北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成28年(2016年)2月26日付

北大病院、免疫寛容 誘導に成功

 北大病院(宝金清博院長・946床)は、生体肝移植患者の拒絶反応抑制に関する臨床試験結果について、患者のリンパ球から誘導した制御性T細胞を用いた細胞治療を術後に行うことで、免疫抑制剤の投与を1年以上中止できる「免疫寛容」の誘導に、世界で初めて成功したと発表した。論文は米国肝臓学会の機関誌「Hepatology」オンライン版に、1月16日付で掲載された。

 今後は、3年をめどに先進医療申請に必要な40例の臨床研究を国内他施設共同で進め、標準治療法確立へ向けて有効性をさらに確認するほか、免疫抑制剤を現在服用中の患者に対する臨床試験を今春にも開始する。


グレリンに抗老化作用、北大薬・武田教授らがマウス実験で解明

北大薬学研究院の武田宏司教授らの研究チームは、カロリー制限に応答して胃から分泌されエネルギー代謝を調整するグレリンが、血管疾患などの老化関連疾患に対し保護的な役割を持つことをマウス実験で解明したと発表した。

 遺伝的老化促進マウスと通常の老化マウスを用いてグレリンシグナリングの影響を検討し、漢方薬(六君子湯)の処置が内因性グレリンを増加させ、老化促進マウスの寿命を延長させることを見出した。


済生会小樽、回復期リハ病棟に薬剤師配置

 小樽市の済生会小樽病院(近藤真章病院長・258床)は、回復期リハビリ病棟に薬剤師を常勤で配置。医師や看護師、リハビリスタッフとともに、入院時から退院後を視野に入れた服薬管理に取り組んでいる。

 同病院は一般病床のほか、回復期リハビリ50床、地域包括ケア53床を運営。回復期リハビリ病棟には脳卒中後遺症や骨折後のリハビリ患者、高齢者、認知症患者が多く、円滑な退院に向けて、薬の「飲み残し」「飲み忘れ」をいかに減らすかが課題の一つとなっていた。  同病棟ではこれまで服薬自己管理が必要な患者に対し、開始時期や管理方法の決定を担当看護師が行っていたが、飲み忘れに対する把握手段が確立していなかった。


札医大シンポ 全医師が総合診療マインドを

 札医大は「地域包括ケア時代に求められる総合診療医像」をテーマとしたシンポジウムを同大講堂で開催した。本道の総合診療医や地域包括支援センター所長、行政担当者が講演。パネルディスカッションでは道医副会長も加わり、地域包括ケアの推進には、総合診療医のみならず、すべての医師が総合診療マインドを持つことが重要と方向付けられた。

 日本プライマリ・ケア連合学会道ブロック支部の山田康介副支部長は、更別村国保診療所で総合診療医としての日常を解説。


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