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週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 5月17日付

本道の在宅医療提供体制、40地域単位で検討─道総医協小委

 道総医協地域医療専門委員会在宅医療小委員会(委員長・藤原秀俊道医副会長)が札幌市で開かれた。在宅医療の提供体制を検討するために、道内を40カ所に分けた「地域単位」を新たに設定し、地域包括ケアシステム構築に向けて、関係者間で現状や課題共有や協議しながら、取り組みを進めていくとともに、きめ細やかな支援を行っていくことを決めた。

 新しい道医療計画が2018年度からスタート。23年度に向けた在宅医療の推進方針では、▼訪問診療等への心理的なハードルを下げるための在宅医療勉強会の開催▼後方支援体制確保等への医療介護総合確保基金を活用した補助事業の見直し検討▼地域取り組みや先進事例等の事例集作成▼人生会議(ACP)の普及啓発─のほか、連絡窓口、入退院時の連携ルール、連携促進への情報共有取り組み等が全道に広がるように、研修会なども実施していく考えだ。

 


道厚生連19年度事業、1.9%増871億円見込む

 道厚生連は、事業収益前年度予算比1.9%増の871億4,100万円、医業収益2.2%増の825億7,300万円に上る2019年度事業計画案を決定した。第9次中長期計画(19〜23年度)のスタート年度になることから、事業方針では5疾病・5事業と在宅医療に積極的に取り組むことや、道医療計画、地域医療構想、公的医療機関等2025プランを踏まえて、地域・利用者の実態に応じた機能転換を図っていくとしている。

 9次計画の初年度は、▼持続経営の確立に向けた新たな需要の追求▼先を見据え、規模縮小も含めた機能転換▼プライバシーに配慮した療養環境の改善、利用者送迎体制の推進▼医療安全対策、院内感染対策等のリスク管理の徹底▼医療機関、介護・福祉施設等との連携強化─を明記。

 


北大・病院経営人材育成PG、初年度25人にディプロマ

 北大保健科学院で2018年度に開講した「病院経営アドミニストレーター育成プログラム」が初年度を終え、全12科目の単位を取得した25人が履修証明書(ディプロマ)を手にした。1年目から道内病院の事務担当者をはじめ、医師や作業療法士など多くの医療従事者が受講し、高い満足度を得た。病院経営アドミニストレーター育成拠点・事業責任者の小笠原克彦保健科学研究院教授らは手応えを深め、2年目以降、道内講師育成や修了生らのネットワークづくりに力を入れる。同大は20〜24日、7月3日に始まる19年度授業の追加募集を行う。

 同プログラムは、文部科学省の17年度「課題解決型高度医療人材養成プログラム(病院経営支援に関する領域)」採択を受けて開始。

 


札幌東徳洲会、整形外科外傷センター開設

 札幌市東区の札幌東徳洲会病院(鈴木隆夫理事長、太田智之院長・325床)は、整形外科外傷センターを開設した。湘南鎌倉総合病院の土田芳彦外傷センター長が、同センター長を兼任し、経験豊富な医師をそろえて、重症四肢損傷のほか、関節内骨折から一般的骨折まで、365日24時間体制で対応する。

 土田センター長は、札幌徳洲会病院で外傷センターを立ち上げたのち、湘南鎌倉総合病院でも同様にセンターを開設、軌道に乗せた。  整形外科の手術患者は変形性関節症、関節リウマチ、スポーツ整形などのいわゆる一般的な整形外科領域が半数を占める。

 


江別市立栄養科、地域病院・施設と研究会

 江別市立病院(富山光広院長・337床)栄養科は、江別市と周辺の病院や介護施設等と共同で食に関する研究会を設立。勉強会等を開くとともに、栄養情報提供書を通して退院後も適切な食事内容を継続することで、栄養状態の改善につなげている。

 同病院は、患者の入退院時に切れ目のない栄養ケア情報を共有するため、2017年1月に「えべつ地区NST食研究会」を発足。現在、同病院のほか、江別すずらん、江別谷藤、渓和会江別、野幌、友愛記念、町立南幌の6病院をはじめ、特養、老健、障害者支援施設など計25施設が参加している。

 


医療事故調査実施の医療機関、半数が「再発防止明確に」

 2015年10月からスタートした医療事故調査制度。院内調査を行った医療機関の7割は「外部委員が参加し中立・公平な調査が実施できた」、5割前後が「院内の医療安全体制における課題が分かった」「再発防止が明確になった」とみている。改善の余地が明らかになった項目には、「診療記録の記載・保管・運用(カンファレンス記録や検査記録、同意書等)」「インフォームド・コンセントの在り方(病状やリスクの説明、治療法の選択、説明内容の記録等)」が挙がっている。

 医療事故調査制度の認知度は、院内調査の事案が発生する前から「具体的な流れを知っていた」が75.0%と高い。

 


●厚生労働省─がんゲノム医療拠点病院30カ所を9月指定
●日医─次期診療報酬改定へ要望書
●さっぽろ抗加齢医学研究会発足
●夕張市立診療所、移転計画素案
●薬薬連携に情報共有ツール─札幌南三条
●障害者雇用率─道内医療・福祉2.55%に

 


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