北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2019年(平成31年) 4月19日付

17年度道内市町村病院、赤字87億円 25%圧縮

 道がまとめた2017年度市町村病院事業の業務概況によると、病院事業数は前年度から2事業・2病院減って81事業・88病院(うち5事業5病院が民間譲渡や診療所化による想定企業会計)、経常収支の合計は87億3,400万円の赤字となり、赤字額は25%圧縮した。経常収支比率は1.1ポイント上昇の96.5%、医業収支比率は1.3ポイント上昇の83.8%。
 経常収支が黒字の事業数は2事業減の31事業、経常利益は23%増の7億6,500万円。赤字は6割にあたる50事業(前年度比増減なし)で、経常損失は22%減の94億9,900万円。

 


大型災害時対応で道方針、部署内にハブ組織設置

 道災害拠点病院等連絡協議会・道DMAT連絡協議会の会議が札幌市で開かれ、2018年9月に発生した胆振東部地震におけるDMAT活動の検証結果や、災害拠点病院、自衛隊の対応状況などが報告された。道外からも迅速な支援が行われたことから、道は保健所や行政との連携を密にして情報漏れをなくしていくことや、保健福祉部内にハブ組織を設けて、自衛隊とともに保健医療救護調整を図れる体制づくりを進めていく考えを示した。
 今回は、「震源域での医療救護体制」「ブラックアウトによる医療機能低下」への対応が問題点に挙げられた。指揮を執ったDMAT調整本部は、保健、福祉との連携や厚生労働省のリエゾンとも円滑な情報交換を実施。

 


道医・道獣医師会連携シンポ、TBEの実態・対策紹介

 道医(長瀬清会長)と道獣医師会(高橋徹会長)は14日、連携シンポジウムを道医会館で開催した。北大獣医学研究院の好井健太朗准教授が、ダニ媒介性脳炎(TBE)の流行実態の解明と、対策に向けた取り組みを紹介。国立感染症研究所ウイルス第1部の西條政幸部長が動物由来感染症としての重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の疫学と診断・治療・予防法開発について解説した。
 TBEは、1993年に道南地方で確認されたのが国内初の症例であり、2016年に札幌市で2例目(国内初の死亡症例)、17年に函館市と札幌市、さらに18年には旭川市で5例目が発生している。

 


札幌東徳洲会、重度石灰病変にダイアモンドバック

 札幌市東区の札幌東徳洲会病院(鈴木隆夫理事長、太田智之院長・325床)は、冠動脈高度石灰化病変に対し、道内で唯一となるダイアモンドバックを導入している。従来のロタブレーターに比べ、治療の効率性と安全性が大きく向上し、患者の負担軽減につながっている。
 冠動脈の石灰化病変に対する治療法として、ロタブレーターが既に普及しているが、症例によりロタブレーターのサイズ変更が必要で、複数のカテーテルを使用しなければならず、径が太くなると、挿入部を大腿部に切り替える必要もあり、患者の負担が少なくない。

 



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