お風呂免許習得物語
<其の22>

【Q1級名人論文】
銭湯の魅力はなんといっても人と人の繋がりです。
地域の人が集まり、お互いに悩みを相談しあったり、子供達はよそのおじさんに叱ら れることで公の場で振る舞い方などのルールを学びました。欧米での教会のような場 所と言えるでしょう。
しかし、そのような銭湯も歴史の中に埋もれさびれつつあります。 私は、銭湯保存を強く訴えていきたいのです。
ただ歴史的文化財として保存したいと考えているわけではなく、”豊かな社会”のた めに銭湯は不可欠だと思うのです。
最近は大型銭湯が出来て、昔ながらの銭湯経営は苦しいようです。 しかし、大型銭湯の味気なさに気付いて下さい。
番台の代わりに脱衣所にの外に料金所を設けるロビー式。番台のご主人との会話の楽 しみが無くなってる。
銭湯の、浴室のタイル画には素晴らしいモノがある。
古い建物の天井の高さは、開放感がある。
脱衣駕籠や下駄箱には、風情がある。
衰退気味の銭湯ですが、核家族化などで人間同士の触れあいが失われた今こそ、役割 は大きくなってきたのではないでしょうか。
大きなお風呂で手足を伸ばしてリラックスできる。そんな空間が身近にあることこそ が本当に豊かで恵まれていることなんだと思います。



【KONちょん】
「おっ、Q名人、やるじゃないか。見たぞ論文。」

【み・弟子】
「名人、日刊お風呂でも大きく取り上げられていますよ。」

【Q1級名人】
「でへへへへへ。私生活の充実がそうさせるのさ。」

【KONちょん】
「ほう、その後、会長のお孫さん・・なんて言ったけ、まきさんだっけ、彼女とうま くやってるんだってな。まもなく挙式? で、み:素人さんは、まだ住み込み?それ はちょっとまずいんじゃないの?」

【み・弟子】
「もう、素人じゃありませんったら。10級を収得後、次々と級を取り今度は 3級に挑戦するんです。今は、名人の家を出てひとり立ちしてます。」

【Q1級名人】
「俺の指導のたまものさ。」

【KONちょん】
「ほぅ。何も判らなかった素人がねぇ。今度俺の所へ来て修行しないかい?」

【み・弟子】
「いえ。結構です。この先は自分ひとりで出来ると思います。」

【KONちょん】
「おい、お前、まさか弟子に手を付けてないだろうな。」
(小声で耳打ち)

【Q1級名人】
「俺は、まきさん一筋さ。」

【KONちょん】
「へっ。 俺も凄い論文書こうかな。文なら負けないぜぇ。」


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