ミラノ

スフォルツェスコ城(Castello Sforzesco)


 軍事国家ミラノを統治していたスフォルツァ家の城です。1辺が240mもある巨大な正方形の形をしており、煉瓦を積むときの足場の跡と言われている壁の穴が特徴的です。ヨーロッパではめずらしく城の周りを城壁で囲み、さらに城壁の外に堀をつくっています。当時のミラノ公国では、それだけ警備を固める必要があったのでしょう。現在は博物館および美術館となっていて、ミケランジェロの「ピエタ」もここに保存されています。
 スフォルツェスコ城の裏には48ヘクタールという広大で緑豊かなセンピオーネ公園があります。敷地内には展示会場や展望塔、平和の門などがあり、ミラノの石畳に疲れた人々のなごみの場所になっているようです。


ドゥオモ(Duomo)


 ミラノのシンボル的存在といえるドゥオモ(大聖堂)は世界最大級のゴシック建築です。500年もの歳月を費やした建築物は、奥行き148m、幅91m、高さ109mとゴシック建築としては世界最大。空に向かってそびえ立つ何本もの尖塔を持ち、先端には人物像がのっていて、その中心に黄金のマンドニーナ像があります。屋上へはエレベーターもしくは階段(166段)で上ることができ、尖塔の人物像が間近にみられます。 正面には5つの扉があり、それぞれ「ドゥオモの歴史」、「ミラノの歴史」、「マリアの生涯」、「ミラノの守護聖人アンブトージュの生涯」、「コンスタンティヌス帝の勅令」を浮き彫りで表現しているそうです。
 ドゥオモ内部は薄暗いためもあるのでしょうが、想像よりはかなり広く感じ、天井や壁のステンドグラスの美しさがひときわ目立ちます。それぞれいろいろな時代に、いろいろな技法(焼き方)で造られており、つい最近のものもあるそうです。そう言われてみると色彩や透明度が微妙に違っていました。祭壇の下には14−17世紀の宝石をはじめとする宝物、そしてミイラなども陳列された宝物庫があります。
  暗さに慣れた頃、足下をみると床の大理石もとてもカラフルで、あちこちに模様が入っています。天井の小さな孔から光が差し込むと、その位置の模様で季節と時間が分かるそうです。イタリア人の知恵と技もたいしたものですね。


ドゥオモ広場(Piazza del Duoma)


  ドゥオモ内部で感心、感動しながら外に出てみると内部の静けさがうそのように多くの人でごった返していました。広場の中央にはイタリアが統一されたときの国王であるヴットリオ・エマヌエーレ2世像がでんと構え、威厳を放っています。ここもとにかく鳩が多い。


ヴィットリオ・エマヌエーレ2世 ガレリア(Galleria Vitt. Emanuele II)


 ドゥオモ広場とスカラ座広場を結ぶガラス屋根で覆われたアーケードです。完成は1877年ですが世界大戦で破壊され、1946年に再建されているそうです。ドゥオモ広場に面する入り口などは風格十分な巨大門となっています。天井中央の十時に交差する地点にはヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカの各大陸をイメージした4枚のモザイク画となっています。模様は天井ばかりではありません、歩道も様々な模様の大理石で造られています。
 アーケード内にはプラダ本店など高級店が並ぶ街の中心で、ぶらぶらと観光しながら歩くには絶好の場所でしょう。それから、ここで売られているジェラードは結構美味しいです。是非お試しあれ。


スカラ座(Teatro alla Scala)


 「蝶々夫人」などオペラの名作が初演された由緒あるスカラ座は声楽家憧れの舞台だそうです。1778年にスカラ教会の建っていた場所に建てられ、この名前が付いたとか。第二次世界大戦で消失し1946年に再建され、現在でも一流の指揮者や歌手が活躍しています。
 この日は催しもなく豪華な造りの劇場内部も見学できました。内部は意外と狭く、上階の桟敷席からは真下に近い角度で舞台を見下ろすことになるので、高所恐怖症の人にとっては慣れるまで不安かもしれません。
 内部のスカラ座博物館にはオペラやバレエに関する品々が展示されています。トスカニーニなど有名な音楽家や、マリア・カラスなどの声楽家の衣装や肖像画、デスマスク、そして髪の毛まで展示してあります。髪の毛とは・・・さすがに、ちょっと驚きました。


スカラ広場


 スカラ座の前にスカラ広場があり、中央にはレオナルド・ダ・ビンチ像があります。スカラ座からはちょうど背中が見えますが、その背中が妙に魅力的・・・とは妻の弁。


サンタ・マリア教会(Basilica di Santa Maria delle Grazie)


 レオナルド・ダ・ヴィンチの名作「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会。シンプルながらエンジ色の美しい外壁をもつ教会の内部に壁画があるものと思っていましたが、実はその隣、品粗な外観の建物(修道院の食堂だったらしい)にありました。
 左右8メートル、上下4メートルのテンペラ画は、湿気のために損傷が激しく、この時は左側半分は修復中となっていました。ちょっぴり残念でしたが、残った半分だけでも名作といわれるだけの価値は十分にありました。ちなみに反対側の壁には違う作品が描かれていますが、こちらは「最後の晩餐」のすばらしさを引き立てる役目のようなものでした。


モンテ・ナポレオーネ通り(Via Monte Napoleone)


 「世界的なファッションの発祥地」、それがここモンテ・ナポレオーネ、スピーガ通り周辺です。ファッション音痴のボクでも知るようなブティックが軒を並べています。予想外だったのは買い物客でごった返していると思っていたのに、道を歩く人は少なく、店が閉まっているかと思いました。これが本当の高級ブランド通りの雰囲気なのでしょうねぇ


ジョリー・ツーリング ホテル


 ミラノ中央駅、ドゥオモ、スカラ座などへ歩いていける場所に建つロケーション抜群のホテル。


レストラン イル・カプリーチョ(Il Capriccio)


 ミラノ名物といれば「ミラノ風カツレツ」でしょう。見た目は日本のカツを薄く伸ばしたようなものです。ご存じの通り、味付けや調理方法はトンカツとは違うので比較のしようがありませんが、まあ写真を見て想像した通りの味と思ってもらえば間違いないと思います。このレストランで前菜に出たトマトパスタは、他店で食べたような美味しいトマトソースではなかったので、もしかしたら違うレストランのカツレツはうまい・・・?





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