北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)3月7日付

孝仁会と碩心会が合併、医師確保体制構築へ

 釧路市で釧路孝仁会記念病院などを運営する社会医療法人孝仁会(齋藤孝次理事長)は4日、札幌市で記者会見を開き、西区で心臓血管センター北海道大野病院を運営する社会医療法人社団碩心会(大野猛三理事長)と6月1日に法人合併すると発表した。社会医療法人同士の合併は、20年度の制度施行以降、全国で初めて。北海道大野病院を移転し、新病院「北海道大野記念病院」を28年度オープンし、西区の地域医療の充実とともに道東への医師派遣体制を構築する計画だ。


函館・雄心会、青森で新病院を計画

 函館市の医療法人雄心会(伊藤丈雄理事長)は、青森県青森市で新病院の建設を計画している。191床の急性期病院を想定し、28年度オープンを目指す。本道医療機関が道外へ進出するケースとして注目される。
 同法人は25年4月、青森市の近藤病院(104床)の経営譲渡を受け、同年12月には同市で渡辺病院(87床)を運営する医療法人厚生会の理事長に伊藤理事長が就任している。本道医療法人の道外進出は10法人あるが、医科・歯科の診療所が首都圏に診療所を設けているケースがほとんどだ。


札医大薬理学講座、メラノーマ細胞移動にSIRT1関与

 札医大薬理学講座(堀尾嘉幸教授)の國本梨沙助教を中心とする研究グループは、メラノーマの細胞移動にNAD依存性蛋白質ヒストン脱アセチル酵素の一つ、SIRT1が大きな役割を担っていることを突き止めるとともに、ニコチンアミドでSIRT1を阻害することで、細胞移動を抑制することに成功した。
 皮膚腫瘍の中でも、メラノーマは転移が速く、予後の悪いがんの一つといわれる。メラノーマが細胞移動する際に先端部に葉状突起を形成するが、リン脂質PIP3濃度の高い領域でアクチン繊維が重合して仮足が伸び、走行性を引き起こしている。


道南2団体が協定、患者情報の相互閲覧可能に

 道南地域医療連携協議会(理事長・長谷川正函館渡辺病院名誉院長)と、南桧山地域医療連携システム運営協議会(会長・寺井紀雄道立江差病院院長)は、別々に運用している患者情報共有システムを相互閲覧できるよう協定を結んだ。今月からスタートしている。
 同システムは函館市の民間企業が開発した「ID―Link」。各施設が患者の同意を得て入力する情報(画像、処方、注射、検査、文書など)をインターネット上で他施設から閲覧でき、急性期から慢性期、在宅まで一貫した医療提供、重複した薬の処方、検査、写真撮影を防止し、質の高い医療につなげる。


市立札幌ST部門、「食事開始」「形態アップ」パス作成

 市立札幌病院(富樫正樹事業管理者・810床)リハビリテーション科ST部門は、食事開始パス、形態アップパスを作成した。フローチャート方式ではなく、クリティカルパス形式で対応しているのは全国的にも珍しく、摂食嚥下障害患者への評価の均一化、病態別の予後予測の指標化ができることで、食べられる楽しみを早期に促しながら、個別介入、退院後を意識した取り組みを強化している。


日病診療報酬改定調査、25年度診療収益1.54%アップ

 日病は、25年度診療報酬等に関する定期調査結果をまとめた。1病院当たりの入院収益は前年度調査に比べ2.00%増、外来収益は0.41%増で、入院と外来を合わせた診療収益は1.54%のアップとなり、前年度の0.60%増を上回る伸びとなった。
 調査は会員病院を対象に25年11〜12月に実施。24年6月と25年6月の月別診療収入、件数、延べ患者数などについて、全国711病院の回答をまとめた。

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