暮らしと健康の月刊誌ケア 5月号

特集記事


羅患率も死亡率も増加傾向 早期発見と早期治療を 乳がん
 乳房になにかしこりがある、しこりを触ると痛いといった症状がみられると、まず心配するのが乳がん。年々日本人の羅患率が上昇しているという乳がんについて、札幌乳腺外科クリニック(中央区)の岡崎稔院長に解説してもらった。

脳梗塞の前触れ 一過性脳虚血発作

 脳に起こる病気の中でもよく知られているひとつに挙げられる脳梗塞。脳梗塞を起こした患者さんの中には、それまでの間に一過性脳虚血発作によるものと思われる症状を起こすことがあるという。今回は一過性脳虚血発作について、北海道脳神経外科記念病院(中央区)の青樹毅副院長に解説してもらった。

合併症の恐ろしさと治療中断の現状 糖尿病

 糖尿病の発症因子はさまざまで遺伝的な問題もあり、患者または糖尿病と疑われる人が増えている。しかし、患者さんの中には治療を中断してしまう人も決して少なくないという。自分自身が主治医となって自己管理することが糖尿病悪化、合併症を防ぐ基本となる。そこで西岡病院(豊平区)で糖尿病外来を担当している織田一昭副院長に、糖尿病の正しい知識を持つことや日常生活における指導について解説してもらった。

医療格差解消に期待されている 遠隔医療
 遠く離れた場所にいても、大都市にいる専門医師による高度な医療を受けることができるのが、遠隔医療の特徴の一つ。さまざまな問題を抱えている北海道の医療情勢のなかで、医師の偏在や医療サービスの地域格差解消の一つの方法として注目されている。そこで、旭川医科大学遠隔医療センター長を勤める同大眼科学講座の吉田晃敏教授に、遠隔医療について聞いた。

多くは胸焼けや食欲不振を伴う 食道の病気
 食べたり飲んだものを口腔から胃へつなぐ食道。消化管に分類されながら、消化や栄養の吸収を行うわけではない少し変わった特徴を持っている。この食道にはどのような病気が起こるのか、恵み野病院(恵庭市)で消化器を担当する後藤学部長に聞いた。

一人で悩むのは禁物 ストーマ装着者の日常生活のポイント
 手術によって大腸や肛門、あるいは膀胱や尿道を切除した際、排泄物を外に出すため、人工的にお腹の周囲に排泄口を作ることがある。これをギリシャ語の「口」を意味する言葉からとって、「ストーマ」と呼んでいる。ストーマは腸や尿管をお腹の外側に引き出して作るが、部位や形状、大きさは患者さんによってさまざまで、それぞれに応じた日常のケアが必要となる。WOC(創傷・オストミー・失禁)看護認定看護師の資格を持ち、日々ストーマ患者さんのケアにあたっている旭川厚生病院の秋田珠実さんに、日常生活のポイントを聞いた。

カラーグラビア / 北海道の

 函館山と砲台跡

 展望台からの美しい夜景を見に、道内だけでなく全国各地から観光客が集まる函館山。函館市のシンボルとして市民にも愛されているこの山には、もう一つの顔があった。華やかな観光地としての裏には、豊かな木々の中に朽ち果てようとする「負の遺産」が数多く存在する。今回は函館山と砲台跡について紹介する。
昭和20年までの半世紀もの間、函館山は要塞として一般市民の立ち入りはおろか、その撮影すらも軍事機密保持の名目のもと禁止されていた。この厳しい立ち入り禁止が実は今の函館山を形づくった。もし、要塞化がなければ宅地造成され、住宅街の一つになっていたかもしれない。
 戦後、砲台の台座など金属部品はすべて撤去され、ほぼ手つかずの自然が後に残された。昭和32年には、約600種の植物と約150種の野鳥が見られる鳥獣保護区特別保護地域として指定された。要塞施設の多くは朽ち果て自然の浸食を受け、軍道はハイキングコースに変わり、平成13年には北海道遺産にも選定された。函館市は函館山緑地整備計画をスタートさせ、新整備計画では要塞数か所を見学利用可能にする。規模が大きいためすべてを整備することは容易ではないが、見学会などを通して市民の理解を得て、徐々に整備しつつあり、市民の憩いの場として利用されている。(取材協力:函館市、北海道遺産構想推進協議会)

                                    

                                    

このほかのカラーグラビアは、北海道に生息する動物について紹介する「ほっかいどう動物写真館」、二枚以上の折り紙を組み合わせてつくる「チャレンジ!組み合わせおりがみ」、和食中心で旬の食材を使ったさまざまな料理を紹介する「おいしいヘルシーこだわり料理」。モノクロ連載記事も豊富です。