今月の旬

 
お待たせしました、59回目の今月の旬
ずいぶんお休みしてしまいました
これからも料理人の仕事と季節の風をお届けします。
今月は「sarrasin bar dot」(サラザンバードット)編をお送りします。

 

 2007年 7月のテーマ 「 ホッキ貝 」

 

 

 今回のテーマ、ホッキ貝は以前、2001年 8月に中国上海料理 花果山で『北寄貝とオクラの塩炒め』として登場。6年ぶりの再登場になる。
まずは料理に行く前にまずはホッキ貝の復習をしよう。ホッキ貝はバカガイ科の二枚貝で、南は鹿島灘から北は北海道、オホーツク、サハリンまでの北方域に棲息。日本にはカナダからボイルされたものが冷凍で輸入されている。こちらはアメリカウバガイ、回転鮨などで味わうことができる。少し赤みが強いのがそれだ。
そのホッキ貝、30年以上の寿命があるらしく、そこから和名では「姥貝」(ウバガイ)と名付けられている。「ホッキ貝」「北寄貝」の名は北寄りの海の産物であるからとも、アイヌの方々の呼び名からいただいたものとも諸説がある。現在、北海道の苫小牧漁協(協)の水揚げは全国の15%ほどで国内一番、名産品として扱われている。産卵期が4月から7月で、苫小牧ではこの間は水揚げをせずに7月中旬から漁が始まり翌年の4月中旬まで続くという。寒い時期11月〜1月のころが美味しい時期ともものの本にあるが、一番水揚げが多いのがこの7月、8月でそれで旬というわけだ。
さてさて、今回、sarrasin bar dotの五十嵐シェフはフレンチの技法でどのように調理するのだろう。

 

 

 

 

 

 『 黒ホッキ貝のファルシィ 道産の焼き野菜のラタトューユ ウニ添え 』
 森だ。森のようだ。高木もあり、低木もあり、下草もあり、いろいろな生命が溢れている。
自然豊かな森に、鳥も、昆虫も、他の動物もいる。
そんな森に見える。
 シェフ五十嵐氏のふる里、苫小牧の味であるホッキ貝、シェフは「火入れに注意してもっと美味しく食べることができる」と語る。今回の料理も軽くブランシール、さっと熱湯に潜らせ、生とボイルのギリギリのところで止めている。火が入り過ぎるとゴムのように堅くなるが、生より火を入れることで甘味が増す。この絶妙な間を火入れのメドにしているのだ。さらにホッキ貝の中にはトマト、ウニ、アスパラのコンカッセにホッキ貝のヒモ、貝柱、さらにコクをだすのにカニ味噌を使っている。また、一般的にホッキ貝とされるこの足の部分の中にはワタ、キモと呼ばれる白い部分がある。鮨ネタなどにする場合はほとんど掃除されてしまうのだが、この部分がホッキ貝の一番コクのあるところだそうだ。今回もその部分は入れて調理されている。
 森の登場人物はホッキ貝の他、ズッキーニ、パプリカ、ビーツ、フルーツトマト、ムラサキカリフラワー、アスパラらの野菜達が焙られて香ばしさを添えている。
 食べるとムラサキカリフラワーの甘味、ズッキーニの苦味、トマトの酸味、ホッキの甘味、エシャロットの辛み、アスパラの甘味、エストラゴンの苦味、ウニの甘味と様々。ソースはアスパラのガスパチョ。シャキシャキ、コリコリ、サクサク、コリッ、サワサワ、いろいろな食感が次々に訪れる。味の余韻もまた長い。森の印象をお解りいただけるだろうか。
 
 
 
こんな賑やかな一皿でお客さんが満足してしまったら商売にならないのでは?
これにシャンパンがあったら他はもういらないかも…
7月のメニュー2100円だそうです。
 
 

 

 

 

 

 さて、ほぼ1年ぶりで再開したこのページにつきあってくれたのは五十嵐光氏、30歳。sarrasin bar dot (サラザンバードット)のシェフである。苫小牧で30年近く焼き鳥屋を営む御両親の仕事を見ながら育ち、高校3年の夏に料理人の道を目指す。ホテルの厨房で6年、洋食を中心に和食・中華も学ぶ。その後スイスのサンモリッツ、ジュネーブ、フランスのニースなどで3年の修行を重ね27歳で帰国、現在に至る。
 sarrasin bar dot (サラザンバードット)は昨年、2006年の4月27日にオープンし、名前の通り蕎麦も食べられるバーである。ワインも特にシャンパンを豊富にそろえ深夜まで営業している。仕上げの蕎麦も捨てがたいが、早い時間から五十嵐シェフの料理で楽しみたい。今回は登場していないが、店主 太田純一氏はなかなか良い男、きっと女性ファンも多いのではないだろうか。次回は出演交渉をして読者にもファンになっていただこう。
 
    住所  札幌市中央区南3条西3丁目1 プレイタウンふじ井ビル8階
    電話  011-222-0733
  営業時間  18:00〜4:00
   定休日  月曜日
 

    

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