屈筋腱腱鞘炎(以下、腱鞘炎と略す)は屈筋腱滑膜炎、狭窄性腱鞘炎、弾発指(バネ指)など、さまざまな名称で呼ばれるが、これらは腱鞘炎に特徴的な病態の一面を表すものであり、腱鞘炎は多彩な症状を呈する症候群であるといえる。このため、症状は人によって千差万別で、個々の患者さんに応じた治療が求められる。
四肢の関節を動かす筋肉の力を骨に伝える組織を腱という。腱は腱鞘というトンネルの中を通っており、この腱鞘に炎症が起きた状態を腱鞘炎と呼ぶ。腱鞘炎は私たちにとって非常に身近な疾患といえるが、その診断と治療は決して簡単ではないという。西18丁目・手のクリニック(中央区)の玉井誠院長に、詳しく解説していただいた。
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