台北

台北市内


 台北中心部は想像より都会です。高層ビルも多く建ち並びファッションビルも多く日本とそれほど変わりありません。ただ一歩郊外に足を伸ばすと何となく昔の日本の街のような雰囲気が漂っています。


MRT(Mass Rapid Transit)


 台北市内はMRT(Mass Rapid Transit、通称「捷運(ジェユィン)」)で快適に移動できます。チケットは全線共通で料金は20ー60元。乗車券はテレホンカードと似た形をしており、自動改札を通して入場します。自動販売機で購入するのですが、おつりがでないので小銭が必要となります。小銭の持ち合わせが無く、両替所を探してうろうろしている僕たちが気になったのでしょうか、年輩の女性が日本語で話しかけてきました。彼女に両替所の場所を訪ねたのですが、少し距離があるとのことで、わざわざ自らの財布を出して両替してくれ、さらに切符の買い方まで親切丁寧に教えてくれました。旅先での親切はその国の印象がすごく良い方に変わります。ボクも妻もすっかり台湾が気に入りました(単純な夫婦ですね)。ところで、自動販売機から出てきた切符は何かの記念か、広告か分かりませんが、洒落たデザインのものでした。思わずお土産に持って帰りたくなるほどです。


中世紀念公園



 ご存じ蒋介石を称えた公園で、園内にある紀念堂は台北のランドマークとなっています。MRTの駅を出ると、すぐそこに高さ30メートルの大中至正門があり、その向こうにはとんでもなく広大な敷地が広がっています。ちなみに門にかかれた「大中至正」とは、何事にも中庸が正しいという蒋介石の志と精神を示した肉筆だそうです。公園内には花壇や庭園、そして劇場、コンサートホールまであります。写真は紀念堂より正門方向を写したものですが、1つ1つの建物はかなりの大きさがあるにもかかわらず、とてもこぢんまりした建物に見えておりこの公園の広大さを物語っています。
 25万平方メートルもある公園内には花壇や庭園はもちろん劇場、コンサートホールまであります。正面から続く幅40m、長さ480mの瞻仰大道の向こうに高さ70mの中正記念堂が建っています。瞻仰大道の両側には池を中心に中国庭園となってて市民の憩いの場となっています。オレンジ屋根が目立つ大きな建物が対峙していますが、一方は国家戯劇院(劇場)でもう一方は国家音楽廳(コンサートホール)だそうです。この日は戯劇院で何かあったのでしょう。建物周囲では準備運動をする多くのグループがありました。


中世祈念堂(Chang Kai Shek Memorial Hall)


 エナメル塗装の青い瓦と大理石の白い壁を持つ高さ70mの中正紀念堂は台北のランドマークとなっています。色彩は青天白日から、屋根のデザインは天人合一からきているそうです。蒋介石のブロンズ像を見るためには、ここから89段(蒋介石の生存年齢)の階段を上る必要があります。結構遠いです、これが。
 ブロンズ像の前では1時間に1度の衛兵交代式が行われ、多くの観光客でにぎわいます。


国立故宮博物院(National Palace Museum


 世界五大博物館の一つである故宮博物院は1965年に完成。台北の中心部から地下鉄とバスを乗り継いで30分程で行くことができます。収蔵される展示物は、蒋介石率いる国民党とともに1948年から1949年に渡ったとされる一級品の文物ばかり。その後寄贈や収集活動によって数を増やし、現在では約65万点にのぼり、全てを一度では展示できないそうです。常設展でさえ数ヶ月毎に内容が変わるため、いつ訪れても違った文物を見ることができるというから、その数は想像を絶します。
 絵画、書、銅器、陶磁器、玉器、文玩などが各階ごとに展示されており、1階は古代の墓の装飾品、甲骨文(象形文字)そして青銅器がならんでいます。興味がなければ非常に地味な階です。2階は中国文化の芸術品である書画、陶磁器がならびます。特に書画は傷みやすく退色の恐れもあるので3ヶ月程度で入れ替えるそうです。また、「CHINA}といえば中国と同時に陶磁器を意味していますが、この階にはその最高峰が所狭しと集まっています。 


国立故宮博物院 3F(歴代王朝の宝物)


 ボクのように陶器が苦手な人でも3階に行けば十分に故宮を堪能できます。そこは芸術的にも宝物ばかりが集められているフロアー。ヒスイや象牙に緻密に彫られた彫刻、皇帝のオモチャ箱といわれている珍玩、色鮮やかな七宝技術の琺瑯、玉(ヒスイ)を使った玉器、きらびやかな皇族達のアクセサリー等々、見飽きる暇もありません。その中でもボクのお勧めは「雕黄楊木掻背羅漢」。ツゲの木を彫った羅漢像で高さは3p、あまりに小さいのでちゃんと虫眼鏡が付いてします。背中を掻く羅漢像の「痒い所に手が届く」表情がなんともいいですよね。


国立故宮博物院 故宮上林賦


 故宮博物館で残念なのはレストランというか昼食を食べる所がないことです。お茶菓子を食べる喫茶室みたいなところはあるのですが、食堂は展示館の外へ出なければありません。まだまだ見たい所があったのですが、お腹も空いてきたので後ろ髪を引かれる思いで館の外へ出ました。昼食時はセルフスタイルのレストランであり、家族連れでごった返していたのでたいした期待はしていませんでした。メニューもなく、ショーケースに置かれた料理が盛られた皿を選ぶだけです。時間によってメニューも変わるのがまた一つの特徴なのです。めぼしい皿を2つほどもらい片隅にあった小さなテーブルにすわりました。さてその料理、見かけはそれほどでもないのですがいざ口にしてみるとこれが美味、名前だけの高級料理店よりずーとうまい。博物館にきたら是非食べてみてください。ただし午後2時から4時半の間は点心とドリンクのみ、夕食は同じようなメニューながら若干料金が高くなるようです。ランチタイムは11時からなので、ブランチ後に博物館に入館し、内部で午後のお茶タイムをしながら見学というのが有効な時間の使い方の一つかもしれません。 


鼎泰豊


 旅行雑誌などでお馴染みの鼎泰豊の小籠包。中正紀念堂から15分程歩いたでしょうか、開店直後だったので行列もなく、しかも門構えも小さいので少し通り過ぎてしまいました。通り過ぎてから「香ばしい匂いにつられ」戻りました。間口はとても狭く、しかもわざわざ店員が点心を作っている1階の調理場を通らされて上階の席へ案内されます。
 蒸したての小籠包は箸で摘むと皮の中のスープがタッポン、タッポンと揺れるのがわかります。我慢できずに「がぶりと一口」なんてことをすると、中のあつーいスープが舌と咽を直撃しヤケドしてしまうので注意が必要です。 ちゃんと食べ方があるらしいのです(妻の弁)。まずレンゲの上に乗せてから、一部を破りスープを出します。少し熱気が冷めた所で身の方をがぶりと味わいます。そしておもむろにレンゲに残るスープを味わうのだそうです。熱々でジューシーな小籠包は評判通りのおいしさでした。お昼にはまだ早い時間ですがすでに行列ができ、人気の高さがわかります。


陶桃


  欧風スタイルの店内からして豪華な、台北でも有数の上海料理のレストラン。中華美食賞を受賞したという名実ともに評判だそうです。ある程度期待をして行きましたが、団体で行ったためか、案内されたのは欧風スタイルの店内を通り過ぎた純中国風の部屋で、出だしから期待を裏切られました。コース料理で出てきた料理は盛りつけは洒落ていましたが、器もそして肝心の味つけもごくごく平凡で、値段の割にはこんなもんか・・・という感じでした。特に上海ガニは、カニ好きの北海道人にはカニの風味がかなり足りなかったのが余計に不満を感じてしまいました。


國賓大飯店(The Ambassador


  台北の中心部、中山北路に位置する高級ホテル。エントランスやロビーには大理石が多く使われており、高級感があります。 サウナ、フィットネスセンター、屋外プールなどの施設も充実しているそうですが、この時期はプールどころの気温ではありませんでした。
 大理石のロビーも立派ですが、何よりもうれしいのは交通量が多い道路に面しているのに、客室の窓にも防音窓が用いるなど、外部の騒音がシャット・アウトされていることです。廊下も高級感ただよいますが、足音が部屋まで聞こえることはありません。静かで安眠が約束された部屋は広めですが、アメニティー等は控えめになっています。窓からの景観が改善されると本当に過ごしやすいホテルになることは間違いないでしょう。
 ホテル内レストランはヨーロッパ風のインテリアで構成され、朝食から夕食まで中華、フレンチ、日本料理等のさまざまな料理がビュッフェスタイルで楽しめます。味、種類ともに満足できるでしょう。





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