政府は、「日本再興戦略」改訂2015で、医療・介護を基幹産業と位置付け、鍵となる施策に「医療の国際展開」を挙げている。 訪日外国人旅行者数は急増しており、観光は現在最も伸びている産業の一つ。旅行者の消費額は14年に初めて2兆円を超え、地域経済の活性化に大きく貢献している。 こうした中で、わが国の強みを海外にアピールでき、その後の経済成長につながるプロジェクトとして「高品質な日本式医療サービス・技術の国際展開」(医療のインバウンド)を推進。外国人患者の受け入れに意欲と能力のある医療機関を「日本国際病院(仮称)」として海外に分かりやすく発信することなどにより、外国人患者の集患等に取り組むことが具体的に検討されている。 新春号では、海外で活躍する医療者の支援や、宗教・文化を踏まえた外国人患者の受け入れ体制の整備、リゾート地における診療の在り方、旅行透析の充実、さらに高度医療機器の海外展開など、「インバウンド」と「アウトバウンド」の両面から医療の国際化に取り組む医療機関を取り上げた。 連載企画の「和衷協同」は紙面を拡大。地域の中で専門性を生かした領域の拡大を図る病院や医療・介護・福祉の一貫した流れの構築を目指す老健、過疎化と高齢化が進む地域住民の健康を支える町内唯一のクリニックに焦点を当てた。 |