ゴア ガジャ遺跡

Goa Gajah

  ウブド近郊に位置する遺跡「ゴア・ガジャ」は「象の遺跡」という意味なのですが、バリ島には象は生息していません。「大きいもの」という意味もあり「大きな洞窟」と名付けられたと考えられていますが、その名前に隠された歴史はいまだ解明されていないようです。この遺跡は11世紀に造られたものだと言われており、1923年にヨーロッパ人によって発見されました。入場するに当たって服装制限があり、タンクトップやキャミソール、短パンなど肌の露出が多い服装はダメで、露出部を隠すサロン着用(レンタル料金無料)が義務付けられています。長ズボンを履いている場合はスレンダン(腰帯)のみで入場できました。入場料は20万ルピアですが、車をチャーターして言った場合は駐車料金5万ルピアも別に請求されました。
 駐車場からお土産屋が並ぶ通路を通り抜け階段を下っていくと、森林の中から遺跡があらわれます。まず手前にある大きな看板が目に付きますが、その周囲には発見当時に見つかった遺跡の壊れた石が積み重ねられ、その先に進むと「ゴア・ガジャ」の洞窟となります。 ('15.07)('19.07)

看板

料金所

頭上には案内地図


階段を降りていく


説明板


洞窟全景


  洞窟の手前にあるのが「沐浴場」。壁部には6人の女神の像が彫り込んであり、戦後最大の遺跡だと言われています。 「ゴア・ガジャ」は洞窟に大きな顔が彫り込まれていますが、発見当時はこの顔のほとんどは崩れ落ちており、残った部分で判別をすると、それは魔除けのための怪物のようにも見え、「魔女のランダ」や「ボマ」ではないかと考えられていたようです。
 洞窟は奥に進むとT字型に左右に延び(長さ13m)、人間が立てるくらいの高さがあります。意外と涼しく湿度のある空間で、外とは違った空気と時間が流れているような気がします。 
 この洞窟の両端にはそれぞれ祭壇が設置され、左側にはシヴァ神の子で知恵の神であるガネーシャ像が、そして右側には三位一体のヒンドゥー教の神を表す「リンガ・ヨニ」の石像が設置されています。そのヒンドゥーの三大神は、ブラフマ、ウィシュヌ、シヴァで、創造、繁栄、破壊、そして火、水、風の象徴であり、この3つの石像はそれぞれが上下に分かれていて、上の丸い形をしたものが「リンガ」、下の四角い受け皿のようなものを「ヨニ」と呼び、「天と地」、「男と女」、「陰と陽」などのこの世に存在する相反する二極の事象を表現しています。また洞窟の壁には、中で僧侶が瞑想を行ったり眠ったりしたと言わる穴が15個あります(ガイドさんの話)。 

壊れた遺跡が並ぶ

沐浴場


入り口


左右に僧侶が瞑想した穴がある


ガネーシャ像
シヴァ神の子で知恵の神様である


リンガ・ヨニの石像
上下に分かれ、二極の事象を表す


  遺跡からさらに階段を降りて奥に進むと小さな滝のあるペティルターンの池があります。この池の水は聖水だと考えられており、儀式に使用されています。魚が泳ぐ池やスイレンが浮かぶ池の周りには、ウィジャダリという女神の石像が並び、そこでくつろぐ観光客も多く、スナック菓子や椰子の実、バナナなどを売る売店もあります。

遺跡奥にあるペティルターンの池

小さな滝がある


物売りは必需品?


入り口付近には土産屋がならぶ


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