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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 6月26日付

中医協総会、改定検証調査実施案を承認

 中医協総会が開かれ、2020年度診療報酬改定結果検証に係る特別調査の実施案を承認した。新型コロナウイルス感染症への対応等に伴う影響に十分配慮しながら、20年度に5項目、21年度に6項目を調査する。診療側は「現場は改定に対応できておらず、例年通りの方法では調査できる状況ではない」として、20年度は場合によって見送りも視野に入れるよう要望した。

 支払側は「例年通りの調査では、改定と新型コロナの影響の見極めが難しい」と指摘し、調査内容の工夫を求めた。厚生労働省は、感染拡大の状況を踏まえて実施方法は改めて検討すると回答する一方、20年度に調査を実施しなければ、22年度改定に向けたデータがないまま、21年度から議論を行うことになると問題視している。


診療所4月総点数17%減少、前月から6.8P悪化─日医調査

 日医は「新型コロナウイルス感染症対応下での医業経営状況等アンケート調査」(2020年3〜4月分)結果を発表した。診療所における4月の入院外の総点数は前年同月比で17.0%(無床診17.3%、有床診14.8%)減少しており、3月より6.8ポイント悪化した。病院(5.0%減)と合わせると全体で8.3%のダウンだった。

 4月の入院外総件数は、診療所が16.9%減(3月10.7%減)、内訳は無床診17.3%減(11.0%減)、有床診13.4%(8.1%減)、同様に総日数は20.6%減(12.5%減)、20.6%減(12.7%減)、20.5%減(11.3%減)。

 総点数が2割超減った診療所は41.3%(18.8%)で、前月の2倍以上に増えた。


血管異常が抗がん剤耐性原因、ABCB1の発現量増加─北大グループ

 北大歯学研究院の樋田京子教授らの研究グループは、抗がん剤治療による腫瘍内のIL─8産生等の炎症性変化が血管に異常性をもたらし、薬剤耐性の原因となることを突き止めたと発表した。薬剤耐性は一般的にがん細胞に生じると考えられているが、抗がん剤による炎症性変化が腫瘍血管内皮細胞の薬剤排出ポンプ「ABCB1」の発現量を増加させることを見出した。耐性を克服する新たな治療戦略につながることが期待される。

 北大病院泌尿器科の菊地央医員(筆頭著者)、循環器・呼吸器外科の樋田泰浩准教授、同大歯学研究院の間石奈湖助教、同大腎泌尿器外科学教室の篠原信雄教授らとの共同研究で、論文は国際腫瘍学専門誌「Cancer Research」に15日付でオンライン掲載された。


朋仁会の新病院、8月25日開設

 社会医療法人朋仁会(青木喜満理事長)は、整形外科北新病院(52床)と整形外科北新東病院(60床)を統合した新病院を、札幌市東区北8条東4丁目に8月25日オープンする。高齢者への対応を強化するとともに、アメニティの充実・向上を図る。

 新病院は、RC造地下1階地上6階建て延べ8,000平方メートル。病床数は2病院を合わせた112床。麻酔科医は救急経験者を含め5人体制となることから、急性増悪への対応が強化される。

 1階は外来スペースがメインで、診察室8室と事務室、検査室、薬局のほか、キッズスペース、売店・カフェスペースを新設。隣接地にはサッポロドラッグストアも開設し、利便性が大幅にアップする。


         

DPC病院の地域医療係数、名寄市立が全国3位

 厚生労働省は中医協総会に、2020年度のDPC対象病院における機能評価係数?の内訳を報告した。道内93病院のうち、地域医療への貢献を評価する「地域医療係数」が最も高かったのは、標準病院群では名寄市立総合病院の0.05271で、全国でも3位の高水準となった。大学病院本院群は旭医大病院(0.02828)で全国6位、特定病院群が旭川赤十字病院(0.02402)で全国22位となった。

 標準群の全国100位以内には、本道から名寄市立に加え、砂川市立、富良野協会、北見赤十字、遠軽厚生、岩見沢市立、留萌市立、市立稚内、苫小牧市立の計9病院が入った。


●医療機関支援へ空床確保等を補助 厚労省2次補正予算

●離床や座位保持訓練等で改善─日慢協 長期療養リハ研究調査 

●白土氏に秋山財団賞 本道発の国際的功績を評価 

●江別市立役割とあり方検討委2次答申 経営安定へ独法化を

●ポスト・コロナ時代のオンライン診療提言「対面」原則に活用模索 日医医療IT委

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