北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成29年(2017年)11月10日付 

道立北見、北見日赤が指定管理者へ

 道は道立北見病院(井上聡巳院長・70床)について、北見赤十字病院(吉田茂夫院長・532床)と指定管理者制度導入で合意したと表明した。異なる組織がハードとソフト両面で連携を図る道内に先駆けたケースとして注目を集めてきたが、オホーツク3次医療圏における地域完結型の高度専門医療の安定的、継続的な提供に向けて、2018年4月からの運営委託を目指す。
 オホーツク圏域は、人口10万対医師数が道内で最も低く、医師を十分に確保できず、地域医療の崩壊が危惧されていたことから、13年12月に北網地域医療再生計画の見直しに着手した。 

 


事故調、本道は比較的浸透も─道厚生局ワークショップ

 道厚生局は、医療機関の管理者や医療安全担当者らを対象とした、2017年度医療安全に関するワークショップを札幌市で開いた。北大病院医療安全管理部の南須原康行教授は、施行から2年が経過した医療事故調査制度の本道における現状について、人口比では全国平均よりも報告が多く「制度が比較的浸透していることがうかがえる」と強調した。
 南須原教授は最初に事故調の仕組みと流れについて、発生した医療事故が制度に合致すると医療機関が判断したら、遺族に説明した上で第三者機関の医療事故調査・支援センター(日本医療安全調査機構)に報告、院内調査を行うと説明。

 


腸内細菌叢異常、抗菌ペプチドで改善─北大血液内科豊嶋教授ら

 北大血液内科学教室の豊嶋崇徳教授らの共同研究グループは、骨髄移植マウスのモデル実験で、抗菌ペプチドを用いて腸内細菌叢の異常を改善することに世界で初めて成功したと発表した。腸管粘膜上皮細胞の増殖因子として知られるタンパク質「R-Spondin1(R─Spo1)」が、腸内で高い殺菌作用を持つ抗菌ペプチドのα─ディフェンシンを分泌するパネト細胞を増殖させることを見出した。
 腸内細菌叢の異常は炎症性疾患・アレルギー・がん・肥満など、多くの疾患の進展に関与することが報告されており、側面的治療の新たなアプローチとして期待される。

 


ステントグラフト内挿術、上行大動脈瘤で実施─市立函館

 市立函館病院(吉川修身事業管理者、木村純院長・668床)は、世界で5例しか成功報告がない上行大動脈瘤へのステントグラフト内挿術を実施した。今後は、患者の予後を考慮した低侵襲治療として、85歳以上の高齢患者への適応を検討していくという。
 上行大動脈瘤は、開胸して人工血管置換術を行うのが標準治療とされている。しかし、患者が86歳と高齢な上、心臓弁膜症、COPDを合併しており、過去に胃がんや前立腺がんの手術を経験していたため、身体的負担が少ないステントグラフト治療を選択した。

 


「医療療養2」運営病院、半数が機能強化志向─WAM調査

 福祉医療機構(WAM)は、「療養病床の今後の方向」に関する調査を実施。療養病棟入院基本料1(医療療養1)を運営する病院は、1割強が地域包括ケア病床などへの病床転換、医療療養2では半数が医療機能強化を検討しているとの結果をまとめた。
 医療療養2を運営する病院の5割は、同1や一般病床(13対1、15対1等)、地域包括ケア病床、回復期リハビリ病棟などへの転換を考え、そのほかは同1と介護医療院を組み合わせる「医療・介護充実」が15.9%、介護医療院や老健転換など「介護充実」が4.5%だった。

 


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