痴呆と高次脳機能障害(2)

講師:作業療法士 柏原英郎



1.痴呆−前回の復習です



痴呆という概念はもう一般的になりつつあるので、皆さんもだいたいお分かりだと思いますが、現在では痴呆も、これからお話しする失認や失行も、それから失語症も、全て「脳の高次の機能の障害」だということで、全部まとめて「高次脳機能障害」というのが一般的なんですが、臨床的には高次脳機能障害といってもたくさんあるので、普通は失認や失行あたりを高次脳機能障害といって、痴呆は普通は別扱いになっています。まず、痴呆の定義を簡単におさらいします。


●痴呆のおおまかな定義と種類

1.何といってもこの「知的機能の全般的低下」というのが一番最初にくる定義で、社会生活上、そして職業生活上に支障をきたすほどの全般的な低下ということです。

2.「記憶の障害」が色々な症状の中で最も中心となる症状です。

3.記憶の障害と同時に「判断力の障害」や「性格の変化」がつきまとうというのが痴呆の大まかな定義です。

他にも色々な専門的な定義があって、もっと面倒な定義なんですが、だいたい目で見て分かる、私達も臨床でぱっと見て分かるというのは、こういう3つのものがあるからです。

痴呆には大きく分けて二つの種類があります。「アルツハイマー型老年痴呆」と「多発脳梗塞性痴呆」です。アルツハイマー型老年痴呆は以前にもお話ししましたように、レーガン元アメリカ大統領が退官後「アルツハイマー型老年痴呆の初期に私はなったんだよ」と発表して全世界を驚かせたという痴呆です。多発脳梗塞性痴呆というのは主に脳卒中ですね、多発脳梗塞、脳出血などの色々なものを含めて、脳の血管性の病気によって起こる痴呆です。この二つが主な痴呆の型です。それでは、アルツハイマー型の痴呆について簡単に説明します。




次ページへ
「2.リハビリ教室講演録集」へ戻ります Home page(Top page)へ戻ります