お風呂免許習得物語
<其の13>

【み・弟子】
「おはようござます。列車の時刻が近づいてきてます。
用意はいいですか?」

【Q修行者】
「声がかすれてる・・・。」

【み・弟子】
「そりゃぁ、昨日あれだけ唄ったし、叫んだし。」

【Q修行者】
「そしてお前は、随分、酒を飲んでた。この酔っ払いめ。」

【み・弟子】
「久しぶりりのお酒だったんでつい飲み過ぎてしまいました。
名人、これから厳しい修行が待ってますが頑張りましょう。
私は、名人が受かるまでお酒を断とうと思います。」

【Q修行者】
「おっ、それは感心な心がけ。俺は列車の中が暇なんでお酒を飲んで寝てしまおうか と・・・。」

【み・弟子】
「!」

【Q修行者】
「冗談。冗談。 まずは駅弁だぁ。」

【み・弟子】
「はい。駅弁を買ってきます。」

(冗談を言えるまで傷心の名人の心は回復したのだろうか・・。)

【Q修行者】
「おう!  いろんな種類をたくさん買って来いよー。
よしよし、走って行きよった。それにしても今回はさすがにちょっと参ったなぁ。 1級落ちたショックと、振られたショック。
くそっ!負け無いぞ。今度という今度は絶対受からなければ。
幸いライバル田中泰蔵(56)も仮1級だからな。俺はそんなみっともないことしないぞ。 1発合格だ。そのためにこの土地を離れ、彼女の事を忘れ、なんとしても、なんとし ても・・・・。
あれ?彼女かな?そっくり????見送り?まさか。誰にも教えてないのに? やっぱテレパシーか?俺達は特別な関係で結ばれて・・・。ま・まきさぁん!」
(じ〜ん)

【み・弟子】
「名人、はい。弁当3つ。」

【Q修行者】
「おい、あそこに見える人、会長のお孫さんじゃないか?」

【み・弟子】
「はい。後ろ姿はそっくりですよね。私もそうかなと思って前にまわってみたんです けど別人ですよ。」

【Q修行者】
「だよなぁ・・・。駅弁、喰ってやる。喰ってやる。喰ってやる!」

【み・弟子】
「名人・・。少し痩せませんか?」

【Q修行者】
「馬鹿。お前、これから厳しい滝打たれの修行だぞ。
体力をつけるのだよ。」


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