北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成28年(2016年)3月18日付

道医代議員会で長瀬会長、新専門医 地域へ影響懸念

 道医(長瀬清会長)の第146回臨時代議員会が13日に道医会館で開かれ、長瀬会長はあいさつで、全体で0.84%のマイナスとなった2016年度診療報酬改定について「超高齢社会を迎えた今、内容を十分検討し、自院に最も適した医療の在り方を考え、対応してほしい」と呼びかけた。17年度開始予定の新専門医制度は「異議が出され、解決まで時間を要する」として、地域医療への影響を懸念。今年6月の日医役員改選は、横倉義武会長と中川俊男副会長を推薦する意向を示した。

 長瀬会長は新専門医制度をめぐって、04年の新臨床研修制度開始から特に地方で医師不足が問題となり、08年から医学部定員増による医師養成数増が図られているが、「今やっと卒業増を迎え、医師増加が実感されるにはまだ時間がかかる」と前置き。


在宅医療・介護連携推進、道が市町村支援を強化

 道は、「在宅医療連携システム事業・全道多職種協議会」を札幌市で開催。在宅医療・介護連携推進事業の円滑化を目指し、2次医療圏の「多職種連携協議会」メンバーに市町村を追加するなど、これまで以上に市町村支援に力を入れていく方針を示した。

 医療・介護専門職などで構成する多職種連携協議会は13年度から設置され、保健所などを事務局に3月現在、20圏域に23カ所ある。


自己血輸血 さらに推進、紀野会長が全国学会で講演

 第29回日本自己血輸血学会学術総会(会長・紀野修一日赤北海道ブロック血液センター副所長)が札幌市で開催。講演した紀野会長は自己血輸血のさらなる推進で、同種血輸血による患者リスクを防ぎ、PBM(患者中心の輸血医療)の普及を訴えた。

 肝臓外科医の紀野会長は、旭医大第2外科時代(1998年〜)、東大での研修時代(2000年〜)、旭医大病院輸血部時代(03年〜)を振り返り、当初は慣習的に輸血していたものの、手技向上で出血量を減らし、「適正使用の気持ちを持って、FFP(新鮮凍結血漿)使用量も減らせた」と述懐した。


手稲渓仁会、TAVI 20カ月で40例

 手稲区の手稲渓仁会病院(田中繁道理事長、成田吉明院長・636床)は、TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)を2014年6月から、道内に先駆けて開始して以来、40例実施。術前処置で安全な状態に回復してから行うなど安全対策に力を入れ、これまでに治療した患者は、全員独歩で自宅に退院している。

 TAVIは重症大動脈弁狭窄症(大動脈弁口面積1平方センチメートル以下、大動脈弁平均圧較差40mmHg以上)で、開胸による外科的大動脈弁置換術ができないか、危険性が非常に高い症例を対象に、13年10月から保険適用となった。


北海道循環器、パートナーシップ看護導入

 中央区の北海道循環器病院(大堀克己理事長・95床)循環器内科病棟は、2人の看護師がペアで複数の患者を受け持ち、対等な立場でお互いの特性や能力を補完し合う「パートナーシップ・ナーシング・システム」(PNS)に取り組み、医療安全や院内感染予防などで成果を上げている。福井大病院で開発された看護提供方式で、道内での導入はまだ少ないことから、注目を集めている。

 循環器内科病棟は46床で、平均在院日数は8〜10日。入退院が頻繁で、重症例の受け入れも多いことから、患者の情報収集や看護ケアに時間を要し、超過勤務やインシデント件数が他病棟より多かった。


厚労省の賃金構造基本統計調査、15年医師給与76万9,200円

 厚生労働省は、2015年賃金構造基本統計調査(15年6月分)の概要をまとめた。医師所定内給与は、平均年齢40.0歳、勤続年数5.1年で月額76万9,200円。14年調査(40.8歳、5.2年)に比べて2万5,800円減少した。

 医療機関の規模別は、従業員1,000人以上が53万5,700円(平均年齢36.0歳)、100〜999人(同45.5歳)が110万3,200円、10〜99人(同51.8歳)が136万6,300円で、1,000人以上の規模を除いて前年調査を上回った。


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