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講師:釧路労災病院歯科口腔外科 原田 広文 1.生活内容への影響 『歯が無くなるということは物を咬む力、食生活、栄養摂取の障害を通じて健康に悪影響をもたらすばかりでなく、日常生活、社会活動、家族の関係にも悪影響や精神的な変化をもたらす。歯を治すまたは歯を磨くということは健全な食生活や正常な社会関係の回復をはかり、生活の質の確保と向上においてきわめて重要なことである』。 生活内容への影響というのは、歯がなくなるということは食事の内容だけではなく、お年寄りの健康や日常生活の状況にも大きな影響をもたらしているということです。いま図を見せるんですが、お年寄りの日常生活や食生活が歯の状態と大いに関係があることを示しています。ちょっと見づらいかもしれないんですが、下の『高齢者の歯の状態と日常生活の状況』というグラフです。 ![]() 自分の歯で主に噛んでいる人。元からある歯で物を噛んでいる人というのは、その80%は一人でどこへでも出かけられる。色々なところへ行ける。 歯はあるけれど主に入れ歯で噛んでいる人というのは、自分の歯で噛んでいる人よりも少し劣る。でもやっぱり70%以上は一人でどこへでも出かけられる。 無歯顎。歯が一本もない人。歯が一本もないけれど入れ歯をちゃんと入れている人。入れ歯を入れている人の60%ぐらいの人は一人でどこへでも出かけられる。その他は家の近所までしか出かけられない。 歯が一本もなくて入れ歯も入れていない人。歯がない状態で、いつもアフアフしている人。そういう人は30%ぐらいしか一人でどこへでも出かけられないという人が多い。だから、日常生活の行動範囲がすごく狭まる、歯を入れていないということは。それほど噛むということは大事です。 『高齢者の歯の状態と食事の内容』。 ![]() 自分の歯で主に噛んでいる人というのは、何でも噛める。お肉であろうが何だろうが、おいしい物は何でも食べる。 歯はあるけれど主に入れ歯で噛んでいる人というのは、30%ぐらいが何でも噛める。他は何とか家族と同じ食事ができるという状態。 歯が一本もないけれど入れ歯を使っているという人は、何でも噛めるという値は少ないけれど、まあまあ食べる。でもほとんどは家族と同じ食事が何とかできる状態。 歯は一本もなくて入れ歯もしていない人というのは、ほとんどが自分の好きな物は食べない状態。入れ歯を入れていないので歯ぐきしかないから、お肉なんて噛み切れない。だから、柔らかい物またはほとんど流動食、水みたいな物しか食べられない。家族と同じような食事はできない。だから、そういうので、家族の関係にも悪い影響を与えている。歯がなくなるとそういうことが起きるということです。 |