ヴェローナ

街の風景


 中世の面影を残す街並みは、あちこちに広場があり、涼しげに吹き上げる噴水も数多くみられます。壁の色まで制限して街の景観を守っているだけあって、ハトの糞やタバコの吸い殻も目にすることなく街全体がもとてもきれいです。 


アリーナ(Arena di Verona


 イタリアでは3番目の大きさがあるベローナのアレーナ(円形劇場)。1世紀の建物だそうで外観はあちこちぼろぼろのように見えますが、現在でも現役の劇場でオペラの公演が定期的に行われています。44段の階段状の客席には2万2千人も収容可能で、その音響効果の良さからオペラのみならずロックバンドの公演も行われるそうです。オペラのベストシーズンは7月から、その間に「アイーダ」は必ず上演され、その人気の高さから2ヶ月ほど前にはチケットは売り切れになるようです。
 この日は間近に迫った音楽公演に向けての準備作業中でした。ここを見学した時に、現地のガイドさんから来年のオペラ公演のパンフレットをもらいました。1度は本場のオペラを、しかも本場のアリーナで聴いてみたい気はするのですが、一緒に行った団体の中でその後に訪れた人がはたしているでしょうか?


エルベ広場(Piazza delle Erbe)


  長方形をしたエルベ広場はローマ時代の集会場で19世紀末までは街の中心地であり、その名の通り(エルベとは野菜の意味)野菜の市が開かれていた場所でもあるそうです。広場は17世紀に建てられたバロック様式のマッフェィ宮殿を始め、壁にフレスコ画を残す14−16世紀に建築された建物で囲まれ、その中に政令や判決を読み上げた演壇カピテッロ、「ヴェローナのマドンナ」と呼ばれる女人像の噴水、ヴェネツィアの象徴である翼を持つライオンが載ったサン・マルコの円柱が並びます。歴史を感じる広場ですが噴水の合間を縫うように土産屋の露店で埋め尽くされ、まるで下町の市場のような雰囲気があるのが不思議に思われます。


シニョーリア広場(Piazza dei Signori)


 県庁舎、裁判所、評議会の回廊に囲まれたシニョーリ広場は、ローマ帝国時代にはエルベ広場と一つだったそうです。広場の中央に建つダンテの像が目印となっていますが、遠くからでも目立つのは広場の一画にある高さ84mのランベルティの塔です。塔の頂上からの市内を一望する景観は見応えがあるそうです。


「ロミオとジュリニット」 ロミオの家


 シェイクス ピアの悲劇、「ロミオとジュリニット」はここベローナの実話を題材としたもので、ロミオの家やジュリエット一家のモデルとなったカプレッティ家の邸宅や墓等が今も残っています。ロミオの家は観光客もなく寂しいものでしたが、アパートとして今も現役だそうです。


「ロミオとジュリニット」 ジュリエットの家


 一方、ジュリエットの家は多くの観光客で賑わっており、人をかき分けるように進んでやっとジュリエットの像がある中庭にたどり着きました。その像は右手と右の胸だけが金色に輝いていました。ガイドさんの話では右手、右胸に触ると幸運が訪れるとか、幸せな結婚ができるとか、・・・とにかくいいことがあるみたいで、訪れた人はたいがい触って帰るそうです。もちろんボクも触ってみました。小さく冷たいおっぱいでした・・・。
 中庭に面してロミオに話しかけたバルコニーがありました(本物かどうかは不明らしい)。このバルコニーには実際に登ることができるのですが、人だかりでそこまで分け入る体力も時間もありませんでした。





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