暮らしと健康の月刊誌ケア1月号

特集記事


小さいけれど果たす役割は大きい 下垂体

 脳下垂体という名を聞いたことがあっても、その器官がどこにあるのか、どういった機能を持つのか、理解している人は少ない。小さな器官なのに、実は人が生きていく上でとても重要な役割を担っているこの脳下垂体について、新さっぽろ脳神経外科病院(厚別区)の藤重正人副院長に解説してもらった。

渡航前の準備も大切 海外旅行者感染症

 海外旅行が自由化された一九六四年のわずか十三万人に比べ、海外旅行へ手軽に行くことができるようになり、近年は年間渡航者数が約千七百万人となっている。海外の国々には日本ではあまり知られていない病気や、現在の日本では見られなくなった病気があり、とくに海外旅行で注意が必要な感染症について、市立札幌病院(中央区)の滝沢慶彦部長に解説してもらった。

まだ過去の病気ではない 結核

 ある程度高齢の人には肺病という名前でも知られている結核。衛生環境と栄養状態が改善されたことなどによって、第二次世界大戦直後のような大きな流行は見られなくなった。それでもWHO(世界保健機構)によると日本は「中まん延国」に指定されており、いまだに注意が必要な病気。今回は大道内科・呼吸器科クリニック(中央区)の大道光秀院長に解説してもらった。

転ぶわけと転ばないコツ 高齢者の転倒予防

 高齢者の寝たきりの主な原因は脳卒中と大腿骨頚部骨折。その骨折の大きなきっかけとなるのが転倒事故となっている。北海道は本格的な冬場を迎え、外出時の転倒事故が懸念される時期でもある。高齢者が転倒しやすい理由と転ばないコツについて、西円山病院の横串算敏副院長に聞いた。


カラーグラビア / 先人の匠北海道遺産

旭橋 

 大雪の山々を背景に美しい姿を見せる、旭橋。旭川市のシンボルとして多くの人に親しまれているその橋は、実は2代目。前身の橋も含めれば、今から110年以上も遡る。旭川村ができた明治23年の頃、石狩川の両岸への行き来は渡船で行われていた。そこに住民の協力で長さ90メートル、幅1.8mメートルの土橋が造られたのがはじまり。もっと頑丈な木の橋として「鷹栖橋」がかけられたが、同31年に洪水によって流されてしまう。
 その後、老朽化や第7師団の設置により人の往来が多くなったために、新しい橋が必要となり、同37年に長さ104.2メートル、幅5.5メートル、北海道で2番目の鋼道路橋として、初代旭橋が完成した。
 初代旭橋も当初は「鷹栖橋」と呼ばれる予定だったが、旭川市街にあるのに隣村の名前が使われるのはおかしいということで、旭橋と決定された。材料の鋼鉄をアメリカから輸入して、当時としては豪華な橋だった。
 現在の旭橋ができたのは、昭和7年。旭川のシンボルとして、そして日本の代表的な橋梁となることを考え、「ブレーストリブ・キャンチレバータイドアーチ」と呼ばれる形式が採用された。11月の渡橋式には、雪がちらつく天候にも関わらず、橋は人で埋め尽くされ、この日は3万人の人出となったという。戦争前は軍都として栄えた旭川。橋は戦車も渡れる強度を誇り、同31年まで市内電車も走っていた。札幌の豊平橋、釧路の幣舞橋とともに北海道の3大名橋といわれたが、今も昭和初期の姿をとどめているのは、旭橋だけとなった。

                                    

                                    

このほかのカラーグラビアは、季節の花を紹介する「くらしに花を」、年齢を問わずに大人気の「おりがみ教室」、主食をメーンにさまざまな料理を紹介する「ご飯の時間」。モノクロ連載記事も豊富です。