北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 7月31日付

コロナ流行対応を協議、3次圏域で病床確保

 道は、新型コロナウイルス感染症対策専門会議を開き、新たな流行シナリオへの対応を協議した。ピーク時には、1日の新規感染者が最大96人発生し、全療養者数は1,241人、うち入院患者839人、重症患者121人、宿泊療養402人に上ると推計。3次医療圏ごとにコロナ対応に必要な最大病床数を確保するとともに、検査充実やクラスター対応等へ、保健所の体制強化を図る方針だ。

 道内は27日現在、2万7,210人が検査を受け、陽性者の累計は1,396人。現在の患者数は91人で、軽症・中等症87人、重症4人、死亡103人、これまでに陰性を確認したのは1,202人となっている。


道立病院19年度決算、総収益1.0%減

 北海道病院事業改革推進プランを評価する委員会が札幌市で開かれ、道立5病院(北見除く)の2019年度決算(実績見込み)が報告された。総収益は前年度比1.0%減の74億3,500万円、総費用は0.4%増の128億9,500万円で、収支差は54億6,000万円のマイナスだった。

 医療事業分の収益目標達成率は、入院収益が84.4%、外来収益が91.4%で、合わせると88.5%。費用実績は給与費95.9%、医薬材料費95.6%、経費94.7%の計96.1%となった。

 5病院全体では、地域連携室が関与した患者紹介率が2.5%、逆紹介率が6.5%アップ。嗜好調査で病院食の充実に努めたほか、道厚生局との人事交流等で、病院経営に精通した人材育成の推進を図った。


北大内科1、肺高血圧症の診療向上へ─初の寄付分野開設

 北大呼吸器内科学教室(今野哲教授)は、肺高血圧症や心サルコイドーシスなど肺循環疾患の診療・研究成果のさらなる発展を目指し、初の寄付分野「呼吸・循環イノベーティブリサーチ分野」を設置した。特に肺高血圧症は、有効な治療が増えてきた一方で医療者側に未だなじみが薄く、診断や治療が遅れてしまうことも多いことから、医療関係者向けにホームページを開設。辻野一三特任教授は「疾患について知ってもらい、本道の診療レベルや診療体制を向上させたい」と呼びかけている。

 肺高血圧症は、肺動脈圧が異常に上昇する疾患の総称(安静時肺動脈平均圧25mmHg以上)で、肺と心臓の機能障害をもたらす。代表的な初期症状は息切れで、進行すると体のむくみ、重度化すると失神などの症状がみられる。治療は症状を改善し、心機能への負担を減らすことが目的で、肺移植以外に根治療法は確立されていない。確定診断には右心カテーテル検査が必要だ。


桑園中央、多職種で排尿自立支援

 札幌市中央区の桑園中央病院(松井傑理事長・72床)は、失禁、尿閉などさまざまな排尿障害に対して多職種で治療にあたる排尿自立支援チームを立ち上げた。各スタッフが専門性を発揮し、QOL向上を目指す。

 同病院は「血液透析」「救肢・創傷治療」の2センターで、SWAT(戦略的高度創傷管理術)を柱に、北大形成外科学教室、市立札幌病院などと連携して、幅広い救肢治療を展開、市内外から患者が受診している。

 高齢患者の増加に伴い、尿道カテーテル留置患者や、排尿障害に悩む患者も増えてきたため、地域に根差した病院として、創傷治療などに加え、外来から入院まで排尿障害に対し幅広く治療する体制を整えた。


         

さっぽろ内科・腎臓内科サテライトクリニック、透析リハに電気刺激療法

 札幌市西区のさっぽろ内科・腎臓内科サテライトクリニック(深澤佐和子理事長、安田卓二院長・無床)は、透析中の患者の運動療法として、ベルト電極式骨格筋電気刺激療法(B─SES)を導入。効果を検証したところ、安全性に問題なく、一部で10m歩行速度の改善などがみられた。

 同クリニックは、人工透析を専門とし、透析ベッド33ベッドを運用。エルゴメーターなどを使った運動療法を実施しているが、体を動かすこと自体が難しい患者もいるため、B─SESを活用することにした。

 同装置は、腰、膝上、足首にベルト電極を巻き付けて筒状に電流を流すことで、下肢全体の筋肉を刺激する仕組み。糖代謝促進のほか、廃用性筋委縮の予防・改善や筋肥大など、主にリハビリ目的で使用される。


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