フェレンツェ

ミケランジェロ広場(Piazzale Michelangiolo)


 テレビや雑誌でフィレンツェの街並みと言えば、ほとんどがこのミケランジェロ広場からみた景観です。街の中を流れるアルノ川南岸の小高い丘にあり、広場中央にはミケランジェロ作「ダビデ」像(ただしコピー)が立っています。フィレンツェの旧市街を取り囲む城壁をミケランジェロが設計しこの広場の名前となったそうです。あちこちが美しい花々で彩られた広場はそれ自体が美しい景観で、さらに展望台からの眺めが加わるのですから贅沢な観光ポイントですよね。ドーム型天井のドゥオモや大鐘楼を中心に広がるフィレンツェの街並みの美しさは、ボクの語彙ではうまく表現できません、悪しからず。


ドゥオモ(Duomo)


 フィレンツェ観光の目玉がドゥオモ広場でいつも多くの観光客でにぎわっています。広場のメインは「花の聖母マリア大聖堂」の別名があるドゥオモ。高さ106メートルの大クーポラ(円形屋根)の設計は、コンクールで選ばれたものだそうです。外部は白、緑、ピンクの大理石で造られ、現在ではやや色褪せた感じとなってはいても、その壮麗な姿はフェレンツェ全盛の華やかさを残しています。その外観に比べ内部は「あらっ」というほどシンプル。クーポラ部には最後の審判のフレスコ画が描かれていますがやはり迫力に欠けているような気がします。


ジョット鐘楼(Campanile di Giotto)


 ドゥオモに並ぶようにそびえ立つ高さ84mのジョット鐘楼(Campanile di Giotto)。 ゴシック建築の傑作といわれていますが着工当事に建築を担当したジョットは第1層完成後に亡くなってしまい、その後第2層をアンドレア・ピサーノ、第3から第5層をフランチェスコ・タレンティが引継ぎ、1359年に完成しています。 少し離れて壁を見ると、階層ごとに異なる様式で建てられたことがわかります。
 鐘楼には414段の階段があり、頂上まで登れば絵画のような美しいフィレンツェの街並みを見渡すことができます。


サン・ジョヴァンニ礼拝堂(Battistero San Giovanni)


 フィレンツェ最古の建造物のひとつで、町の守護聖人洗礼者ヨハネに捧げられた八角形をした聖堂建築がサン・ジョヴァンニ礼拝堂(Battistero San Giovanni)です。ローマ時代の神殿跡を土台にして建設されたと言われていますが、大部分は11世紀のロマネスク様式となっています。フィレンツェとその周辺領域に住む人々は、ここで洗礼を受ける慣わしだったようです。
 南、北、東側の青銅製の扉はそれぞれレリーフで装飾されています。 最も古いのは、ピサーノが手がけて1330年に完成した南側の扉で礼者ヨハネ(ジョバンニ)の生涯を彫りこんでいます。キリストの生涯をテーマにした北側の扉と、ドゥオモに面する東側の扉は、ともにギベルティの作。旧約聖書の10の場面を掘り込んだ東側の扉は、ミケランジェロによって「天国の門」と称されたと言われています。
 内部の天井は13世紀前半にヴェネツィア出身の職人たちによって仕上げられたそうで、 「最後の審判」「洗礼者ヨハネ伝」「キリスト伝」をテーマとした金地のビザンティン風モザイクで覆われています。堂内の壁面にある彫刻ではルネッサンス期の墓標彫刻とされるドナテッロとミケロッツォによる教皇ヨハネ23世の墓が目をひきます。


ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)


 フィレンツェでもっとも古い(ヴェッキオとは古いという意味)橋で、屋根付きとなったのは14世紀とのこと。屋根のすぐ下の2階は回廊(ヴァザーリ回廊)となっており、ウフィツィ宮殿とピッティ宮殿を結んでいました。メディチ家や貴族達が刺客を逃れるために、この回廊を利用して2つの宮殿を行き来していたといわれています。1階は金銀細工のアクセサリーを売る店が所狭しと並んでいます。橋の中央には小さな広場があり、ここからながめる夕日は美しく、当然のことながら?恋人達のたまり場となっています。 第二次大戦末期のドイツ軍による爆破を免れたこの橋の回廊は、ヒトラー自身や彼に対抗するバルチザンも歩いたといわれています。   パンフレットでも有名な写真は、夕暮れ時にグラッツィエ橋からヴェッキオ橋全体を入れたショット。是非お試し下さい。 


ピッティ宮殿(Palazzo Pitti)


 ピッティ宮殿(Palazzo Pitti)はもともと豪商ピッティ家の私邸であったものを、コシモ1世のお妃であるエレオノーラが買い取り、歴代のトスカーナ大公の住居として使われていました。内部には歴代トスカーナ大公のコレクションを収めたパラティーナ美術館などがあります。美術館は宮殿をそのまま利用しており、展示室の装飾も豪華で当時の雰囲気を味わうことができます。
 美術館から出ると、美しい回遊式の庭園(ボーボリ庭園)が広がります。16世紀に設計された広大なイタリア式庭園で市民の憩いの場となっています。


ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi


 ごぞんじ美術の教科書に載っていた名画が並ぶウフィッツィ美術館。ルネッサンス様式のコの字型をした建物ですが、ウフィツィとはオフィスのことで、当時ここには国政機関、行政機関、法廷などが集められていました。 さすがに観光の目玉ですから、開館前から長蛇の列となっていました。40分ほど並んでやっと入り口までたどり着きました。
 入り口を無事通過後は階段を上り、正式な入り口がある4階に向かい、現地のガイドさんとはここで合流となりました。ボッティチェッリの「受胎告知」、「春」そして「ヴィーナスの誕生」、ミケランジェロの「聖家族」などなど、ルネッサンス期の作品群を中心に教科書でしか見たことのない絵画を間近に見るだけで、ガイドさんの説明など必要ないかもしれません。ちなみにこの美術館からみるドゥオモも絵になりますよ。


シニョーリア広場(Piazza della Signoria)


  メディチ家の住居だったヴェッキオ宮殿の前に広がるシニョーリア広場は、13〜14世紀の自治都市時代に政治、商業の中心地でした。現在、宮殿はフェレンツェ市庁舎として使われていますが、その内部にはミケランジェロをはじめとしたフィレンツェ派の画家による作品が多数展示されています。広場には中央にあるコジモ1世の騎馬像を筆頭に、ダヴィデ像(ただしレプリカでオリジナルはアカデミア美術館)、ネプチューンの噴水、アーケードのロッジアなど見所満載です。さらにロッジアにはメンドゥーサの首を掲げるペルセウス像をはじめ多数の像がならびまさに野外美術館と称されるだけあり、宮殿内部まで見る時間が無い人もこれらの像を見るだけで十分に満足できるでしょう。ちなみにこの広場は1498年修道士のサヴォナローラが過激な宗教活動がゆえ火刑された場所でもあるそうです。


パブリカ広場(Piazza della Repubblica)


 フィレンツェ発祥の地だといわれている広場で、19世紀まであった旧市場を当時のチョンピ広場に移し、現在のように生まれ変わったそうです。 広場には高級カフェが軒を並べ、昼は待ち合わせの場所、夜は大道芸人の集まる場所としてにぎわっています。もちろんヨーロッパ人が大好き?のメリーゴーランドも設置されています。


トルナブォーニ通り


 有名店が軒を連ねるトルナブォーニ通りはウィンドウ・ショッピングにはうってつけです。 ただし歩行者のすぐ横をバイクが走り抜け、しかも店の前も「駐輪場」となるほどバイクが多いのでいちいちよけて歩かなければなりません。そこに大勢の観光客も混じってきますから、混雑なんてもんでありません。よそ向いてあるくと危ないです、ほんとに。
 バール「BAR」は日本で言えば喫茶店みたいなもので、街のあちこちにあります。コーヒー、ジュースからアルコールなどの飲料はもちろん、スナック、サラダ、アイスクリームなどの軽食までそろっています。地元の人の多くは立ったままカウンターに寄りかかって、長々と話し込んでいます。実は立って飲めば安いのですが、奥に用意されたテーブル席に座るとほぼ倍の値段となります。ここで一番大切なことは、トイレで用を足すことを忘れずに・・特に私のような飲兵衛は肝に銘じておきましょう。そうそう、売られているジェラードも日本とは全く違ったこくのある味だそうで、お勧めだそうです(妻の弁)。


革製品店(Peruzzi)


 1948年創業の革製品の店。ルネッサンスの伝統技術を継承し、皮革製品ではイタリア最大規模の店だそうです。街の中心に近いサンタクローチェ教会の近くにあり、ほとんどが観光客相手だと思うのですが、日本人ツアー客が訪れると店の一角では日本語で解説がついて制作過程を実演しています。このようなものに全く興味のないボクにとって、また興味津々の妻にとってもそれほど驚くようなものはなかったようです。


プルマン・アストラ ホテル(Pullman Astria-Palazzo Gaddi)


 国旗でも掲げていなければ通り過ぎてしまいそうですが、一応4つ星のホテルです。場所はフィレンツェ駅とドゥオモ広場の中間くらいと立地条件は抜群です。ただし、建物はめちゃくちゃ古く、この時は改良工事中で埃も騒音も多かったが残念(だから安かったのか?)。ホテル内はまるでお城か美術館にでも入った雰囲気があり、改装によってきっと満足いくホテルに改装されていると思います。


南京酒家 レストラン


 フィレンツェでの昼食で連れて行かれたチャイニーズ・レストラン。次々と出てきた料理はボリュームは満点でしたが、味は日本で売られている「冷凍食品」に限りなく近いもの。というわけで決してお勧めの味とは言えませんが、オリーブオイルとチーズの味に飽きた時にでもどーぞ。


クローチェ・アル・トレッビオ レストラン(Croce al Trebbio)


 ぶらりと入ったホテル近くの小さなトラットリア。年配のウェーターは愛想のよい人で、片言英語で熱心にメニューの説明をしてくれました。メイン料理は彼のお薦めでフィレンツェ名物の肉料理を注文しました。イタリアの肉料理にしてはまずまずの味でした。ハウスワインは、かわいいブドウの装飾がついた瀬戸物の瓶に入ってきました。二人でたらふく食べて飲んで5千円ほどと値段もリーゾナブル。料理もサービスも大満足のレストランでした。





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