北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成28年(2016年)4月1日付

日医臨時代議員会、新専門医制度への関与強化

 日医は、第136回臨時代議員会を3月27日に日医会館で開いた。横倉義武会長はあいさつで、2025年問題などに触れ、かかりつけ医を中心としたまちづくりの重要性を強調したほか、新専門医制度に関し、制度設計に強く関与していくと説明。医療の力で日本を支え続けるという気持ちを新たにしながら、来期も会務運営に当たっていきたいと、任期満了に伴う6月末の日医会長選への出馬を表明した。

 消費税問題では、10%への引き上げで医療機関経営が脅かされては本末転倒と指摘。控除対象外消費税について17年度税制改正に向け、医療界で一致団結して解決を図っていきたいとした。


札幌市在宅医療推進会議、25年の在宅医療患者数を予測

札幌市在宅医療推進会議が開かれ、2025年における市内の在宅医療患者数は現在の2倍弱となり、訪問診療は1.7倍、特養等対応は2.2倍に拡大するとの需要予測が示された。併せて札医(松家治道会長)の調査で、医療機関の23%が訪問診療を行い、今後実施予定は3%という結果も報告された。

 市がまとめた需要予測によると、1日当たりの在宅医療患者数は、13年の1万9,406人(総人口に占める割合1.0%)に対して25年は3万6,586人(同1.9%)。同様に訪問診療患者数は1万1,667人から1万9,379人、特養等対応患者数は7,739人から1万7,207人に増えるとみている。


旭医大フロンティア講座、南宗谷医療 住民自ら考える

 旭医大循環呼吸医療再生フロンティア講座(3月末で寄付講座設置期間終了)は2015年度、「南宗谷の医療の現状と健康に住み続けられる地域の創造」をテーマに、地元住民らとともに「南宗谷地域医療研究会」の活動に取り組んだ。持続可能な医療・保健・福祉の在り方について、医学生や研修医が地元住民・行政関係者らと話し合い、住民自ら地域医療や地域づくりを考えるきっかけにつなげた。

 10年度開設の同講座は、循環・呼吸・神経病態内科学分野と連携し、道北・道東における循環呼吸系医師確保へ向け、CIK(地域医療を語る会)や地域医療実習などを通じ、医学生や研修医の地域医療教育の充実を進めてきた。


札幌南一条、iPad利用のシャントマップ導入

 札幌市中央区の札幌南一条病院(西田憲策理事長、工藤靖夫院長・147床)は、iPadを活用したシャントマップを導入。シャントトラブルスコアリングシート(STS)やエコー報告書、写真、経歴、トラブルなどの時系列での確認が容易になった上、視覚による区分明示やメモ機能などの利便性も高まり、透析患者への迅速判断、予防対応が向上した。  同病院は透析ベッドを外来用60床、入院用10床運用。早くから高齢者透析に注目し、入院患者はベッド移動せずに透析を受けることができよう環境を整え、通院が難しい患者には無料送迎を行っている。


利尻島国保中央、調剤薬局と在宅服薬連携

 宗谷管内利尻町の利尻島国保中央病院(杉村政樹院長・42床)薬剤部は、島民が飲んでいる薬について、病院医師の指示に基づき島内の薬局薬剤師が在宅で薬剤管理指導を行う試みを始めた。今後は地域包括ケアシステム構築を見据えた島内の多職種連携も推進し、将来的には島内の病院と診療所が一体となった島民の診療情報共有ネットワーク構築を目指している。

 利尻島の人口は2014年現在、利尻と利尻富士の2町合計で5,000人を下回り、高齢化率は全道平均を10ポイント近く上回っている。地域包括ケアシステム構築のめどとされる25年には4割を超える島民が65歳以上となり、認知症高齢者の増加も見込まれる。


日医総研調査、IT利用の地域連携170カ所

 日医総研は「ITを利用した全国地域医療連携の概況(2014年度版)」をまとめた。地域医療連携数は10年度比2.7倍の170カ所に増加、全県域対象の地域医療連携は27%に広がっている。

 情報連携の方式は「分散型」から「クラウド型」、標準化ストレージは「SS-MIX」から「SS-MIX2」へ移行しつつあり、14年度時点の平均像は、病院10施設、診療所40施設、参加患者6,800人、情報共有患者3,500人となっている。また多職種連携システムでは利用者の97%で医師、91%で看護師が参加していた。


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