北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 5月22日付

道内臨床研修病院、21年度募集の1年次基本給が微減

 道地域医師連携支援センター(道保健福祉部地域医療推進局地域医療課)の資料に基づく本紙集計で、3医育大を含む道内臨床研修病院57施設(前年度比2施設増)の2021年度募集における1年次基本給与月額平均は、過去最高だった前年度から700円減の45万2,100円となった。ただし、新規指定の2施設を除く55病院の前年度との比較では、300円増の45万3,100円と増額傾向は続いている。

 基本給据え置きは50病院、引き上げが3病院で、上げ幅の平均は8万9,000円。引き下げた2病院の下げ幅は12万6,500円だったが、両施設ともに賞与を設けた。基本給を据え置く一方、賞与を設けたり引き上げたりした病院が3施設あった。


札幌市救急安心センター、19年度利用8万3,800件

 札幌市は、電話による救急医療相談窓口「救急安心センターさっぽろ」の2019年度利用状況をまとめた。前年度比36.1%、2万2,248件増の8万3,794件で、1日当たりは60.3件増の228.9件と、大幅に増えた。特に、2月、3月は新型コロナウイルス感染症の発生、拡大による医療機関案内や相談が急増した。

 相談種別は、救急医療相談が51%・4万2,480件(前年度比7,236件増)、医療機関案内が20%・1万6,703件(4,881件増)などとなっている。


腸内細菌叢破綻、抗菌ペプチド異常が関与─北大先端生命研究G

 北大先端生命科学研究院の中村公則准教授と綾部時芳教授らの研究グループは、自然免疫で働く抗菌ペプチド「αディフェンシン」が、小腸の上皮細胞であるパネト細胞の小胞体ストレスによって異常を起こすと、この異常な抗菌ペプチドが腸管内腔に分泌されることで腸内細菌叢が破綻し、クローン病に類似する回腸炎を発症させると発表した。

 腸管自然免疫における抗菌ペプチドの重要性を明らかにし、炎症性腸疾患だけでなく、生活習慣病、難治性免疫疾患などの新治療法開発につながることが期待されるとしている。米学術誌「ライフ・サイエンス・アライアンス」に4月28日、オンライン公開された。


足立外科・整形外科、痛みに筋膜リリース注射

 札幌市東区の足立外科・整形外科クリニック(足立孝雄理事長・19床)は、寝違えや肩こりといった痛みの軽減へ「筋膜リリース注射」を導入。エコーも併用して、的確に病変部を探し出し、効果的な治療につなげている。

 近年、身体の痛みの原因として、ファシアと呼ばれる線維結合組織の異常が指摘されている。

 筋膜は柔らかい組織で、筋膜と筋膜あるいは筋膜の中の線維間等で癒着することがあり、こうした部位に薬液(生理食塩水)を注射することで痛みの解消を図る。

 国内の医師が考案した治療法で、まだ未解明な部分があるものの、整形外科領域では大きなトピックスとなりつつある。


         

石狩病院、透析にサイコネフロロジー導入

 石狩市の石狩病院(森川満理事長・110床)は、透析でサイコネフロロジー(精神腎臓病学)に基づく看護を実践。患者特有のストレスや心理を知り、個別性や背景を理解することで対応困難例への苦手意識を軽減し、看護師間の情報共有にも役立てている。

 透析患者は、日常生活、仕事や家庭での役割など社会生活の変化、治療の長期化に伴う身体的苦痛やセルフケア継続などのストレスを抱えている。

 看護師は、こうしたストレスを、治療への否定的な感情で表出する患者に直面し、苦手意識を抱くことで、効果的なケア提供の妨げとなっていることがある。


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