今月の旬

今月の旬ももう72回
これからも北海道の旬を料理人の心と一緒に届けます
お米の番外編から初心に戻り「 magari 」(マガーリ)よりお送りしております
久々登場の宮下輝樹氏はどんなメッセージを発信してくれるのでしょう
お楽しみに
 

 2008年 9月のテーマ 「 キノコ 」

 

 もうキノコと思う?
実は雪融けから現れるキノコもあって、秋だけがキノコの季節ではないのだ。
ただ、この気温の下がる時期に出てくるものが多く、その中に好んで食べられるものも多いので秋の味覚に数えられるのだな。
そう、やっぱり秋はキノコの季節、北海道もキノコの季節がやってきている。
 そのキノコ、日本で名前がついているもので2000種ほど、名前がまだ無いものはもっとあるそう。
世界でその数は1万種類にもなると。
まだまだ人間の知恵の及ばない領域があるのを改めて感じる。
名前がないということは食べられるかどうかもわからない。
もの凄く美味しいかもしれないし、毒があるかもしれない…
ひょっとするととんでもない薬用効果のあるキノコも発見されるかも…
やっぱり山が欲しいなぁ〜
冬の終わりに木々の樹液、春には山菜、夏からはキノコ、秋には胡桃に栗にコクワに山葡萄、間伐して出た枝は炭に…。
ドングリの木を増やして豚さんを放牧、イベリコ豚に負けないお肉なんかも…
また宝くじ買おうかなぁ〜
 で、本題。
日本では椎茸を始めナメコ、エノキ、ブナシメジに舞茸、エリンギなど多くの栽培が盛んだ。
原木やおがくずを固めた菌床を使用しての栽培、おかげで年中キノコを食べる事が出来る。
そのために季節感がない食材という感覚も生じている。
もちろん日常の食卓でキノコの恩恵を受ける事が出来るのはすばらしいのだが、宮下氏はこの境目をきちんと整理している。
いつも野生の香り高い新鮮なものをその季節に使い料理に生かすのだ。
ひょっとしたら料理人は季節や環境の道標なのかもしれない。
さてさて宮下氏、今回のお料理は?
 

 

 

 

  

 

 

『 道産きのこと襟裳短角牛トリッパのラグーソース ガルガネッリ 』
 今回素材として使用されたのは落葉きのこ(イグチ科・別名ハナイグチ・ラクヨウ・ジコボウ)に松茸(キシメジ科)。これらの素材は入荷のタイミングで変わる。他にはアミガサタケ(アミガサタケ科)、ユキノシタ(キシメジ科・別名シモフリシメジ)、ボリボリ(キシメジ科・別名ナラタケ)、千本シメジ(?)、天然舞茸、天然なめこと宮下氏の使用する北海道産キノコは多彩である。ただ天然もの故に量も少なく入荷に左右される、予約時にはご理解を。
 ニンニクとローズマリー、鷹の爪にきのこを入れて火を通す。ここに下処理したトリッパ、特製きのこフレークを加えソースの完成。さらに茹でたガルガネッリを入れ、和えて煮詰める。仕上げはイタリアンパセリ、ローズマリー、胡椒にチーズ。写真はチーズをかける前の状態である。
 一気に仕上がり、温かなうちに食べる。落葉きのこの繊維の食感に、松茸のシコシコした食感。コンニャクにも似たアキレス腱、そしてトリッパ。イタリアンパセリやローズマリーの清々しさも。
 「匂いは消して旨味は残す」と宮下氏が語っていたトリッパは絶妙である。この一皿には牛の第2の胃袋・トリッパだけでなく第4の胃袋であるいわゆるギアラ、アキレス腱も使われている。それぞれ別々に12時間かけて茹でこぼしたりしながらの下処理、独特の食感にアキレス腱のゼラチン質がまとめ役。手数をかけたこれらが病み付きの大元であった。トリッパファンで少々うるさい私だが及第点どころか病み付きである。
ちなみにきのこの時期を逃しても「襟裳短角牛トリッパ、ギアラ、アキレス腱の煮込み」1800円は普段のメニューにある。
トリッパ好きは是非、楽しんで欲しい。
『 道産きのこと襟裳短角牛トリッパのラグーソース ガルガネッリ 』は2000円。
松茸が入る場合は時価、ガルガネッリに手間がかかるために要予約。
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 「magari」は2006年9月にオープンしたイタリア料理のお店である。シェフは宮下輝樹氏。道東の幕別出身、幼いころから料理が好きで、19才から本格的に料理の道を歩みだし、テルツィーナの堀川さんと出会う。もう6年も前、テルツィーナ時代の2002年にこのページでも登場してくれたのだ。あれからまたイタリアでの修行、東京・アロマクラシコ、札幌・クレシェンテなどを経て magari のオープンとなる。
 常に素材に着目していて、電話をしたら襟裳町だったりと産地へ実際に足を運び生産者との会話を大切にしている。この想いは一皿一皿に現れ、お店を訪れる人を楽しませる。宮下氏の料理をする時の楽しそうな顔がとても印象的である。
 その日に入荷した厳選素材で組み立てるコース、旬のおまかせコースは5500円、8000円から(2名様より)
 食事を終え帰るお客様を戸口まで笑顔で送る福島さんはソムリエで一切のサーヴィスを仕切る。ソムリエ講座の講師をするほどの存在で素敵なイタリアワインのお話がいっぱい。おいしい料理とイタリアワインの楽しみがこのお店にはある。ゆっくりと食事をする時間を作りたい。
「シェフが繊細で味わいの深いお料理をつくるので、力ではなくバランスの良いワインを揃えています、名脇役として料理を食べたときに本領を発揮するワインですよ」と福島さんは語る。宮下シェフのお料理感にも同感、二人の絶妙なバランスに期待がいっそう膨らむ。
 グラスワインは800円から、ボトルは3800円から。

 

 

 

 

    住所  札幌市中央区南11条西20丁目2−26

    電話  011-552-8172

  営業時間  ランチ  11:30〜14:00
        ディナー 18:00〜21:30

   定休日  火曜日  

 

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