四季の行事と神社

 

 

4月(卯月 うづき)

 卯の花が随所に咲き乱れるので、卯月または卯の花月と言いました。

花見

 農耕民族である日本人にとって、桜の花は農作業の時期を予告し、つぼみのつき具合・花の状態・散り方等で稲の豊作を占うものでした。稲作の始めに「田の神祭り」として山から田の神を迎え、桜の木の下で神様にお供えし、お下げして頂く農耕儀礼として、村全体で行われました。

みどりの日

 4月29日は昭和天皇のお誕生日で、昭和時代には天皇陛下のお誕生日をお祝いする国民の祝祭日でした。平成になり、自然をこよなく愛された昭和天皇のご遺徳いとくしのぶために、みどりの日と改称されました。自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日です。   

5月(皐月 さつき)

「5月」「早月」などと書いても「さつき」と読むが、この時期に田に苗を植えることから「早苗月」とも言われ、この呼称になった。

八十八夜

 立春から数えて88日目の5月2日頃にあたります。茶つみ歌にも歌われる八十八夜は、「八十八夜の霜別しもわかれ」といって、この日を過ぎると霜の心配もなくなり、農家にとっては種まきをする目安とされていますが、北海道ではまだこの頃には霜の心配があります。

こどもの日 

 5月5日は「端午(たんご)の節句」といわれ、もともとは田植えを控えた時期に、心身を清め田の神様をまつる行事でした。魔除けのためにお供えする菖蒲しょうぶ(強い香りやとがった葉先が邪気を祓うと信じられていた)と、尚武しょうぶとをかけて武者人形を飾るなど、次第に男の子の節句として広まりました。又、鯉のぼりは本来、お田植祭に神様を迎えるためのお清めがすんだ家の目印から発達したものとされています。

田植え

 春の最も大きな行事は田植えでした。一年の稲作の始りである田植えの前にはお祭りが行われ、家族総出、村総出で田植えが行われました。機械化が進んで田植えの風景が様変わりした今でも、各地で行われる田植え祭には昔ながらの様子が生き生きと残っています

6月(水無月 みなつき)

 この月に雨量が少ないと、稲が開花結実かいかけつじつしにくいので、豊作を祈って雨乞いの祭りが盛んに行われました。

衣がえ

 四季の移ろいがはっきりしている日本独自の風習ですが、衣がえは「更衣」といわれる宮中きゅうちゅうの行事で、夏服着用は6月1日、冬服は10月1日というところから来ていますが、現在これを守るのは学校や銀行、企業の制服くらいのようですが、ただ着物では今も衣がえの習慣が守られております。

大祓おおはらえ

 私たちは日々の生活を営むうちに知らず知らずの間に罪けがれを受けています。それを祓うための儀式が大祓で、6月30日と12月31日に行われます。12月の晦日の大祓に対して、6月は夏越なごしの大祓といわれ、かやでできた茅輪(ちのわ)をくぐり、紙の人形に息を吹きかけてけがれを祓い清めます。


トップページ