今月の旬

 
今回で62回になります今月の旬
これからも北海道の旬を料理人の心と一緒に届けます
今月も引き続き「sarrasin bar dot」(サラザンバードット)よりお送りします。
 

 2007年 10月のテーマ 「 鮭 」

 

 サケ科のシロザケ、秋味が今回のテーマである。
このシロザケ、養殖ではない天然の魚で、大きな海を回遊して帰ってくる鮭は有り難い存在だ。
母川回帰の習性を利用して、孵化事業が盛んに行われ北海道を代表する水産資源となっている。
古くから山漬、荒巻と保存も考えられ美味しく食べられてきた歴史があり、先住民族であるアイヌの人々も食料として、また皮で靴を作ったりと大切にしてきたようだ。
現在も身肉はもちろん、頭は「氷頭なます」、腎臓は塩辛にして「めふん」という珍味に、白子も卵も食材として大活躍している。
塩焼きだけで御飯のおかずなのだが、生のブロックが出回るこの季節、ちゃんちゃん焼きもまた楽しい。
キャベツやらいっぱい入れて野菜もたくさん食べられるのはとても嬉しいおかずになる。
コクがプラスされるバターソテー、ムニエルも美味しいでしょ
学生時代の私にとって、シャケ弁だけでも有り難い存在だったのだが、近年は紅鮭じゃないとなどという贅沢な選択に押されて正当評価されていないような気がする。
養殖魚と違い病気にならないようにと薬も使わないし、養殖餌の味ばかりということもないし、回遊して運動もしているので余計な脂肪分も無いはずである。
貴重なエネルギーを使って海外の水揚げを運んでくるわけでも無いのだ。
これで美味しく食べられるのだったら、旬を思いきり楽しまない手はない。
さぁ出刃包丁も買って1尾さばいて下さい。アラ汁も旨いですよ〜
あれっ?私は魚屋さん?違った…
でも熊に追い掛けられるようなところで孵化事業に従事している人もいて、最近の水揚げ高なのだ。
人々の仕事と先人の知恵も一緒に大切にいただきませんか?
お茶漬けもいいですよね〜
さて、本題、五十嵐氏は生の鮭をどう調理するのだろう?
早速、彼の仕事を覗いてみよう。
 『 銀聖の温製カルパッチョと銀聖のタブレ ソースグレヴィッシュ クレメ・ド・スープ・ド・ポアソン 白子のムニエル添え 』
銀聖とは、北海道の日高沖産の鮮度保持を厳守したシロザケで、重量が3,5キロ以上のものを選別して出荷している地域ブランド。
水揚げ時に眺めていたのだが「えっ!」と思う程選別してしまう。全体の多くても7〜8%、今年は2%程しか捕れていないそうだ。
以前取材させていただいた網元のホームページがこちら http://www3.ocn.ne.jp/~sankyou/
その銀聖を使って「鮭フレークを作ります!」って?お茶漬け?どうなるの?と思いきや右の料理が完成。
フレンチに軸足をきっちり置いて、北海道の食材を使ってのお料理。美しいです。
まずは切り身とタイム、レモングラスをフライパンでスープ・ド・ポアソンを加えながら崩して崩して鮭フレークを作り、オーブンへ。
鮭にコクを加えた少しカリッとした鮭フレークの完成。
クスクスに玉葱、パプリカ、トマト、コリアンダー、ミント、ニンニクにアリッサ、塩、胡椒の入ったタブレと同量程度で合わせお皿へ。
その上に塩、胡椒とオリーブオイルで味を整え、ほんの少しだけオーブンで過熱した切り身を乗せ、さらに白子のムニエルも乗せている。
ソースはスープ・ド・ポアソンとグレヴィッシュソースの2色。
マジョラムにセルフィーユ、白髪ネギにセロリフリット、ミント、ピンクペッパーを飾り出来上がり。
香ばしいほどに焼いたフレークの鮭に、ほんの少しだけ火を入れたまだ柔らかい切り身。
二味の鮭とそれと共にお皿を演出する共演者。
複雑でありながらしっかりと鮭の味を楽しめる料理となっていたのだ。
「火を入れてこそ鮭の旨味は出るでしょう」という五十嵐氏。
この鮭フレーク、なかなか病み付きですぞ。
こちらは2日前の予約が必要で、また鮭の良い状態のモノが入らなければ出来ないことも。
1890円の一皿でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ほぼ1年ぶりで再開したこのページにつきあってくれたのは五十嵐光氏、30歳。sarrasin bar dot (サラザンバードット)のシェフである。苫小牧で30年近く焼き鳥屋を営む御両親の仕事を見ながら育ち、高校3年の夏に料理人の道を目指す。ホテルの厨房で6年、洋食を中心に和食・中華も学ぶ。その後スイスのサンモリッツ、ジュネーブ、フランスのニースなどで3年の修行を重ね27歳で帰国、現在に至る。なんと苫小牧東高出身、可愛い後輩であったのだ。
 
 左は店主 太田純一氏、予告通りなかなか良い男でしょ。
ちなみに私、男好きの気はないが、太田氏の清々しい笑顔と五十嵐氏の料理、男性女性問わず楽しめるだろうと思う。
学生時代ののアルバイトから接客業の楽しさを感じ、建築設備の仕事に進むも、いつか自分のお店を持ちたいと考えるようになったという。
24歳で転身、接客業の修行を積み、故郷の旭川でカフェバーを開店。昨年4月27日、札幌にsarrasin bar dot (サラザンバードット)をオープンした。『自分が行きたいお店』をコンセプトに、お互いが楽しく過ごせるように心掛けたいと話す。
 名前の通り蕎麦も食べられるバーで、ワインも特にシャンパンを豊富にそろえ深夜まで営業している。
仕上げの蕎麦も捨てがたいが、早い時間から五十嵐シェフの料理で楽しみたい。
ちなみにせいろが740円、エスプレッソが530円、カクテルも630円からといろいろな場面で楽しめる幅が嬉しい。
お店のブログはこちら http://www.hfweb.jp/dot/
 
    住所  札幌市中央区南3条西3丁目1 プレイタウンふじ井ビル8階
    電話  011-222-0733
  営業時間  18:00〜4:00
   定休日  月曜日

 

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