|
理学療法士 村上奈美枝 皆さんの中で腰痛でお困りの方も多いと思います。腰痛の原因は様々であり、痛みの種類も複雑です。実際に腰痛になった場合は、痛みがある程度治まるまで安静にし、医師の診察を受けることが大事です。医師による検査、治療を受け、その後は日常生活において再発予防に努めることが重要となってくると思われます。 今回は、腰痛の原因、腰痛に対する運動、日常生活の注意点などについてお話させていただこうと思います。 <腰痛の原因> 主なものとして次のようなものがあります。 ●普段の姿勢の悪さ−お腹を突き出すような、腰を反った姿勢 ●脊椎の異常 ●腎臓などの内臓疾患 ●ノイロ−ゼやヒステリ−などの心理的問題 <痛みの原因> 痛みを感じる原因は単純ではありませんが、主なものをあげてみます。 ●関節面のズレからくるストレスが骨膜を刺激して痛い。 ●靭帯や軟部組織が損傷をうけて痛い。 ●血液の流れが悪くなって痛い。 ●神経が圧迫されて痛い。 ●ヘルニアによる軟部組織などのストレス、断裂による痛み。 ●筋肉のけいれんで痛い。 ●炎症により軟部組織が伸長されて痛い。 以上、原因について箇条書きしてみました。先にも述べましたが、腰痛の原因、痛みの種類ともに様々ですので、医師の診断を必ず受けるようにしてください。 腰痛に対する運動の目的は、普段の姿勢の悪さからくる体のアンバランスを正し、柔軟性をうることです。 お腹を突き出して腰を反らすような悪い姿勢は、硬くなった筋肉に柔軟性を与え、スジやお尻の筋肉を鍛え、背筋とのバランスを保つことで改善されます。 体のアンバランス、柔軟性については下図を参照して下さい。 ![]() ![]()
<運動の目的> 運動する目的を説明していきます。 ●腹筋を鍛える 前反りになった腰を後ろに押し戻す力として働きます。 ●お尻の筋肉を鍛える 前に傾いた骨盤を後ろに引き戻す力として働きます。 ●筋肉に柔軟性をつける 背筋、股関節・膝関節を曲げる筋肉を引き伸ばし、柔軟性を得る。 ●前後のバランスを保つために背筋を鍛える。 腰痛防止のためコルセットを使うことがあります。コルセットには腹圧を高め、腹筋を補助し、また、脊椎を支える効果があります。 ![]() しかし、コルセットが治療のすべてではなく、腰痛の根本的な原因を無くさなければ、治ったとは言えません。したがって、運動を行い、筋力をつけ、自前のコルセットをつくらなければなりません。 腰痛再発防止のため、日頃から腰にあまり負担をかけないことが重要です。ここでは、腰に負担のかからない姿勢や日常生活の注意点についてまとめていきます。 目覚めた時に腰に痛みを感じた方もいらっしゃると思いますが、一日のおよそ三分の一を占める睡眠時の姿勢も重要です。まず、寝具については、布団はあまり柔らかくなく、枕は高すぎないのがよいです。そうでない場合、いずれも腰が反った状態に陥りやすいため、腰に負担がかかり、起きた時に違和感感じる結果となります。次に仰向き、横向き、うつぶせそれぞれの姿勢において腰に負担のかからない方法を下図に表します。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
また、動作時は腰を反ったり、ねじったりしないこと、長時間同じ姿勢をとらないこと、いわゆる中腰の姿勢はとらないようにすることなどに注意します。それぞれ下図を参考にしてください。立ち上がりは台などを有効に使うと楽です。中腰の姿勢になってしまう時は膝立ちになるか、片足を台にあげたりすると腰にかかる負担が軽くなります。物を持ち上げたりする時はめんどうでも物を体に近付け、一度しゃがんでから膝の力を使って立ち上がることが大事です。荷物を運ぶ時は、荷物を体になるべく近付けること、手提げ袋を持つ時は片方だけに重いものを持たず、左右に均等に持つことなどに注意してください。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
以上、腰痛の原因、運動する目的、日常生活の注意点などについて、簡単ではありますがお話しさせていただきました。腰痛になったら、医師の診断を受け、その原因をみつけ、それを根本的に治さないと再発につながります。また、何気なくとっている姿勢を見つめ直して、日頃から注意していく必要があります。 参考文献:腰痛を運動で治す 井口恭一著(三輪書店) 本講演の印刷用ファイルのダウンロード(モノクロ)が可能ですが、 閲覧・印刷には「Adobe Acrobat Reader」(フリーソフト)が必要です。 配布は自由にされてけっこうです。必要なかたはどうぞご利用下さい。 印刷用ファイル ← ここからダウンロードしてください 釧路労災病院 リハビリテーション科 |