北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 1月10日付

医療施設従事10万対医師数、5期連続で平均下回る─厚労省18年統計

 厚生労働省がまとめた2018年末の医師・歯科医師・薬剤師統計(旧三師調査)の概況によると、人口10万対医療施設従事医師数は全国246.7人(前回16年調査比6.6人増)に対し、本道は都道府県別27位の243.1人(同4.8人増)と5期連続で全国平均を下回り、全国との格差は前回の2倍の3.6人に拡大した。人口10万対医師数は、20年度からの道医師確保計画でも「医師数等の現状」の参考資料となる。

 届け出医師数は本道が116人(0.9%)増の1万3,425人、全国は7,730人(2.4%)増の32万7,210人。医療施設従事医師数は本道が93人(0.7%)増の1万2,848人、全国は7,204人(2.4%)増の31万1,963人となっている。本道の増加数はともに前回から200人以上減った。医療施設従事医師数は届け出医師数の95%を占めている。


介護医療院、248施設1万6,061床に

 厚生労働省が2019年9月末時点でまとめた介護医療院の開設状況は、6月末から25施設・1,617床増の248施設・1万6,061床となった。I型(療養機能強化型相当)が7割近く、転換元は病院の介護療養病床が6割強を占めている。

 サービス類型別では、I型が20施設増の166施設(1万1,495床)、?型(老人保健施設相当以上)が5施設増の80施設(4,566床)、?型・?型の混合が変わらず2施設だった。

 転換元は、▼介護療養病床(病院)157施設・1万605床▼介護療養型老人保健施設60施設・2,581床▼医療療養病床(18年度診療報酬改定後の療養病棟入院料1・2算定)51施設・1,612床─などとなっている。


北大整形外科須藤氏ら開発、側弯症評価機器が発売

 北大は、脊椎・脊髄先端医学分野(整形外科学教室)の須藤英毅特任准教授らが開発した特発性側弯症をデジタルIT処理で自動計測する「背表面3D対称性認識システム」がクラス?医療機器(管理医療機器)の薬事承認を受け、ロバート・リード商会の「SCOLIOMAP(スコリオマップ)脊柱側弯モニタ」として販売を開始したと発表した。持ち運びや操作が簡単で、専門医でなくても側弯症を短時間に評価でき、学校検診への普及が期待される。

 機器は、背中を3Dカメラで撮影し、背中の形が理想的な左右対称性からどの程度ずれているかをデジタルIT処理によって数秒で解析。市販のノートパソコンやタブレット上にグラフィック表示するとともに、推定側弯角を自動算出する。エックス線被ばくの心配がなく、短時間に効率的運用が可能だ。


華岡青洲記念、18床増やし病院に

 札幌市豊平区の華岡青洲記念心臓血管クリニック(華岡慶一理事長、松居喜郎院長・19床)は、同一法人施設から18床を移動して37床(ICU4床含む)に増床。華岡青洲記念病院として、新たにスタートした。

 旧クリニックは2016年8月に開院。循環器内科、心臓内科を標榜し、最新の血管造影装置を備えたカテーテル室2室のほか、最先端の320列CTを道内で初導入。医師8人全員が各領域の専門医資格を持ち、先進のインターベンション治療を行ってきた。

 市内外から患者が来院し、外科手術のニーズも高まってきたため、手術室や各種検査機器の新設、満床が続いていたベッドの増床に向けて増築に着手。


羊ヶ丘、腱板断裂修復自主トレ用の解説動画作成

 札幌市厚別区の羊ヶ丘病院(倉秀治理事長、岡村健司院長・68床)は、腱板断裂修復手術を受けた患者が退院する際、自主トレーニングの内容をしっかりと理解できるよう、解説動画を作成。悪い動かし方や向きも示すことで、安全で確実なトレーニングに役立てている。

 同病院では、年間700例近くの腱板断裂修復手術を実施。術後のリハビリだけでなく、退院後も長期にわたって外来リハビリを行っているほか、自宅での自主トレーニングも毎日実施するよう指導している。

 自主トレーニングについては、退院前に説明会を開き、家で続けてもらいたい内容を紙に書いて渡していたが、腕を動かす向きや注意点が分かりにくいなどの声があった。


19年度3院団体調査、赤字病院割合が4割超

 日病、全日病、医法協が合同で実施した2019年度病院経営定期調査によると、赤字の割合が4割を超え、2期連続赤字となった病院も目立つなど、厳しい経営状況になっていることが分かった。消費税率10%の影響や働き方改革関連法施行による給与費・委託費の増加が、さらに見込まれることから、「確実に病院経営の悪化が予測される」としている。

 前年同期との比較では、医業費用が医業収益を上回り、医業利益、経常利益の赤字が拡大。経常利益をみると、赤字病院割合は前年度と同じ52.3%。減益が51.4%を占め、2期赤字減益の21.7%を筆頭に、2期黒字減益が目立った。


●厚労省20年度予算案 32兆9,861億円─医療機関統廃合支援へ 

●尊厳ある人生の最期支援 老年医学会がACP推進へ提言  

●札医大倫理委 尿中酸素分圧など53件承認

●北海道がんセンター 道内初の患者申出療養開始

●札幌東徳洲会 外国人患者に専任部署対応

●医師の複数医療機関勤務 通算時間で対応へ─働き方改革委

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