北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)12月26日付

中川氏が地域医療ビジョン講演、既得病床機能は担保

 道医(長瀬清会長)主催の「地域医療構想(ビジョン)に関する講演会・意見交換会」が札幌市で開かれた。「病床機能報告制度と地域医療構想」について説明した日医の中川俊男副会長は、調整会議は「(今後定めるビジョンの必要量と比べて)地域で不足している医療機能をどのように充足させていくかを協議していく」もので、各医療機関の既得病床機能は担保されると強調。郡市医師会などの主導で、前倒しで進めていくよう促した。


雇用の質研修会で高橋氏、医師事務補助は負担軽減に効果

 26年度「医療分野の『雇用の質』の向上のための研修会」が札幌市で開かれ、医療機関の経営者らにメンタルヘルス対策の必要性などが解説された。職場環境改善の実践事例では、日本医師事務作業補助研究会の道支部代表世話人で、札幌白石記念病院副院長の高橋明氏が自院の医師事務作業補助者の効果について講演し、「医療チーム全体をコーディネートする潤滑剤となり、医師やスタッフのストレスが軽減され、今後の病院運営に必要」と述べた。


札医大分子生物、胃がん再発リスク予測マーカー開発

 札医大分子生物学講座の鈴木拓教授らの研究グループは、がんの発生と進行に関与する遺伝子異常のメカニズムとして、microRNAの一つ「miR34b/c」遺伝子のDNAメチル化異常が関わっていることを初めて解明し、胃がん・大腸がんのリスク予測マーカー開発に成功したと発表した。
 研究成果を利用した「miR34b/cのDNAメチル化解析」が、受託臨床検査企業の新規検査項目として9月から追加された。採取した胃体部大弯の生検組織miR34b/cのメチル化状態を調べ、早期胃がん切除後の異時性多発性がんの再発リスクを予測できる。


桑園中央、5つの戦略的治療で切断せず下肢救済

 札幌市中央区の桑園中央病院(松井傑理事長・68床)は、重症下肢虚血患者の下肢救済へ5つの戦略的治療を組み合わせ、北大や市立札幌病院などと連携して対応。今年に入って30症例以上の重症下肢虚血患者を受け入れ、大切断例をゼロに抑えている。
 同病院は42床の人工透析を備え、血液浄化に特化した治療を行っている。8月に「救肢・創傷治療」「血液透析」の2センターを立ち上げ、北大、市立札幌病院と医療連携HSS―Lineを組み、創傷管理から外科的治療、術後支援を展開している。


全日病26年度経営調査、大規模・急性期で収支悪化

 全日病は26年度経営調査(調査期間・5月1カ月)を行い、会員病院の収支は総じて悪化しているとの結果をまとめた。診療報酬改定による急性期入院医療の施設要件厳格化や消費税増税による支出増などにより、特に「一般病床のみ」「200床以上」「DPC対象」病院の収支が悪いと分析している。
 25年度分も回答した598病院の状況をみると、1病院当たり病床数が前年度比1床減という中で、1日入院患者数は4人減の153人、病床利用率は1.9ポイント減の80.6%。

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