北海道医療新聞社

▼バックナンバーはこちらから
週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)12月4日付

札医代議員会で松家会長、地域医療崩壊に危機感

 札医の松家治道会長は11月28日に開かれた第120回臨時代議員会のあいさつで、消費税損税の拡大で医療機関が厳しい経営を強いられ、来春の診療報酬改定では本体の大幅マイナスが議論されていることについて、「マイナス改定阻止や損税解消ができなければ、地域医療は崩壊する」と強い危機感を表明した。安倍晋三政権の医療政策が日医の求める方向と逆に進んでいるとして、日医の横倉義武会長には強い姿勢で臨むよう求めた。


感染制御ワークショップ、空調の重要性強調

 道厚生局主催の医療安全に関するワークショップが、札幌市で開かれた。筧淳夫工学院大建築デザイン学科教授が、「施設環境から考える感染制御」と題して、感染制御のための空調の在り方などを解説した。

 筧教授は、医療施設の空調として、単一ダクト方式が温度や湿度調節、外気導入、塵埃除去などの機能を併せ持ち機能的に優れるが、近年、建設費の高騰等の影響で採用施設が減っていると説明。


北大遺制研・藤田教授、研究費をネットで募集

 北大遺伝子病制御研究所分子腫瘍分野の藤田恭之教授は、インターネット上で出資を募るクラウドファンディングを活用し、一般市民から広く研究資金を調達する取り組みを開始した。研究室が進める「正常細胞ががん細胞を駆逐するメカニズム」解明のための研究費として、試薬代や外注費など総額500万円を募っている。教授によると、道内の医学研究者がクラウドファンディングで研究費を募集するのは初とみられる。

 出資を募っているサイトは、学術系に対象を絞り2014年4月に開設された「アカデミスト」。16年2月25日までの3カ月間で、目標額の500万円以上が集まれば「成功」として資金を獲得し、達しなければ「失敗」として全額が支援者に返金される。


小樽掖済会、商業中心地に移転開院

 小樽市の小樽掖済会病院(佐々木一晃院長・138床)は、商業地域中心部となる稲穂1丁目4―1へ移転、新病院を1日オープンした。増加する消化器病患者への対応充実、サービス向上、療養環境の整備が狙いで、最新の医療機器等を備えて、多職種連携や緩和医療を促進、災害時にも強い、アメニティ重視の病院になっている。

 建物はRC造地下1階地上7階建て延べ約1万500平方メートル。電子カルテシステム導入により院内情報を統合するとともに、予約センターや入退院・総合相談センターを設置。


北海道・東北臨床工学会、石川氏が全自動透析装置の利点解説

 本道と東北6県の臨床工学技士会による第2回北海道・東北臨床工学会が札幌市で開かれ、北彩都病院臨床工学科の石川幸広科長が講演。全自動透析装置の導入で「安全向上」「作業効率化」「コスト削減」につながるとメリットを解説した。

 石川科長は、透析患者の高齢化や透析期間の長期化に伴い、合併症や感染症といった問題を指摘。勤務先では透析期間20年以上が70人余り、うち40年以上は5人いるとし、降圧薬使用者や糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞の合併症も全国平均より多く、「看護体制強化が不可欠」とした。


福祉医療機構の14年度医療法人経営状況、医業利益率2.7%に低下

 福祉医療機構がまとめた貸付先医療法人の財務諸表データに基づく2014年度経営状況によると、収支は増収減益で、医業収益対医業利益率は前年度から0.5ポイント低下し2.7%の低水準となった。経費率は18.7%と前年度比0.5ポイント増加していたことから、経費増加分がそのまま医業収益を押し下げていた。

 14年度診療報酬改定の影響などで医業収益は前年度比3.3%増、一方で医業費用は同3.9%増と、費用増加率が収益増加率を上回っていた。


ご注意/このサイトに掲載されている記事、写真、図表などの流用・無断転載を禁じます。