北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成29年(2017年)7月7日付

道内の入院患者流出割合、南桧山 最高の49・6%

 道が、2014年診療実績を基にまとめた2次医療圏別の入院受給率状況によると、患者流出「40〜50%未満」は南桧山、日高、根室、宗谷の4圏域だった。「30〜40%未満」は北渡島桧山、留萌、南空知、富良野、後志、北空知、遠紋の7圏域となり、08年度に比べて8圏域で流出割合が上昇した。医師や診療科等の偏在をはじめ、圏域の医療格差拡大、患者負担増を踏まえて、18年度からスタートする次期医療計画に結果を反映させていく。

 患者流出率「20%以上」は半数強の12圏域で、最高は全道で最も人口の少ない南桧山の49・6%。


道内16年度病院病床数、年間で750床減

 道の病院現況調査(4月1日現在)に基づく本紙集計によると、病院数は565病院、総病床数は9万5,119床となり、2016年度の1年間に1病院・750床減少した。新病院の整備、経営の委譲、特養への一部転換などにより、一般病床は215床、療養病床は358床、精神病床は177床それぞれダウン。結核、感染症の病床に変動がなかった。

 病院における下半期の一般、療養病床の変動をみると、札幌圏は医療法人孝仁会が西区の北海道大野記念病院の開設に伴い、五輪橋産婦人科小児科病院(南区)、心臓血管センター北海道大野病院(西区)を廃止。

 


ヘリコバクター学会、胃がん撲滅へ「函館宣言」

 第23回日本ヘリコバクター学会学術集会(会長・加藤元嗣国立函館病院院長)が函館市で開催。加藤会長は胃がん撲滅に向け、ピロリ菌感染検査と除菌治療の普及を訴える「函館宣言」を行った。

 加藤会長は、胃がん発症の要因は99%がピロリ菌であり「胃がんは感染症」と強調。母子感染が7割で除菌しない限り一生感染が続き、慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染性胃炎)を引き起こして萎縮性胃炎に発展し、胃・十二指腸潰瘍や胃がんのリスクが高まるため、「除菌による予防・治療が不可欠」とアピールした。 

 


手稲地区の14施設参加、クラウドで空床情報共有

 地域包括ケアの効率的な実現に向け、手稲区を中心とする医療機関14施設が地域病床連携会議を設立。定期的な会合で連携を深めるとともに、空床情報共有システムを運用し、各施設の特色を生かして、患者の病態に合わせた適切な入院につなげている。

 同連携会議は、手稲区にある医療機関の理事長・院長が中心となり、2014年6月に発足した地域医療連携会議を母体に、さらに踏み込んだ連携へ、現場スタッフの顔の見える関係づくりを進めるために設立された。

 


札幌の薬剤師、長期在庫薬の取引専用サイト開発

  白石区・フォルテ調剤薬局(清水崇志代表取締役)の大久保太郎薬剤師は、処方のないまま使用期限日が迫った薬剤の在庫(デッドストック)を、会員登録した薬局間で小分け取引するサイト「D.s―fine」(ディーエスフィーネ)を開発した。1年間の試行期間を経て、8月から本稼働する。

 サイトでは、各薬局が出品している「デッドストックリスト」を閲覧できる。薬剤名(商品名)、数量、使用期限、メーカー、出品薬局、薬価、値引率(基本40%)が明記され、欲しい薬剤をクリックすると、数量指定で発注。出品したい場合は、薬剤マスタから薬剤名と薬価を検索の上、手続きする。

 




●中核拠点病院整備を がんゲノム懇が報告書
●厚労省懇談会が報告書 AI活用へ工程表
●小野がん研究助成基金「感謝の会」創設者に感謝状 
●推体間固定術に新治療法 我汝会さっぽろ長濱医師
●医療研究全国集会 メンタル不全に理解を上野氏が特別報告


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