると献体されたそうだ。

市民歴二十年の著者がすすめる
 

函館きらきらスポット ベスト3


第1位 元町


 まずここをあげなきゃ、やっぱりマズイでしょう。私の場合、情緒があるからとか、景観がいいからとかじゃなくて、理屈抜きで落ち着く場所なのだ。カメラを持ってダラダラ歩いている時なんかは、完全にα波が出ているぞ。気付いたらコップを買っていた・・・、そんな感じ。

第2位 きじびき山


 江差へ向かう道路沿いにあって、頂上からは函館の全体像が見え、さらに駒ヶ岳や大沼、下手したら青森まで見えちゃう視界の広いジャンボリーな山である。観光ガイドにもほとんど載っていない所も好感がもてる。ただし天候不順の日に行っても空しくなるだけだ。

第3位 市営熱帯植物園


 函館公園にしようか迷ったが、結局サルがいるということを考慮して、ハナの差で植物園が差しきった。それにしても両者共、脳味噌が溶けだしてしまいそうな程シュールなのだが、夏は暑くてサルも温泉に入りゃしない。精神的に疲れている時に行くと、かなりのヒーリング効果があるぞ。


湯の川のこと

 私はよく散歩をするのだが、湯の川もまたなかなか面白かったりする。サルしか見所のない熱帯植物園やいかにもマズそうな汚いラーメン屋、潰れたまんまのホテルなどなど・・・、猫の死んだ場所のような所がいくつもある。コンセプトは“古いけど価値のない建物”。こんな風に書くと湯の川をバカにしていると思う人もいるかもしれないが、全然そうではなく、世間に見捨てられた場所や怪しい場所には共鳴に似た愛着を感じるし、何ともいえずワクワクしてくるのだ。 


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