北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)5月22日付

道がビジョン策定へたたき台、調整会議は6月以降設置

 道は、国が示した地域医療構想策定ガイドラインを参考に、医療計画(改訂版)に追記する「地域医療構想」(ビジョン)の策定方針案のたたき台をまとめた。今後、道総医協地域医療専門委員会の議論を経て、策定スケジュールや構想区域等を決定。6月以降に各地域に「地域医療構想調整会議」を設置し、各種データを共有しつつ必要病床数の調整等を図っていく考えだ。
 たたき台によると、構想策定では(1)将来にわたる地域医療の確保(2)地域における少子・高齢化、医療・介護サービス提供体制を踏まえた議論(3)介護や生活支援施策、住宅、交通、まちづくり等も含めた分野横断的な観点からの検討(4)医療・介護サービスの受け手である住民の視点(5)データの可視化・共有─などに配慮する。


札幌市、「こころの安心カード」運用順調

 精神科救急医療体制の円滑な確保、精神科・心療内科などの通院患者の不安軽減などを狙いに、札幌市が全国で初めて導入した「こころの安心カード」の運用が順調に進んでいる。精神科対応の78病院・112診療所に初期配布したカード台紙4万枚のほかに、不足状態になった医療機関からの依頼で3月末までに約2,000枚を追加送付。緊急時の対処アドバイスだけでなく、症状悪化のきっかけやサインの確認、良好な状態の維持工夫など、予防的な効果も上げている。


山本日薬会長、薬局薬剤師テーマに道薬学大会で講演

 第62回道薬学大会が札幌市で開かれ、これからの時代に求められる薬局薬剤師をテーマに、日薬の山本信夫会長が特別講演。医薬分業を根幹にしながら、患者モニタリング徹底で医薬品の適正使用と安全向上につなげ、かかりつけ薬局として地域の健康情報拠点を担うべきと訴えた。
 山本会長は、薬剤師に期待されている姿勢は「医薬品を地域に過不足なく、必要とするところに、的確かつ迅速に供給し、住民が医薬品を適正に使用できる体制の確保」と述べ、「医薬分業の構築」を命題に挙げた。


天使、NSTの経済効果検証

 札幌市東区の天使病院(勝木良雄理事長、藤井ひとみ院長・260床)は、NST介入患者の栄養状態と経済効果を検証。2014年度は効果的なNST活動、経腸栄養剤への変更などによって、人件費や輸液経費等の支出が抑制され、年間44万円の医療費節減につなげることができた。現在は抗生剤や輸液の適正使用をより推進させるとともに、チーム医療でさらなる効率化にチャレンジしている。


事故調制度「起因」判断に具体例、研究班が報告書

 全日病の西澤寛俊会長が研究代表者を務めた「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」(2014年度厚生労働科学研究費補助金事業)研究班は、総括研究報告書を公表。10月に施行される医療事故調査制度で、医療機関の管理者が「医療に起因する(疑い含む)死亡または死産」を判断しなければならない事案について、具体例を示して解説している。
 制度は「医療に起因(疑い含む)」の考え方として「診察」「検査等(経過観察含む)」「治療(同)」のほか、療養、転倒・転落、誤嚥、患者隔離・身体的拘束等に関するものを挙げている。

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