北海道医療新聞社

▼バックナンバーはこちらから
週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)12月5日付

松家札医会長、消費税対応方針の「原則課税への転換」評価

 札医(松家治道会長)は、第118回臨時代議員会を札医会館で開催した。松家会長はあいさつで消費税問題に触れ、日医が10%への引き上げ時の対応方針に「原則課税への転換」を挙げたことを評価。国が規制改革の一環で進めている保険外併用療養費制度拡大等について「国民皆保険制度を揺るがしかねない」と懸念し、今後も安全で質の高い医療提供体制の確保に全力で取り組む意向を示した。


余市協会、地域医療国際支援センターが本格始動

 後志管内・余市協会病院(高橋透理事長、吉田秀明理事長・172床)の「地域医療国際支援センター」が本格的に動き出した。開発途上国の医療支援を目指す関西の看護師を第1号で受け入れたほか、東南アジアで臨床、研究に携わる医師らがローテイトで在籍。勤務を検討する医療者からの問い合わせも着実に広がっており、吉田院長は「困っている地域で活躍したい、社会貢献したいと思っている医療者は多く、全国への認知度アップが鍵」と情報発信を強化している。
 同センターは、不安定な立場で海外に留学、勤務する医療者に対し、経済的、キャリアアップの支援をする、全国でも珍しい取り組みを行っている。


札医大岡崎研究グループ、大腿骨頭壊死に転写制御因子が関与

 札医大法医学講座の岡崎俊一郎講師を中心に、生体工学・運動器治療開発講座、整形外科学講座の3講座共同の研究グループは、ステロイド性大腿骨頭壊死症の発生機序に関して、転写制御因子の関連を検討。ステロイドに加え、同因子の活性も関与していることを明らかにした。
 同研究グループは、これまでに、自己免疫疾患患者がステロイド大量療法を受けた後、早期に骨頭壊死症の発症する可能性を突き止めている。また、5%濃度のアルコールを含む液体飼料を使用し、大腿骨頭壊死のラットモデルの確立に成功している。


大谷地、精神科救急運用に合わせパス導入

 札幌市厚別区の大谷地病院(田尾大樹理事長・315床)は、スーパー救急(精神科救急入院料)病棟の運用に合わせて、クリティカルパスを導入、カンファレンスやベッドコントロールを強化して、効率的な病床運営、患者病態に応じたバックアップ、多職種チーム医療を促進。退院後の生活を見据えたゴールを設定し、地域移行支援やアウトリートへの継続性を高めるケアを展開している。
 同病院は精神療養159床、一般療養50床、特殊疾患60床のほか、精神科救急46床を運営していたが、国の短期入院促進、圏域の精神科救急医療体制の整備を狙いに、24年3月からスーパー救急(46床)の算定を開始した。


道臨床工学会、東日本大震災を現地CE報告

 第25回道臨床工学会が札幌市で開かれ、東北薬科大病院臨床工学室の菊地徹室長が教育講演。23年3月11日に発生した東日本大震災で診療機能がストップした同病院の当時の様子を振り返り、臨床工学技士(CE)はデバイス管理が責務の一つと強調した。
 同病院は仙台市宮城野区の七北田川沿いにあったものの浸水被害は免れ、患者と職員も無事だったが、電気、ガス、水道がストップ。非常用自家発電装置はメンテナンス中で作動せず、診療機能がまひしたまま、地域住民1,500人を受け入れた。

topへ戻る
ご注意/このサイトに掲載されている記事、写真、図表などの流用・無断転載を禁じます。