北海道医療新聞社

▼バックナンバーはこちらから
週刊:北海道医療新聞

平成28年(2016年)1月15日付

厚労省16年度予算案、かかりつけ機能充実へ

 厚生労働省の2016年度予算案は、一般会計が15年度当初予算比1.3%増の30兆3,110億円、うち社会保障関係費は1.4%増の29兆8,631億円。診療報酬分は11兆2,231億円で、この中には医師、歯科医師、薬剤師・薬局の「かかりつけ機能」を評価する視点が目立ち、新規事項で盛り込まれている。

 社会保障関係費の内訳は、医療が0.5%増の11兆5,438億円、介護が3.6%増の2兆9,323億円、福祉等が1.4%増の3兆9,667億円など。医療・介護サービスの提供体制改革の財源となる地域医療介護総合確保基金は、医療の機能分化・連携、在宅医療の推進等を図る「医療分」が904億円、地域包括ケアシステムの構築を目指す「介護分」が724億円と、ともに前年度と同じ額を確保。


高橋病院、医療・介護・生活支援情報の一体型システム開発

 函館市の高橋病院(高橋肇理事長・179床)は、地域包括ケアシステムの実現に向けて、医療・介護・生活支援情報の一体型システム「Personal Network ぱるな」を開発した。SNSのように患者と家族、スタッフ間双方向の情報受け渡しもできるよう、使いやすくしたのが特長で、「地域がつながるツール」「チームで支えていけるツール」として幅広い普及を目指している。

 道南でいち早く回復期リハビリテーション病棟を開設した同病院は、ITCを利用した道南地域医療連携ネットワーク「MedIka(メディカ)」の運用で、市立函館病院とともに中心的な役割を担ってきた。


北大先端生命金城教授ら、FCS高精度化に成功

 北大先端生命科学研究院の金城政孝教授と山本条太郎特任助教は、情報通信研究機構(NICT)・阪大と共同で、超電導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)を蛍光相関分光顕微鏡(FCS)カメラとして用い、溶液中の蛍光分子の回転拡散運動を計測する方法の開発に成功したと発表した。

 細胞内の凝集性タンパク質の形成初期を簡単に同定できることにつながり、凝集性タンパク質に起因するアルツハイマー病やプリオン病などの神経変性疾患の初期診断に道を開くほか、通信分野で利用されてきたSSPDの医療分野への応用も期待される。


北海道医療センター、経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼術開始

 西区の北海道医療センター(菊地誠志院長・500床)は、発作性心房細動治療へ経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼術を開始した。道内では札幌心臓血管外科クリニック(東区)、北光記念病院(同)に続き3施設目。佐藤実循環器内科医長が担当し、年間約70例程度を予定している。

 同病院では不整脈患者に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)治療を2002年から行ってきたが、バルーン型冷凍アブレーションカテーテルシステム(AFA)の保険適用に伴い、15年末に装置を導入し、準備を進めてきた。


道臨工、手術支援ロボットの統一マニュアル作成へ

 道臨床工学技士会(会長・室橋高男札医大病院主任技師)ロボット手術作業部会は、2013年度の設置から3年近く経過。内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入している道内病院の臨床工学技士が管理方法やトラブル事例の情報共有と研修を重ね、統一マニュアルを近くまとめる方針だ。

 手術支援ロボットの管理では、セッティングから手術中のエラー対処や保守点検まで臨床工学技士が関わる中、米国生まれの新しい装置だけに現場で戸惑うケースも多い。これら課題解決へ道内導入5病院の担当者を中心に年2〜3回ペースで活動してきた。


厚労省14年調査、本道10万対医師数240.5人

 厚生労働省が2014年末現在でまとめた「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、本道の人口10万対医師数は240.5人(前回12年比5.1人増)となり、3期続けて全国平均(244.9人、7.1人増)を下回る結果となった。

 本道の届け出医師数は134人(1.0%)増の1万2,987人で、増加数は前回より100人以上減り、伸び率も0.9ポイント低下した。全国の届け出医師数は31万1,205人で、7,937人(2.6%)増となっている。

 本道の女性医師数は4.8%(83人)増の1,803人、構成比は0.5ポイント増の13.9%。


ご注意/このサイトに掲載されている記事、写真、図表などの流用・無断転載を禁じます。