新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界を一変させ、そして、看護の現場にも多大な影響を与えています。本邦では国の緊急事態宣言解除により、第2波、第3波の襲来が懸念される一方、社会経済活動とのバランスをいかに調整していくか、極めて難しい判断が強いられています。医療機関においては、入院・外来患者の減少等で収益が大きく減少し、かつてないほどの厳しい経営を強いられているところもあり、コロナ後の持続可能な経営基盤の維持・確保に向け、1日も早い公的支援を望む声が聞かれています。
看護の現場では、COVID-19への対策で看護職、看護管理者の疲労が日々、蓄積しています。しかし、人の確保や育成、医療安全対策など、看護の質向上に向けたマネジメントは待ったなしの問題でもあり、コロナ対策といかに両立していくかは大きな課題です。感染拡大防止策を進め、患者・スタッフの健康・安全を確保しながら看護の質を維持・向上させ、いかに病院全体の収益につなげていくか。コロナ禍以前の常識は通用せず、これまで異常と思われていたことが新たな常識となる「ニューノーマルな時代」を見据えた思考の転換と戦略が求められています。
本誌では、これまで看護管理者の方々に、2020年度の看護部の取り組みなどについてお伺いしました。本号でも引き続き看護管理者の方にお話を伺い、コロナ禍の中の看護を展望いただきます。
《掲載施設》札幌医科大学附属病院、札幌南一条病院、札幌禎心会病院、日鋼記念病院
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