北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2018年(平成30年) 11月2日付

医師需給分科会、地域枠は別枠方式を原則に

 厚生労働省は「医療従事者の需給に関する検討会」の第23回医師需給分科会で、各都道府県が2019年度内に策定する「医師確保計画」に基づく医師偏在解消対策のイメージを提示し、概ね了承された。計画終了後の36年をターゲットに新たな客観的指標として「医師偏在指標」を導入、各都道府県は新指標を基に3次・2次医療圏ごとの目標医師数を設定し、大学医学部の地域枠と地元出身者枠による定員調整などを行う。
 同計画は初回が20〜23年度の4カ年、以降は医療計画見直しと合わせて3カ年ごとに見直し、35年度で終了する。昨年7月に成立した改正医療法で創設された仕組みによって、同計画に基づき22年度以降に地域枠・地元出身者枠の増員要請が行われる場合も踏まえ、政策効果が一定程度蓄積される36年度を目標時点とする。

 


道地域医療研究会で川村氏、「べてるの家」基に精神医療変革

 北海道地域医療研究会(池田千鶴運営委員長)の第24回定期研究会が札幌市で開かれ、全道の医療・保健・介護・福祉関係者が「つながろう北の保健・介護・福祉〜『障がいと共に地域で暮らす』を支える多職種連携」をテーマに意見交換した。
 日高管内浦河町の川村敏明浦河ひがし町診療所院長は、「当事者活動を中心とした地域精神医療の展開」と題して講演。浦河赤十字病院の勤務医時代に、精神障害等をかかえた当事者の地域拠点となる「べてるの家」の理念や笑いに包まれた活動実践に衝撃と感銘を受け、自身の診療姿勢、医師としての考え方が大きく変わったことを紹介した。

 


ヘルニアを学ぶ会、腹壁瘢痕の最新術式紹介

 第11回日本ヘルニア学会道支部総会・ヘルニアを学ぶ会(当番世話人・宮崎恭介みやざき外科・ヘルニアクリニック理事長)が、札医大で開催された。聖路加国際病院の松原猛人消化器・一般外科副医長は、特別講演「Abdominal wall hernia surgery〜TAPP,IPON-PLUSからcomponent separation,eTEP+TARまで」で、動画等を使い最新の手技を実践形式で紹介した。
 内鼠径ヘルニアの手術症例を例に、鼠径部ヘルニアの解剖について解説。内側と外側の境界のsecondary internal ringを取り上げ、スムーズな腹膜剥離の方法などを説いた。

 


JCHO登別移転新築、20年4月開設へ

 地域医療機能推進機構は、JCHO登別病院(伊藤美夫院長・199床)の移転新築工事を進めている。JR登別駅近郊の国道36号線に近い登別東町3丁目で、2020年4月のオープンを目指しており、救急患者の受入強化、在宅療養支援病院の役割・機能を充実させる。
 建物はRC造3階建て延べ約7,440平方メートル。診療科目は整形外科、内科、神経内科、外科、泌尿器科、麻酔科、リハビリテーション科の7科体制。病床数は一般急性期40床、地域包括ケア15床、回復期リハビリテーション55床の計110床にスリム化する。

 


床ずれセミナー、チームで褥瘡予防を

 日本褥瘡学会・在宅ケア推進協会「2018年度道地区床ずれセミナー」が、札幌市で開かれた。「褥瘡予防」をテーマとしたシンポジウムでは、看護師や作業療法士らが褥瘡発生予防に向けた対策を報告し、ポジショニングを多職種で検討するなど、チームで支援体制を築く重要性を再確認した。
 介護老人保健施設「葵の園・江別」作業療法士の岡田隆祐氏は、リハビリスタッフにおける褥瘡予防の取り組みを紹介した。胃瘻やストーマなど医療度の高い利用者の増加に伴い、仙骨部、大転子、踵部に褥瘡が発生し、重症化のケースが散見。時間帯や覚醒レベル、自動・他動運動により姿勢緊張が変化し、体の状態が常に一定ではないことから、決めていた枕のポジショニングがいつの間にか変わっていたことも経験したという。

 


●道内地域枠医師配置等考え方 指定公的機関230施設に
●一体的実施へ論点整理─保健・介護予防有識者会議
●「不適切事案」を公表─文科省、入試緊急調査で中間まとめ 
●岩見沢市・北海道中央労災、心不全・心臓リハビリセンター開設

●旭川市・豊岡中央、自己管理能力向上へ社会人基礎力を活用

 


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