北海道医療新聞社

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週刊:介護新聞

2019年(平成31年)1月1日付

食で広がる支援の輪

 人が生活していく上で欠かせない要素の1つが「食」だ。在宅に暮らす高齢者の介護予防・重度化防止の観点からも、低栄養を防ぐ食のあり方が問われる中、特集では口から食べる喜び、生きる意欲を支える訪問栄養指導の実践をレポート。食が人をつなぎ、支援の輪が広がる地域食堂の好事例も紹介する。


訪問栄養指導 「口から食べる」を大切に

 「病気や加齢に伴う障害で当たり前に食べることができなくなってしまったとき、人は不自由なく食べることができていたことの幸せに気付く」と話すのは、栄養コンサルタントとして訪問栄養指導に取り組む齋藤郁子管理栄養士。「高齢者施設で『楽しみは何ですか』と尋ねると、『おいしいものを食べること』と答える方も多くいらっしゃいます。食べることは、生きる基本です。口から食べることを大切にする介護、医療、地域支援の充実が期待されています」と訴える。


食事通じて交流の場、初山別村社協・地域食堂「なんもなんも食堂」

 留萌管内中部の初山別村では2017年7月から月1回、住民間の交流拠点のなかった豊岬地区(豊岬、明里、共生)を対象に、地域食堂「なんもなんも食堂」が開設されている。村から介護予防・日常生活支援総合事業(ささえ愛ネットワーク)を受託した同村社協の個人・団体によるボランティア「ささえ愛パートナー」が「なんもなんも倶楽部」を結成し、独居高齢者や障害者を中心に地域住民とのつながりを深めるため、地域の公共施設を活用して食事提供するほか情報発信・役割発揮の場として地域を支えている。


地域コミュニティ支える産官学連携「食」シンポ

 地域包括マッチング事業委員会(2018年度厚生労働省老人保健健康増進等事業内に設置)は、食をテーマに地域コミュニティを支える産官学連携シンポジウムを恵庭市の北海道文教大で開いた。同シンポは厚労省の「多様な社会資源を活かした『地域包括ケア推進』環境づくりに関する調査研究」の一環で基調講演、特別講演、パネルディスカッションを実施。医療介護連携による高齢者の食支援ほか、大学や民間企業、地域住民の参加する介護予防、多世代交流等まちづくりにも「食」が重要な鍵となる、事例が発表された。


●寄稿ひとはなぜコミュニティ・レストランに集まるのか?
  寿都町「風のごはんや」の居場所づくり 片山めぐみ札幌市立大デザイン学部講師
●産官学連携「食」シンポ特別講演 「京滋摂食・嚥下を考える会」代表世話人 荒金秀樹氏
●厚労省19年度予算案 介護人材確保を大幅拡充 新規で多職種チームケア推進
●「取り締まり目的ではない」居宅支援実地指導対応など解説 笑福会北海道支部研修会
●2019年度介護報酬改定に関する審議報告 社保審介護給付費分科会


【連載】●事例で分かりやすく解説 弁護士との連携=休
     札幌総合法律事務所 石塚慶如弁護士
    ●僕がケアマネを取ったワケ=番外編
     札幌里塚病院内科科長 松永隆裕氏
    ●介護アロマの第一歩 介護の現場でどう生かせるか=休
     北海道アロマケア協会代表理事 宮崎寿子氏

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