北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成29年(2017年)6月30日付

全国初の医療用ジェット、7月30日運航開始

 道が2017年度予算に盛り込み準備を進めてきた、全国初となる医療用ジェット「メディカルウイング」を7月30日から運航すると高橋はるみ知事が表明した。道航空医療ネットワーク研究会(会長・浅井康文札医大名誉教授、HAMN)に運営を委託、中日本航空(愛知)がジェットの管理・運航を担う。
 メディカルウイングは、国の補助制度創設を受けて実施。本道は面積が広大で、医療資源の偏在が著しいことから、地方の医療機関で提供が困難な高度・専門的医療を必要とする患者や、長時間搬送に耐えられず常時医学的管理を必要とする患者、転院により症状改善が見込まれる患者などを対象に、原則、計画搬送する。 


看護必要度の該当患者、7対1が28.8%に増加

 厚生労働省は中医協「入院医療等の調査・評価分科会」に、「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の基準該当患者割合を集計した「2018年度入院医療等の調査」結果を報告した。9万2,364人を調査し24.6%が該当、そのうち改定前の基準で非該当だった患者は「A項目3点以上」4.1%、「C項目1点以上」2.4%、「A項目3点以上かつC項目1点以上」0.4%の計6.9%だった。
 看護必要度は、16年度改定でA、B項目の見直しやC項目の新設などが実施された。

 


安田氏 JOSKASで特別講演、限界を発展のチャンスに

 第9回日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS:大会長・田中康仁奈良県立医大整形外科学教室教授)が札幌市で開かれた。安田和則八木整形外科病院名誉院長(北大名誉教授)は「靭帯再建術のさらなる発展を目指して」と題した特別講演で、専門領域の治療に限界があると決めつけず、次の発展へのチャンスにしてほしいと訴えた。
 安田氏は、1976年に北大整形外科に入局し、約10年後にチーフに就いたことが靭帯再建術研究の出発点で、「膝関節を全て治したいと思い、膝関節軟骨の開発に力を注いだ」と振り返った。

 


札医大病院 トモセラピー運用へ、シード治療と併用も

 札医大病院(山下敏彦院長・938床)はトモセラピーを導入し、7月3日から運用を開始する。放射線をあらゆる角度から、がん組織に集中して照射し、隣接する正常組織への線量を低減できるため、副作用を抑えながら治療効果を上げられる。前立腺がんの放射線治療では、道内で唯一となる密封小線源放射線療法(シード治療)との併用も始める予定だ。
 適応部位は前立腺、脳、頭頸部、子宮など。放射線の強度を変えながらのヘリカル回転照射により、がん組織への高い線量集中性・均質性を維持しつつ、正常組織への被ばく線量を抑制する。 

 


特定機能病院16年度業務報告、道内3大学とも紹介率アップ

 道厚生局が公表した特定機能病院の2016年度業務報告書によると、道内3医育大病院の前年度実績で、紹介率は北大が2.3ポイント増の84.7%、旭医大が4.7ポイント増の78.3%、札医大が2.8ポイント増の73.1%と3施設ともアップ。逆紹介率は同様に、0.5ポイント減の48.2%、4.5ポイント増の67.1%、15.4ポイント増の58.5%で、北大が微減となった以外は上昇している。

 




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●札幌パーキンソンMS内科クリニック、患者サロンで太極拳体操
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