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ふるさと再発見
ふるさと」の文字がレンガになっています
再発見の「」が屯田兵の切り開いた
」はリンゴの生産が盛んだった
」は町を流れている湧別川の
そして回りの点々が冬の厳しい雪を表しています


20世紀の上湧別を記録
 このレンガマップは「20世紀の上湧別を記録」したものです。

大人の自由研究
 20世紀最後の上湧別町の記録を21世紀に引き継ごうという発想の元に
「かみゆうべつ20世紀メモリープロジェクト」なるボランティアグループが生まれました。会則もなく会員資格もなく誰が会員でそうでないのかよくわからない適当なグループです。活動していく内容は「大人の自由研究」のノリで、夏休みの宿題感覚で楽しくやっていこうというものです。

 何時集まるのか何時作業するのか決まっていないので、誰かが「そろそろやろうか」と声を掛けたら「じゃあ仕方ないやるかあ」が作業開始の合図です。そうすることが長続きするコツだと話し合ったのです。

 

20世紀MPロゴ

意外に多かったレンガ建造物
 まず私たちは未来を創るためには、この町の現在と過去を知ることが大切だと考えました。そこで上湧別町の歴史に目を向けたとき意外な物にぶつかりました。「レンガの建物」です。昔からレンガ工場がありレンガ生産が盛んだった名残なのか、町中にレンガ建造物が多いことがわかりました。この町にはサイロや住居・倉庫といった形で数多く現存しています。
 活動の第一弾としてレンガマップを作成して町の人に見てもらい、レンガの建物に関心を持ってもらおうと思ったのです。建造物のある場所を地図上に落としてみることでレンガが広がっていった意味も見えてくる。そういったことが町の活性化に何か結び付かないだろうか。数々の写真を通してそこから未来を創る何かをつかめないかということで調査してみました

位置図


そして、ふるさと再発見
 1999年11月1日に町に出てレンガ建造物の数の調査を行い、「もしや日本有数のレンガの街・舞鶴を凌ぐ数があるのでは?」と気づきました。わずか一日の調査で40もの建造物があったのです。全員が仕事を持っているので2回目の調査はまだ雪多い3月初旬にじっくりと行いました。実際に写真を撮りに走り回るとわかりますが、一面雪景色だと赤いレンガはかなり遠くからでも「あれってレンガかなあ」とすぐ見つけられるのです。すると60近くもの数に増えたのです。
そこで所有者の方へ主旨説明をして御了解を得て写真撮影しマップにしてしまおうという事になりました。そして6月の晴れた日を選んで撮影に出ました。
 所有者の方々におかれましては聞き取り調査の際に多大な御協力を頂きありがとうございました。最初は「何の話だ?」と言うようなけげんな顔をされたりしましたが、熱心に説明をしていくうちに御理解頂き、最後には逆に全員の方から「がんばってね」とか「おもしろいね」と暖かいお声を掛けて頂き、皆さんレンガに誇りを持っておられるのが印象的でした。北海道のオホーツクにある田舎の町といっても、くまなく町中を回るのは大変な作業でした。2人ずつの3班に分かれ朝から夕方まで取材と写真を撮り続けました。
 そんな一日を過ごし私たち自身はレンガマップ作成を通して町を見つめ直す良い経験となり、ふるさとを再発見したようだと感じました。この町には誇れるものがあるのです。美しい光景があるのです。いつも見ていた景色のはずだったのに違って見えるのです。この町に住みながらこの町を旅したのです。意識革命の起きた自分自身を感じました。青い空に赤いレンガ。気持ちのいい2000年6月でした。

ローテク(労テク)とハイテク
 それから我々は幾度となく話し合いながら、マップを作り上げて行きました。
ローテクとハイテク。この両方で作成する事にしました。パソコンはスイッチを切ったらおしまいです。何も見えない。でも手で模造紙に写真を貼ったマップはいつでも誰にでも見てもらえる。
まずこのローテク(労テク)マップに取りかかりました。地図を拡大し写真をプリントアウトして貼っていきました。畳3畳はあろうかという巨大なマップが出来上がりました。綺麗な写真の数々を目にし満足しました。とりあえずこれで人の目は引くだろう。
 次にハイテクによるデータ編集です。聞き取りデータを生かすためにCD−ROM版と印刷物、マップ縮小版のパンフレットと同時に3つの物を作成していきました。
しかし、さまざまな苦労がありました。聞き取り漏れの補修。試作品一号・二号・三号。パンフレットの手直し。全員で議論し仕事休みを返上したり、夜遅くまで費やしたり、経費は自費でかさんできたり、無我夢中に作成して行きました。それは楽しかったからです。こんな楽しい思いはかつてあったでしょうか。こうして2000年12月、一年を経てデジタル・レンガマップは完成しました。

魅力的な街を作るには自分たちが魅力的な人間になる必要がある
 私たちは魅力ある街を作りたい、そう思ってレンガマップを作って来ました。
 そうして最終的に気が付いたのは、町づくりや活性化はお金の問題ではなく、意識の問題だということです。町はみんなの意識で変えて行くものなのです。
 レンガマップ作成過程を通じて、「魅力的な街を作るには自分たちが魅力的な人間になる必要がある。」私たちはそのことに気づいたのです。
「レンガは美しい。」と気づいた我々は少しは魅力的になれたかな。
20世紀MPメンバー
左から
 尾山 弘・三宅正人・嘉野浩一・遠藤昌法・中島一之・岩井孝浩

かみゆうべつデジタル・レンガ・マップを作るきっかけとなった「まちなみ診断inかみゆうべつ」の詳細についてはこちらのページをご覧下さい。 まちなみ診断inかみゆうべつクリック!