マンモス復活


私は、動物好きである。
現在の動物だけではない。滅びてしまった古代の動物も大好きである。
古くに滅びた恐竜や、1600年代に滅びたドードー鳥等、語らせたら長くなるから語らない。
その私がマンモスに思うことがある。

永久凍土に眠るマンモスの卵子を、現存するアフリカ象の精子と掛け合わせて、50%マンモスを作る。
その雌とアフリカ象と掛け合わせて75%マンモスを作る。
それをまた象と掛け合わせて88%マンモスを作って、94%マンモス、97%%マンモス、そして98%マンモス、99%マンモス。
そうやって限りなく100%に近いマンモスが作れると言い、実際、研究チームが着手しているという。

なんて素晴らしい事と、人は言う。
私は、違うと思う。絶対に違うと思う。
マンモスには、マンモスの文化があったと思う。 本能だけじゃなく、世襲された知恵、習慣、コミニケーション。
マンモスは単体で存在してたんじゃなくて、群で行動していたんだよ。 だから復活なら群を作るぐらい復活させなきゃ本来のマンモスではない。

だったら群で復活させてみようという動きがあるだろう。 それでもだめなんだよ。 一度時間の中で淘汰されてマンモス文化が途絶えてしまってるんだよ。 古代から連綿と続いてきた命の繋がり。

1度滅びたモノは復活しないの。 どうしてこういう馬鹿げたことをロマンという人種がいるんだろう。 ドラゴンボールで、神龍にお願いして死んだ人を生き返らせちゃダメなんだ。

なくなってしまったものを復活させるより、 今あるたくさんの滅びそうな野生種を残す努力に力を注ぐ事が 健康でまっとうな考えに何故気が付かないんだろう。

江戸時代、八代将軍徳川吉宗の時代に日本に象がやってきたんだ。 それこそもの凄いコストをかけてね。
でもね、象の食べる量は幕府の想像を超えたんだよ。

マンモスを健康な状態で群で飼育するのは、豊かなフィールドが必要なんだ。 環境汚染も、オゾンホールもないあの時代の気温、植物動物相がね。 滅びてしまったものを起こすのは、ロマンじゃないよ。
科学は何でも出来る訳じゃない。 出来ることが幸せじゃない。不幸の始まりでもあるんだ。

先日、クローン人間に着手した科学者がいたね。
面白いか?面白いのだろう。私は面白くないぞ。






蟹屋 山猫屋