北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 8月28日付

在宅推進支援へ運営協が初会合、地域の現状・課題分析

 在宅医療提供体制の整備・促進を目的に設立された「北海道在宅医療推進支援センター」の運営協議会が初めて札幌市で開かれた。道医と北海道総合研究調査会(HIT)が道の委託を受けて、1-各医療圏、地域単位の現状・課題分析、2-医療アドバイザーの派遣、3-在宅医療に係る先進事例集の作成、4-在宅医療に係る各種研修会の実施─を柱に事業を展開。まず全道の病院、診療所へ、在宅医療の取り組み状況に関するアンケート調査をスタートさせた。

 活動の視点に、「在宅医療の担い手となる医師の支援」「在宅医療サービスの受け手である住民の支援」「多職種連携協議会に対する支援」を掲げ、基礎的な情報整理、各主体に対する支援展開、専門的機関等との連携事業推進の活動を進めていく。


道総合在宅ケア事業団19年度事業、訪問看護件数3.9%増

 道総合在宅ケア事業団(長瀬清理事長)の2019年度事業報告によると、55ステーションの訪問看護件数は24万6,844件となり、前年度に比べ3.9%増加した。居宅介護支援事業所は4カ所減の22カ所で、介護プランは1万2,843件(2.8%減)、予防プランは1,733件(13.3%増)作成。リハビリテーション支援事業では、7市町村に計81回の派遣を行った。

 3カ年にわたる運営安定化推進プランが19年度からスタート。職員確保や職員研修の充実に努め、中重度者やターミナル患者等を積極的に受け入れるなど、新規訪問看護件数が前年度比6%強アップ、医療保険の訪問回数も3千件近く増えた。

 訪問看護利用者数は4万6,617人(4.3%増)で、保険割合(回数ベース)は介護保険65.8%、医療保険34.2%だった。


伊藤財団、豊嶋北大教授に特別賞

 伊藤医薬学術交流財団(眞鍋雅昭理事長)は、新型コロナウイルスの感染防止や唾液によるPCR検査に多大な貢献をした北大血液内科学教室の豊嶋崇徳教授に、第3回伊藤太郎特別賞(賞金100万円)を贈ることを決めた。贈呈式は、学術賞受賞者や交流等助成採択者とともに、10月2日に札幌市内で開かれる。

 同財団は、道内の研究機関や教育機関において医学・薬学・保健学・医用工学・歯学・獣医学の医薬の分野に貢献し、優れた業績と学術的に明確な将来展望を持って現役で活躍している個人を顕彰しており、今年度の第3回伊藤太郎学術賞は札医大神経内科学講座の下濱俊教授を選んだ。


札幌禎心会、微小内視鏡で頚椎症性神経根症手術

 札幌市東区の札幌禎心会病院(徳田禎久理事長・279床)は、頸椎症性神経根症に対し、直径7ミリの微小内視鏡による最新の低侵襲手術「FESS」(Full-Endoscopic Spine Surgery=完全内視鏡下脊椎手術)を実施。従来の顕微鏡手術に比べ、術後の痛みを軽減し、回復が早いなどの優位性があり、患者のQOL向上に効果を上げている。

 頸椎症性神経根症は、加齢による頸椎の変形によって上肢につながる神経根が圧迫される疾患で、重症の場合、圧迫する椎間板や骨棘を取り除く手術が選択される。

 顕微鏡手術では圧迫部位を視認するために頸部を3センチ以上切開するが、FESSでは、内視鏡を挿入するための約8ミリ程度の皮膚切開で済み、傷口を極小化できる。


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