暮らしと健康の月刊誌ケア11月号

特集記事


人の被害が少ないからと安心は禁物 人畜共通感染症

 誰しもイヌやネコ、小鳥、亀、昆虫など何らか動物を現在飼っていたり、過去に飼っていた経験があるのでは。こうした動物は人と同じように病気になることがある。しかもそのなかには人に感染し、害を及ぼすこともある。こうした人畜共通の感染症について、酪農学園大学(江別市)の内田佳子獣医学部助教授に説明してもらった。

日本では北海道で多く見られる ベーチェット病

 現在121疾患が指定されている特定疾患。そのうちベーチェット病は医療費助成制度がある、45疾患の特定疾患治療研究事業のひとつ。このベーチェット病はどのような病気なのか、厚生労働省のベーチェット病に関する研究班に所属する、北海道大学大学院医学研究科眼科学分野の大野重昭教授、北海道医療大学歯学部口腔衛生学講座の磯貝恵美子講師の二人に解説してもらった。

発作は体からの警告シグナル 痛風と高尿酸血症

 激痛で知られる痛風発作。耐えがたい痛みは、数日で何事もなかったかのように治まってしまうが、その影ではもっと危険な病気が進行していく可能性があるという。恵み野病院(恵庭市)で整形外科を担当する武田政俊部長に、痛風と高尿酸血症について聞いた。

自閉症との出会い、そして障がいの理解 自閉症・発達障がい

 子どもの言葉の遅れが気になる、他の子どもがするような遊びをしないなど、家族の心配と不安な要素について誰に相談をすればよいのか、また、自閉症と診断を受けた場合に、どういった対応や療育、教育的な支援をしていけばよいのか、どういった機関に相談をすればよいのかわからないことだらけなはず。今回は親や周囲の人がどのように関わっていくことが必要なのか、札幌市自閉症者自立支援センターゆい(東区)の真鍋龍司センター長に話を聞いた。

子どもに伝えよう 「食べること」の大切さ

 バランスのとれた食事による健康維持の必要性は、当たり前で誰もがわかっていること。しかし生活スタイルとともに食生活は変化し、『食』から得られる健康の意識は高いとはいえない状況が生まれている。高タンパク高脂肪食を好む欧米化した食事や過食が進む一方で、朝食の欠食や若い女性に多く見られる過度のダイエット志向も進んでいる。その中できちんと食事をすることの大切さを改めて考え、とくに親の食生活が子どもに与える影響を中心に天使大学看護栄養学部栄養学科の山部秀子助教授に話を聞いた。


ストレスも大きな要因 口腔乾燥症

 ここ数年で口腔乾燥症の患者さんは急激に増加している。ドライマウスとも呼ばれるその症状は、単に口腔乾燥を自覚するものだけでなく、口腔の洗浄に重要な役割を果たす唾液の分泌量の低下など、様々な病態を示している。口腔乾燥症の症状と効果的ケア方法について、北海道大学病院歯科診療センターの村松真澄副看護師長に聞いた。

巻末カラーグラビア / 先人の匠北海道遺産

稚内港北防波堤ドーム 

 日本最北の地で、荒波から港を守るのは北防波堤ドーム。70本の太い支柱の上に半円形のアーチが被さる、世界で唯一の半アーチ式ドームの防波堤。総延長427メートル、高さ13.6メートル、支柱の内側から奥の壁まで8メートルの威容を誇る。
 稚内−樺太・大泊間を結ぶ旧稚内航路の整備の一環として、北大工学部を卒業して間もない土木技師土谷実の設計により、1931年(昭和6年)から建設が開始され、5年後の1936年に完成した。
 終戦後、航路の廃止に伴い駅もなくなり、今の防波堤としての役割だけが残った。1978年から3年かけて大改修が行われ、マリンタウンプロジェクトとして周辺も整備された。壮麗なドームの外観は観光スポットとして、毎年多く観光客が集まっているほか、全天候型ドームとして、コンサートやグルメ祭りといったさまざまなイベント会場としても市民に親しまれている。

                                    

                                    

このほかのカラーグラビアは、季節の花を紹介する「くらしに花を」、年齢を問わずに大人気の「おりがみ教室」、主食をメーンにさまざまな料理を紹介する「ご飯の時間」。モノクロ連載記事も豊富です。