北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 7月24日付

地域医療振興財団19年度事業、短期派遣日数3.1%増

 道地域医療振興財団は、2019年度事業状況をまとめた。登録医の短期診療支援による派遣回数は前年度比若干減の1,106回だったものの、延べ日数は3,885日と3.1%増加した。

 医師が休暇等により一時不在となる場合の代診や宿日直などの「短期診療支援」は、40医療機関(5医療機関減)に実施。市町村病院19、市町村診療所14、道立診療所3、道立病院、医療法人が各2施設となっている。支援は117日増えたほか、派遣医師数も3人増の59人だった。

 このうち熟練ドクターは25医療機関(1医療機関減)に派遣。回数は22回減の239回、日数は138日減の805日となっている。


保団連4月診療調査、「30%以上減収」が3割

 保団連は、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する医療機関緊急アンケートの結果をまとめた。4月診療分は前年同月に比べ9割近くの医療機関で外来患者が減少、「30%以上の収入減」が3割を占めた。

 病院・診療所合わせて外来患者が「減った」は86.6%を占め、減少割合は「30%未満」が66.0%、「50%未満」が21.7%、「70%未満」が5.7%、「70%以上」が1.6%。

 このうち「病院」は85.7%が減少しており、特に急性期は96.2%に達した。30%以上の減少は療養20.2%、急性期16.3%だった。


腸管GVHD、大腸杯細胞が治療標的に─北大血液内科

 北大血液内科学教室の豊嶋崇徳教授と橋本大吾准教授らの研究グループは、白血病など血液悪性腫瘍の根治的治療に用いられる同種造血幹細胞移植の合併症である腸管GVHD(移植片対宿主病)について、大腸杯細胞の障害が生じ、同細胞によって形成される粘液層のバリア機能が破綻することをマウスモデルで発見したと発表した。成果は国際専門誌「Science Translational Medicine」に掲載。グループは、大腸杯細胞がGVHDの診断・治療モニター・予後予測のバイオマーカーや治療標的として、臨床応用が期待されるとしている。

 GVHDは同種造血幹細胞移植の代表的な合併症。近年、腸内細菌の乱れがGVHDや移植予後と関連することが報告されており、移植後に腸内細菌叢が乱れると有益な共生菌が減り、有害な病原体が増殖する。


我汝会えにわ、人工膝関節全置換術でナビ付ロボット導入

 恵庭市の我汝会えにわ病院(木村正一理事長、百町貴彦院長・150床)は、人工関節の正確な設置のため、ナビゲーションシステムを備えた手術支援ロボットを導入。ミリ単位のアーム操作により、人工膝関節全置換術の精度向上を図っている。

 同装置は、本体とロボティックアーム、モニター一体のガイダンスモジュール、カメラスタンド等で構成。患者のCT画像に基づいた関節部分の3次元画像を用い、骨の切る量や角度などを指定した人工関節全置換術のプランを作成する。

 手術の際は、術者が操作するアームがプランに合わせて制御され、骨を削る範囲を越える前に自動で止まるため、切りすぎや削り過ぎを未然に防げる。


         

WAM18年度経営分析、一般病院利益率が改善

 福祉医療機構まとめの2018年度病院経営状況によると、貸付先の一般病院(全病床に占める一般病床割合50%超、平均病床数199.5床)689施設の医業収益対医業利益率は、前年度比0.6ポイント増の1.8%に上昇した。療養型病院(療養病床割合50%超、同155.2床)441施設は0.5ポイント増の5.2%、精神科病院242施設は0.9ポイント増の2.8%と、いずれの病院類型も上昇した。

 赤字病院の割合は、精神科病院で1.8ポイント改善して27.7%、一般病院は0.1ポイント減の36.6%だったものの、機能別で依然として最も高かった。療養型病院は1.9ポイント増の24.0%へと悪化した。医業利益率の改善は、主に18年度診療報酬改定によって患者1人1日当たり入院医業収益(入院単価)が伸び、増収増益になったと同機構は分析している。


●日医終末期医療GL改定 ACP考え方追加

●地域課題解決へ事業推進 豊生会と吉田学園が包括連携協定締結 

●国と都道府県に感染症常設組織設置提言─学術会議 

●柏葉脳神経外科 血管内治療を強化

●過去最多の409件報告 医療事故19年年報

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