北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成28年(2016年)6月17日付

道と北大、産科医勤務環境支援で協定

  道と北大産婦人科(一般社団法人WIND、櫻木範明代表理事)は、道内分娩体制の維持に向けて連携する協定を結んだ。北大が産科医を派遣している中小都市の5病院(浦河赤十字、倶知安厚生、富良野協会、八雲総合、網走厚生)において、働きやすい勤務環境の整備を支援する。

 道はWINDと対象病院をサポート、WINDは各病院の産婦人科医確保などを調整する。対象病院ではローリスク妊娠・分娩を基本とし、産婦人科医が麻酔や新生児の蘇生を担当せずに済む周産期医療体制と助産師の確保が求められる。市町村などと調整の上、遠距離の受診が必要な妊婦の負担軽減策も講じていく。


日医、長期入院精神障害者地域移行で報告書

 日医は、「長期入院精神障害者に対するアウトリーチを含めた地域移行のあり方」の報告書をまとめた。同一診療圏域における精神医療関係者の病診連携をはじめ、医療、福祉、介護、行政が連携を取って包括的に支援体制を組む「精神障害者地域包括ケア」の構築が急がれると提言している。
 入院医療中心から地域生活中心へという「精神保健医療福祉の改革ビジョン」が確立して10年以上が経過。しかし地域移行議論は問題指摘に止まり、実効性のある方策が示されず、改革実現の財源措置も極めて乏しいとしている。


鍼刺激が消化管運動に影響─全日本鍼灸学会学術集会

 第65回全日本鍼灸学会学術大会(大会会頭・八重樫稔札幌マタニティ・ウイメンズ南1条クリニック院長)が、札幌市で開催された。シンポジウムで、松本淳岐阜大循環病態学第二内科非常勤講師が、「鍼刺激が上部・下部消化管に及ぼす影響―臨床的な立場から」と題して講演。鍼治療と薬剤治療の効果比較や、臨床研究の課題等について解説した。

 松本非常勤講師は、腹部に鍼治療することで、胃の運動抑制効果があり、薬剤使用の41例と鍼治療の19例で胃の運動抑制と検査の支障をスコア化し比較したところ有意差がみられず、内視鏡検査への応用できると語った。


生涯医療クリニックさっぽろ、小児等在宅医療整備へ連携づくり

 手稲区の生涯医療クリニックさっぽろ(土畠智幸理事長・無床)は、道からの委託を受けて、「北海道小児等在宅医療連携拠点事業(YeLL)」を進めている。さまざまな職種のスタッフが積極的に全道各地に赴き、セミナーや意見交換会などを通して小児在宅医療の連携づくりを行っているほか、子ども向けの出張授業など幅広い活動を展開している。

 同拠点事業では、▽小児在宅医療協議会の開催▽地域資源の情報収集と発信▽連携医療機関を増やす▽福祉・行政・教育関係との連携▽患者・家族の相談窓口▽家族支援・道民の理解促進─を活動の柱としている。昨年11月から本格始動し、函館市で保健センターなど地域の関係者と意見交換会を実施。今年は、十勝と岩見沢市で同様の活動を行っている。


札幌ひばりが丘、地域包括ケア病棟で情報収集シート活用

 厚別区の札幌ひばりが丘病院(高橋大賀理事長・176床)は、地域包括ケア病床の運用を開始して1年6カ月余りが経過。独自の情報収集シートを活用することで、個別性の高いケア実践とともに、多職種協働がさらに密になり、入退院支援、地域連携に大きな役割を発揮している。 情報収集シートには、住宅の玄関、室内までの距離や段差(段数)、トイレ(洋式・和式)、洗面台・脱衣所、浴室内の状況をはじめ、退院後心配なこと、介護保険利用、住宅改修予定等を記入。そのほか家族情報として同居者数、使用寝具、食事の調理者、買い物の交通手段、医療機関までの所要時間、退院に向けて本人、家族それぞれの希望なども書き込むようにしている。


●事故調 「協議会」設置で改正省令案
●札医代議員会で松家会長 地域包括ケア構築、地域医療構想策定で中心的な役割果たす
●EPA介護福祉士受け入れ3法人 支援策、解決策を共有 ゴールは独立した人材
●「認知症疾患診断センター」開設 北海道医療センター
●JCHO登別 移転候補地固まる
●自由度広げる挑戦 石垣名誉教授 札幌医療生協記念講演


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