今月の旬

はい、74回目です
これからも北海道の旬を料理人の心と一緒に届けます
お米の番外編から初心に戻り「 magari 」(マガーリ)からの4回目
宮下輝樹氏のメッセージです
お楽しみに

 

 2008年 11月のテーマ 「 鴨 」

 

 鴨、カモが今回のテーマ。
暖かな季節にいっぱい食べて越冬しようというところをダダーン、狩猟により食卓に登場する。
普段の私は蕎麦で鴨南蛮ぐらいなのだが、あぁこれは合鴨か。
そう、このジビエの季節にはやはり野生のカモが気になる。
 宮下氏のところには猟で収穫されたカモは毛付きのまま送られてくる。
1羽をおおよそ30分くらいで毛を剥ぎ調理へ、肉になる前にも手間がかかる。
また、飼料で育てられた合鴨と違いそれぞれの個体で肉付きも香りも違うジビエ。
畑で過ごしたもの、泥地で生活していたもの、生活環境で香りも味も違うと宮下氏は言う。
その大地の恵みを宮下氏はどんな料理にするのだろう。
  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『 真鴨の半身焼き トリュフ風味 』
 今回は真鴨での料理であったが実は鴨もいろいろ。鴨の生活環境で味も香りも変わる、というのは先に触れたが、狩猟で捕れる鴨は真鴨の他に小鴨、尾長鴨、ハシビロ鴨と種類がありそれぞれで味も違うそうな。飼育されている牛も同じ飼料を食べているのに味が変わるのだからずいぶん味わいの振幅はあるのだろうと想像ができる。ジビエの宿命、いや醍醐味と考えるべきなのであろう。この振幅に触れると普段の食に多くの人が関わり、皆が安心して、安く、美味しく、いつでも、様々な想いで仕事をしてくれているから食卓が成立していることに気付く。感謝である。
 逆にジビエは生命を育む自然を、また人間が作り得ない環境を透かして見せてくれる。人間の食料生産の礎である畑や田で生活する鴨がいても、屋根があり風雨から身を人が守る訳ではないし、到底この味は出せないのだ。山があり、川が流れ自然が多く残されていないとジビエの恩恵は有り得ない。人間の小ささも自然のスケールも見えてくるではないか。
 またまた脱線。というかジビエはまず食べてみないと普段の食事との違いが浮かばない。前置きが長く感じられるかもしれないが、お肉屋さんでもう毛がないすぐに調理できる肉しか見ていない我々には食を考えるいいチャンスでもある。いろいろなことを考える切っ掛けになった。宮下さん、感謝です。トリュフの香りを楽しみながら鴨肉の深さを感じました。
 ここで大まかな作り方をレポート。首、足、手羽はブロード・出汁を取るのに使い、半身は丸ごとローストする。ローストの後、解体してアバラは再びブロードに使用。モモはこのブロードで煮込み、ムネはローストのまま。心臓と砂肝は長ネギと炒め、平取から届いた天然の本シメジ、袋タケ、落葉(ハナイグチ)とブロードで煮る。ちょっと詰め終わった後にトリュフオイルで仕上げ、他に煮込んだモモ、ローストした胸と一緒になる。最後にトリュフを削って乗せて完成。
 一皿でモモのしっかりした噛み心地と柔らかなムネを交互に味わうことが出来る。
鶏料理だと普段はどちらかが料理になることが多いので、モモとムネの違いも実感。
この時期しか、しかも猟次第なので貴著な体験である。
美味しいワインと一緒にどうぞ

  

 

 

 

 

『 真鴨の半身焼き トリュフ風味 』は大体4500円から6000円
大体というのは自然のお恵み、鴨次第ってことだそうで。
写真には登場していないがこの時期の magari には『 石狩湾秋シャコのタリオリーニ 』は2000円という料理もある。
10月15日の漁解禁の次の日から11月の第1週で終わり。
雄のシャコはそれはそれは御馳走ですな、冷凍せず生の時期のみ、それでタリオリーニ。
今年はもうお終いなのでまた来年、覚えておいて下さいね。

 

 「magari」は2006年9月にオープンしたイタリア料理のお店である。シェフは宮下輝樹氏。道東の幕別出身、幼いころから料理が好きで、19才から本格的に料理の道を歩みだし、テルツィーナの堀川さんと出会う。もう6年も前、テルツィーナ時代の2002年にこのページでも登場してくれたのだ。あれからまたイタリアでの修行、東京・アロマクラシコ、札幌・クレシェンテなどを経て magari のオープンとなる。
 常に素材に着目していて、電話をしたら襟裳町だったりニセコ町だったりと産地へ実際に足を運び、生産者との会話を大切にしている。この想いは一皿一皿に現れ、お店を訪れる人を楽しませる。宮下氏の料理をする時の楽しそうな顔がとても印象的である。
 その日に入荷した厳選素材で組み立てるコース、旬のおまかせコースは5500円、8000円から(2名様より)

 

    住所  札幌市中央区南11条西20丁目2−26

    電話  011-552-8172

  営業時間  ランチ  11:30〜14:00
        ディナー 18:00〜21:30

   定休日  火曜日  

 

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